
少し前にお伝えした京都マラソンの炎上問題について、京都マラソン側から説明がありました。それがまた火種になっているのですが、こうなるともうどうにもなりません。どんな手を打ったところで、非の有無に関わらず、信頼をゼロから積み重ねる以外に選択肢はありません。
話の流れを簡単に説明すると、参加者募集期間の延長があり、そのあとに抽選が行われました。この段階で元の募集期間内に申し込みをした人で抽選に落ちた人は「なんで?」となります。「募集期間を延長したということは定員に達していないからで、だったらその段階でエントリーしていたんだから当選させてよ」と。
ただ、これくらいのことでは炎上するほどではありません。ただ火種はこの段階で生まれています。そしてその後になって、入金しなかった人がいるので、落選者から先着でランナーを再募集すると発表。このタイミングが遅く、すでに他の大会に申し込んでいた人もいました。
このため、早めにエントリーして落選した人が「対応が悪すぎる」として炎上騒ぎとなったわけです。だいぶ端折りましたが、これについて京都マラソンが説明をし、結論としては「未公開の外国人枠が埋まらなかった」ことが問題の根っこにあります。
外国人枠を未公開にして、一般応募と混ぜて募集したことで、思わぬトラブルを引き起こしてしまったわけです。外国人枠を別に設けなかったのは、批判が大きくなると感じたからだと推測できます。これまでの2倍となる4,000人の枠を確保したため、日本人枠が減るためです。
ただ最初から外国人枠を公表しておき、別枠での申し込みにしておけば、今回のような炎上は起きませんでした。ただ、私は京都マラソンを責めるつもりはありませんし(その立場にありませんので)、炎上させた人を嗜めはするものの批判することもしません。

では何を言いたいのかというと、情報共有の重要性を学ぶ事例のひとつになったということです。私は常々、情報共有が大切であり、基本的にはプライバシーに関わる情報以外はすべてオープンにすべきだとお伝えしてきました。「実はこうなってまして……」というのは禍根になります。
黙っていれば不要なトラブルを回避できる。そういう考えが通用するのは過去の話で、今はどうやっても隠し事は表に出ます。目先の批判を恐れて隠しておくことが炎上の火種になるわけです。そして、そもそも目先の批判というのも、丁寧な説明、情報公開をサボるから起きるわけです。
そして、これからの大都市マラソン大会において求められるのは運営費用のオープン化です。どのような収入があり、どのような支出があったのか、そもそも赤字にならないための予算設計がどうなっていたのかも可能な限りすべてオープンにする。
少なくとも自治体が税金を使っている場合、そこまでしないと地元の人たちも納得しません。可能であればマラソン大会がもたらす経済効果の試算と税収増についても、大会が終わってからレポートを公開する。そこまでしないと、同じことが繰り返されるだけです。
お金の流れをオープンにすることで、マラソン大会そのもののあり方が変わる可能性もあります。今は1人あたりにかかるコストが、参加費を大きく上回っているのが現実。物価や人件費の高騰を考えると、このままでは開催そのものが厳しくなります。
そろそろマラソン大会のあり方を再構築しなくてはいけない時期に来ていて、破綻する前にシフトチェンジしないといけないのだろうと感じています。そのための第1歩として情報公開、情報共有が大切なのですが、古い体質から抜けられない組織にとっては念仏でしかないのかもしれません。
