万里の長城マラソン:走りたい気持ちと喜んでもらいたい気持ち

万里の長城マラソンは私が大好きなマラソン大会のひとつ。日本事務局をするようになってから数年で参加者が増え、自分で走れるのは秋大会だけになりましたが、やっぱり全力で挑みたくなるものです。でも、今年の春の万里の長城マラソンで撮影しながら走るようになってから、ちょっと考えが変わっています。

万里の長城で参加者を撮影し、その写真を無料で参加者がダウンロードできるようにしているのですが、それがかなり喜んでもらえるので、だったら自分が速く走るよりも、撮影をメインにしてもいいのかなと。完走メダルが欲しいので、あくまでも参加者の1人として走りながらですが。

万里の長城での撮影は、何度も走っている私であれば写真映えするスポットを把握できていますし、どのようなアングルで撮れば万里の長城らしさが伝わるのかもわかっています。私だけにしか撮れない写真があり、それを喜んでもらえるなら私がやるのに十分な理由になります。


でも、私もランナーなのでやっぱり速く走りたい気持ちを完全に消せるわけではありません。あわよくば優勝したいという気持ちは常に持っていて、今回はそれだけの走力がありました。直前で肋骨を傷めたので、迷うことなく撮影することに気持ちを切り替えましたが、次回以降も同じよう迷わずにいられるかどうかはわかりません。

でも、撮影は絶対にしたいので、結局のところコピーロボットでもない限り、両立することはありません。さっさとハーフマラソンとフルマラソンで優勝してしまえば、そこからは撮影に専念できますが、優勝できるかどうかは相手があってのこと。

いずれにしても、今回はカメラを手にして走り出しました。スタートの撮影をしてから走り出したので最後尾から。でも早めに前に追いつかないといけないので、そこから一気にペースを上げるわけですが、ほぼフラットな場所で心拍数MAXの状態に。


ただ、春ほどの苦しさはありません。やはり、体重が軽いと走りやすいというのはロードのマラソンでも万里の長城マラソンでも同じ。GWからはかなり体重を落とせているのもあって、軽いステップでも推進力が生まれるので、ハーフマラソンとはいえ、あっという間に終わった感覚があります。

それでも大きな動きをすると、1週間前の太郎坊チャレンジで傷めた右肋骨まわりが軋みます。足を止めるほどではありませんでしたが、全体的に出力を80%くらいに抑えながら走っていたので、先頭を走るランナーの背中がどんどん小さくなっていきました。

やはり万全ではないコンディションで走れるほど、万里の長城マラソンは甘くありません。走るというシンプルな競技だからこそ、コンディションの差が走りにはっきりと現れてしまいます。そういう意味で、タイムよりも撮影しながら走ることを選んだのは正解でした。


でも、やっぱり悔しいものです。自分よりも優れた人がいるのはあたり前のことなのですが、だからといって自分が最も知っているフィールドで後塵を拝することを簡単には受け入れられない。まだまだ心が未熟だなと思いつつも、いつまでもそうでありたいというのも本音。

次の愛媛マラソンを自分の集大成としましたが、万里の長城マラソンだけはいつまで経っても「速い人」であり続けたい。順位とか関係なく、撮影していても速さにこだわれる。軽々と階段を駆け上がっていける。それがランナーとしての私の理想です。

きっとこれからも心のなかで葛藤が続くのでしょうけど、最優先すべきは参加者の満足度を高めること。それだけは絶対に忘れないようにしつつ、できる範囲でしっかりと走り切る。それができる自分でいられるように、愛媛マラソン後も体型を維持して、トレーニングも継続はしていこうと感じた秋の1日になりました。

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