
4日連続で万里の長城を歩いた日本人は、世界広しといえどもそう多くはないはずです。いずれも6時間近い歩行になっていて、しかもそのうちの3日は炎天下で、まだ撮影中だというのに、見事に皮が剥け始めてしまいました。日焼け止めしなかったことを強く反省しています。
ただ、面白いもので、ギックリ腰で北京入りしたのに5日目には「そんなことあったっけ?」というくらいの回復力。通常のギックリ腰は1週間くらい痛みが残るはずなのですが、いまはその形跡すら残っていません。それどころか、筋力も持久力も回復。
昨日は万里の長城でずっと撮影でしたが、撮影後もまったく眠くならず。撮影のテンションが抜けていないだけかもしれませんが、万里の長城を歩いたことによる疲労で、眠くなるようなことはありません。こうなってくると撮影というよりも夏合宿のようです。
撮影という文化系の仕事なのですが、完全に体育会系のノリ。どんな仕事も体力が大切なことはよくわかりました。そのために、睡眠も大事なのですが、自律神経を整えることが1番大切。呼吸を整えて、気持ちの昂りを抑える。感情の波を消してフラットな自分でいる。
難しそうなことなのですが、49歳にもなるとそういうことを無理なくできるようになるものです。歳を重ねることは悪いことばかりではありません。歳を重ねたからできるようになることも多くあります。まだ歳が重なり始めたところなので、自分を信じ切れていませんが。
撮影そのものは上手くいっているはずです。素材はイメージ通りのものが揃いつつあり、今日は残りの数ピースを集めるだけ。ただ、この数ピースはとても大切なのですが、ほとんど走らない部分の撮影で、私の演技力とかも問われるところがあります。

もちろん演技の経験などなく、どう考えても大根役者になりますが、大事なのはニュアンス。上手く演技することよりも、きちんと伝わることが大切。いや、それができないわけですが。それなのに撮影も私がするわけです。カメラを自分の思い通りに動かせないことが難易度を上げます。
そういう意味ではとても勉強になっていて、スキルは右肩上がりになっています。もともとがゼロなので何をしても成長につながるので当然といえば当然なのですが。もちろんまだ素人の域から抜け出してはいませんが、素人の域には入ることができました。
人生は何事も経験。自分にできないなんて決めつけずに、やってみることが大切です。今回の撮影で得たものは必ずどこかで活かされることになります。今回はジンバルを購入しましたが、使いこなせているとはいえないものの、その効果の凄さに驚いてはいます。
これも万里の長城マラソンのプロモーションビデオ撮影がなかったらできていなかったことで、プロモーションビデオの撮影は万里の長城マラソン日本事務局をしていなかったらなかったことなわけです。その日本事務局も万里の長城マラソンの応援サイトを作ったことが始まり。
そもそもはバンクーバーマラソンを走るつもりだったのに、予算の都合で万里の長城マラソンになったことがすべての始まりであり、そこから万里の長城を4日連続で歩く未来に繋がってるなんて、その時はもちろん思いもせず。人生万事塞翁が馬。
とりあえず、北京夏合宿のおかげで、確実にパワーアップして戻ることになります。やる気だけあって、時間が足りない日々になりそうですが、それも含めてパワーで押し切りたい。数日前にはまったく考えられなかった自分になっていますが、決して何かが憑いたわけではなく。むしろ憑き物が落ちた。そんな気がしています。
