
私は美しいものが好きで、その対象は広くアートや風景だけでなく、スポーツなどでも「美しい」というだけで心を掴まれてしまいます。その一方で「美しさを損なうもの」を嫌悪します。嫌いというレベルではなく、その存在を記憶から消してしまいたくなるほど敵対視しています。
だから、新しく買ったばかりのものでも、取れない汚れがついたり、欠損したりしたら躊躇せずに処分します。以前は、いつか使うかもと思って取っておいたこともあるのですが、取っておいても日の目を見ることはまずないことに気づき、すぐに捨てています。
衣類でも汚れが気になったら着なくなります。なので白Tシャツを夏の常用服にすると決めるまでに、それなりの葛藤がありました。白はどうしても汚れが目立ってしまうので。でも、衣類の汚れのほとんどは洗濯石鹸で落とせると言い聞かせて、白のTシャツを選びました。
汚れているわけでもなく、壊れているわけでもなく手にしないものもあります。それが100均ショップのアイテムで、安っぽいデザインのものはまず購入しません。もちろん、まったく使わないわけではなく、むしろかなりお世話になっています。
でも、購入するのは消耗品となる筆記用具やゴミ袋などが中心で、安いからという理由だけで買うことはありません。何か購入するにしても、デザインが自分のハードルを超えてこないとまず買いません。だから、「無印良品で買える」という理由で購入しないこともあります。
無印良品もそこそこ安いメーカーですが、デザインにこだわっており、そのデザインが私の好みだというのもあって、何かを買うとなったときの購入先としてファーストチョイスになります。もちろん、無印良品でもデザインが気に入らなければ買いません。

なぜそこまでデザインにこだわるのかは自分でもわかりません。使えればいいじゃないかと思うかもしれませんが、やはりクリエイターの端くれとしても細部にはこだわりたい。そういうところで妥協すると、あらゆることをなし崩し的に妥協してしまう気がします。
細部へのこだわりが私の生命線であり、個性を出せるポイントです。幸いなことに、根本にある性格としては大雑把なところがあり、こだわることに対して神経質になることはありません。気になったことに対して異常な集中力を発揮するだけ。
そこが凡人から抜け出せない理由なのかもしれませんが、どんなこだわりも一晩寝てしまうと、すべて白紙になります。興味が続かないから、ひとつの分野で抜け出すことができないのだと自己分析しています。もっとも、それを変えたいとは思いませんが。
いずれにしても細部にはこだわる。気になったらそのまま放置しておけない。ライティングでもランニングでも同じ。ただ、形が決まってしまったら後は淡々と続けるだけ。継続は得意なのですが、継続するモードに入れるケースはあまり多くありません。
細部を気にしなくなるところまで形作るというのがあまり得意ではないのでしょう。その領域になる前に飽きてしまって放り出す。もしくは美しさを見出せなかったり、細部にこだわるようなところがなかったりすると、好奇心が刺激されず、他のことに興味が移る。
もう少し妥協できれば人生はもっと楽になるのにと思うこともあります。でも、楽な人生を望んでいるわけでもなく、むしろ苦しみ悩みながら日々を過ごすほうが心地いい。何でも受け入れらる人にも憧れますが、それは私の道ではないわけです。
