真夏のハバナで飲んだモヒートを忘れられずいるのですが、あれからもう四半世紀が経過していることに気づきました。昨日のことのように覚えているあの風景は、きっと私の中で何度も改ざんされ、モヒートの美味しさも、それが本当であったかどうかすらわかりません。
キューバのモヒートはハバナクラブというラムで作られます。ラムと炭酸、大量の砂糖にミントを加えたカクテルなのですが、当然のことながらラムの種類で味が変わります。私にとってのモヒートはハバナクラブで作るものなので、都内にお酒を飲みに行っても必ず巡り会えるわけではありません。
ハバナクラブそのものは入手性もよく、関東であればカクヤスや成城石井で購入できます。3年ものと7年ものがあり、モヒートに適しているのは3年もの。7年ものはロックで飲むのが私のスタイルです。とはいえ、炭酸との組み合わせが好きなので、7年ものを買うことはほとんどありません。
実は15年もののハバナクラブもあり、並行輸入品が2万から3万円で売られています。20年前はワンショット5,000円くらいしましたが、円安の今は1万円近くするのかもしれません。キューバに行ったときにお土産で買って帰り、友人と飲んだことがあるのですが、濃厚な旨さと度数の高さでクラクラした記憶があります。
またキューバに行きたいなと思いながら、あっという間に25年が経過したわけですが、当時は「日本から1番遠い場所」と言われており、とにかく行くのが大変で、なかなか再訪ができていません。アメリカとの関係が良くなっているというのも、「いまさら」感を高めています。
当たり前のことですが、25年前のキューバはそこにはもうないわけです。でも私の記憶はそこで止まっていて、きっとかつてのキューバを求めてしまうのでしょう。だったらもう行かなくてもいいのかなと思いながらも、時々ハバナクラブを手にすると、やはり気持ちが傾くわけです。
ただ、この世界にはまだ見ぬ景色がいくつもあり、カリブ海だけでも気になる場所がいくつもあります。理想はそういうところも含めて、「ちょっと行ってくる」くらいフットワーク軽く出かけること。でも現実はお金もかかるし仕事もあります。他の人よりは自由度が高いとはいえ、何でもできるわけではありません。
いまの私には3年もののハバナクラブを炭酸で割って飲むくらいがちょうどなわけです。でも、好きなところに好きなように行ける未来を諦めたわけではありません。何かを大きく変えれば、未来はきっともっと開かれたものになると信じています。ただ、何をすればいいのかが見えていません。
この世界に楽して稼げる方法なんてありませんから。でも、もしかしたらその思考が間違っているのかもしれないと、最近になって思い始めています。キューバでは「この人たちはどうやって生活をしているのだろう」という人がたくさんいました。人はシャカリキになって働くべきという常識が、そこにはなかったわけです。
目的地に向かって真っ直ぐに生きるのが私のやり方で、でも世界はそれだけで成り立っているわけではないんです。たとえば日本にいながらアメリカの仕事をすれば、日本で働くよりも2倍近く稼げます。できるかどうかは別として、やり方を変えればこれまでと違う景色が見えてきます。
具体的に何をするのかがまだ見えていませんが、これからはそれを探していくことになります。Webライティングが終演を迎えた2024年。そこにしがみついたところで道は狭まるばかり。ライティングの能力はまだ使い道はありますが、Webライティングに期待するのはもう終わり。
またキューバに行けるようになるためにも、新しい働き方を模索していきます。当然のことながら実施するのは愛媛マラソン後ですけどね。いまはただ走ることだけに集中する。ただ、同時に次に何をするのか、どこに自分の足を置くのかを試行錯誤していきます。