
秋の万里の長城マラソンのために、今日から北京入りします。10月はあまりにもドタバタしすぎて、気持ちが入らないままフライト当日を迎えてしまいましたが、飛行機移動している間に気持ちの切り替えをしておきます。今年の秋は参加者もいるので、楽しんでもらう必要があるので。
日本からのエントリーは4名で、男女それぞれ2名ずつとなっています。男性は友人同士らしく、単独参戦が多い万里の長城マラソンの中では珍しいケース。1人で来て、そこで参加者同士で意気投合するというのはよくある話。私もそうやってハマっていったので。
万里の長城マラソンの魅力は、厳しいコースと人との出会いにあります。コースはかつてほどの厳しさではなくなりましたが、それでもフルマラソンの2周目、長城へと向かうトレイルの上りは、足が棒のようになる苦しさがあり、あのコースを2周するなんて信じられません。
実は今のコースになってからフルマラソンでの参戦がなく、撮影のために長城までもう1往復しますが、そのときはもう足がプルプル状態になっています。コースが楽になったとはいえ、決して簡単ではないのが万里の長城マラソンです。ただ、それに見合うだけの美しい風景がそこにはあります。
そして何よりも、万里の長城マラソンには出会いがあります。私は人見知りするタイプなので、自分から積極的に話しかけたりできないタイプなのですが、それでも多くの人と繋がることができ、今ではその人たちが万里の長城マラソン日本事務局としての私の活動を支えてくれています。
昨年、北海道で働いたのも、伊豆の宿で働いたのも、万里の長城マラソン繋がりによるものです。9年前に会社員を辞めたのも万里の長城マラソンが影響しています。そういう意味では、万里の長城マラソンは私の人生を変えた存在でもあり、私はそれに対して恩返しをする義務があります。
今回はプロモーションビデオの撮影がないので、大会翌日には参加者を連れて観光案内をします。予定しているのは前門周辺と后海周辺なのですが、マラソンそのものよりも、そこで楽しんでもらえるかのほうが気になります。こういうときは人見知りが出ないので、コミュニケーションという点では心配していませんが。
そもそも万里の長城マラソン日本事務局を引き受けたのは、1人でも多くの人に北京を訪れるようになってもらいたいという想いがあってのこと。その頃から10年以上が経過して、当時の北京と今の北京では別の国のようになりましたが、根底にある想いは1ミリもブレていません。
そのために大事なのは、驚きを提供することです。でも、いまの北京に驚きはほとんどありません。私が北京に慣れてしまったのもあるのですが、やはり大都会になってしまったことが大きく、そこにワクワク感はほとんどありません。でも、初めての人は新鮮に感じてもらえるはずです。
そこに美味しいものが加われば、いうことはありません。美味しいものを食べたという記憶は、すべてを美化してくれます。だから、万里の長城マラソンで観光案内するときは、食べ物にはこだわっています。前日の食事も同様で、とにかく美味しいものを食べてもらう。
そうすれば「北京にまた来たい」となるわけです。そうでなくとも、周りの友人に北京の魅力を語ってくれるので、万里の長城マラソンや北京の評価が上がります。それができるかどうかはすべて食事にかかってくるわけです。不安要素があるとするなら、最近は吉野家とかローカルな定食屋ばかりだったこと。
美味しかったお店も、どれだけ残っているかわかりません。ザリガニとかもディープに北京にハマった人でないと喜んでくれない気がします。そのためにはやはりリピートしてもらいたいところです。なんせ、1回では北京の魅力の片鱗しか触れることができませんので。