グリコーゲンとランニングスピードの関係について

オートファジーを意識した食生活に切り替えて、大きく変わったことが1つあります。それは「速く走れなくなった」ということです。ある程度は理解していましたし、オートファジーに問題があるのかどうかはわかりませんが、なるほどなと思うことは多々あります。

16時間のプチ断食を行っているので、朝は体がグリコーゲン不足を起こしています。その状態で走るとなると体脂肪をエネルギーに換える必要があり、この場合は変換効率があまり高くないので、たくさんのパワーを得られない。だからスピードを出せないわけです。

理屈の上ではそうですが、本当にその考え方で合っているのか、合っているとすれば、自分がどう向き合っていけばいいのかについて考えてみようと思います。

目次

グリコーゲンが枯渇するとどうなるのか

そもそもグリコーゲンとは何なのかを簡単に説明しておきます。グリコーゲンは体を動かすためのエネルギーのひとつで、そのほとんどが肝臓に蓄えられていて、必要に応じてグルコースに分解され血液を使って運ばれていきます。

肝臓に蓄えられるグリコーゲンの量は肝臓の重量の8%で100〜120g、筋肉に蓄えられるグリコーゲンは筋肉の1〜2%と言われています。

12~18時間絶食すると肝臓におけるグリコーゲンは枯渇し、体脂肪の燃焼が発生します。そして次にオートファジーが始まります。ですので朝起きたときにはわたしの肝臓にはグリコーゲンがありません。

グリコーゲンがないとどうなるのか。その状態で運動すると筋肉の能力が高まることがわかっています。一方でグリコーゲンが不足すると筋肉(タンパク質]が分解されてしまいますし、そもそもグリコーゲンがないと脂肪をエネルギーに換えることはできません。

なんとなく見えてくることがあります。トップランナーは体が細いのですが、単純にグリコーゲンが常に不足している状態で、ムダな筋肉が削ぎ落とされているのでしょう。あとは必要な量だけ摂取して使うから脂肪になることもないわけです。

なぜ速く走れなくなっているのか

それではなぜわたしはスピードを出せなくなっているのでしょう。理由はシンプルです。必要な量の糖質を摂取できていないからです。2食+おやつという食生活をしていますが、そもそもが3食+おやつだったわけです。2食で多めに摂っているつもりでも足りていないのでしょう。

まず朝起きた段階でグリコーゲンが枯渇しています。この状態で朝ランをすれば、グリコーゲンをエネルギーにできません。脂肪をエネルギーにするにしても、その着火剤になるグリコーゲンがありません。

実際には枯渇しているのは肝臓のグリコーゲンで、筋肉に残っているグリコーゲンがあるから走ることはできますが、スピードを上げすぎるとそれも枯渇するので、意識的にペースを上げようとしない限りスピードが出ないというわけです。

では夕方ランはどうなのか。

肝臓に溜められるグリコーゲンは100〜120gですが、実は脳が1日で使うグルコースの量も同じくらい。朝から夕方まで仕事をしていると、食事で摂取したグリコーゲンは脳の活動だけで消費してしまいます。ですので、肝臓のタンクは夕方にはやはり足りない状態にあります。

走れてもキロ5分30秒くらいがいいところでしょう。

わたしたちが運動をするときにはグリコーゲンと脂肪をエネルギーに使っていますが、強度が高い運動ほどグリコーゲンを多く使い、強度が低いと脂肪をエネルギーにします。これは逆説的にグリコーゲンが少ないと強度が高い運動ができないことを意味します。

マラソンと16時間プチ断食は相性が悪い

もしスピードを取り戻したいなら、単純に糖質を多く摂取すればいいだけです。グリコーゲンローディング・カーボローディングという考え方では、1度グリコーゲンを枯渇させてそこからグリコーゲンを溜め込むという手法がとられてきました(最近は枯渇させない)。

その考え方ならレースの2〜3日前から炭水化物を多めに摂取すればいいので、わたしもスピードを出したいならグリコーゲンを積極的に摂ればいいだけです。ただ2〜3日前から行わなくてはいけません。運動直前ではそれほど多くのグリコーゲンを蓄えることができません。

ただ、16時間プチ断食によるオートファジーとマラソンはかなり相性が悪いことはわかります。どうしたってグリコーゲンが不足しますので、単純に炭水化物を多く摂ればいいという話ではなく、肝臓のタンクを空にするオートファジーをしているとポイント練習ができないことになります。

今は体作りのタイミングでポイント練習をしていないので問題ありませんが、秋になってポイント練習を始めるとなったら、1日3食に戻す必要があります。これはちょっと悩ましい問題です。すべてを手にすることはできないわけで、速くなるのを選ぶか、若々しい体を選ぶか。

16時間の断食でなくてもオートファジーを起こせる可能性

負荷の高いトレーニングをしながらもオートファジーを起こすのは無理があるということがわかりましたが、ひとつだけ可能性があると思っています。それはランニングまえん給食をするということです。

ここでエネルギーになりやすい糖をダイレクトに補給し、その糖のエネルギーをポイント練習で使い切るわけです。そうすればカロリーとグリコーゲンの量の収支バランスでは摂取していないのと同じことになります。

固形物ですと胃腸に負担がかかるのでNGですが、例えばハチミツやエナジージェルなら内臓への負担は最小限に抑えられます。

そうなると、そのハチミツやエナジージェルは摂ってないのと同じことになるわけです。数字の上ではということですが。これは実際に試してみる価値はあります。いや、どこかで試さなくてはいけません。もしくは論文を探してくるか。

もちろん、レースの前はしっかりと3食摂る必要があります。たまにそういうイレギュラーがあってもいいとは思います。ただ、個人的にはこの1日2食というのはいろいろな面で気に入っています。だから、それを維持しながらも高負荷なトレーニングをするにはどうすればいいか。

これってかなり画期的な挑戦ではないでしょうか。オートファジーそのものが新しい分野ですし、そこにランニングをどう組み合わせるべきか、それも健康のためのランニングではなく、記録を狙うための追い込むタイプのランニング。考えただけでもワクワクします。

まとめ

16時間プチ断食によるオートファジーは肝臓のグリコーゲンを枯渇させるため、日常生活において継続的に行うと、ランニングでスピードを出せなくなります。このためポイント練習などの高負荷なトレーニングができなくなります。

理屈でもそうですし、実感としてもそれを強く感じています。

現時点では高負荷なトレーニングをするフェーズにないので、体重を落とすことと体を若返らせるためにオートファジーを継続していきますが、どこかで16時間プチ断食中の補給とトレーニングについて実験しておく必要がありそうです。

またプチ断食ではなくHIITでもオートファジーが起こるという話もあります。このあたりをもう少し詳しく勉強して、オートファジーと追い込むランニングの両立を目指すことをしばらくの課題にしようかと思います。

ちなみにオートファジーに取り組みはじめて3週間でウエストがマイナス6センチです。体重はかなりゆっくりとしか減っていませんが、肌は明らかに改善されています。これ、やらない理由が見つかりません。だからこそ両立できるようにいろいろと試してみようと思います。

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