東京マラソンの追加当選に戸惑う2つの理由【準備時間の短さと開催されないリスク】

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東京マラソン2021の外国人枠が空いてしまったので、ONE TOKYOプレミアムメンバー全員が出場できるようになり、さらに都民枠でエントリーした人も抽選で追加当選になりました。東京マラソンの事務局は外国人枠を埋めるためとしていますが、おそらくPCR検査で追加費用が発生するとなって、入金を取りやめた人も多数いるのでしょう。

なぜなら、今回追加当選した人からあまり喜びの声が聞こえないからで、むしろ戸惑っている人が多いような感じがします。その理由は大きく分けて2つあり、ひとつは「東京マラソンまでの準備期間が足りない」というもので、もうひとつが「開催されないかもしれないのに」という不安の気持ち。

まぁ3ヶ月しかないとなると、多くのランナーは不安なのでしょう。3ヶ月、私が毎週開催している練習会に来てもらえれば、全然間に合わせる自信はありますが、3ヶ月では足りないというのが一般的な感覚なのでしょう。実際にRUNNING STREET 365の「フルマラソンまであと3ヶ月!そんなときにすべき練習は?」という記事のアクセス数が上がっています。

3ヶ月あると往っても7〜8月は日中に走るのが無理ですし、まぁ冷静に考えれば難しいという人がいてもおかしくありません。それを「やればできる」なんて言ってもどうにもなりませんから。自分にとって簡単なことが他の人にとって簡単とは限りませんからね。

戸惑っているもうひとつの理由、「開催されないかもしれないのに」というのはかなり大きな問題です。別に東京マラソンの事務局が悪いわけではありませんが、ランナーはもうマラソン大会をオオカミ少年として見ています。参加費が返ってこなかったり、土壇場で中止にしたり。そういう経験を何回かすると、そりゃ疑心暗鬼にもなります。

ましてや東京マラソンを主催している東京都が、オリンピックで絶賛迷走中ですので、信用はほぼゼロの状態です。さらに開催されるにしてもPCR検査に通らなくてはいけません。追加料金を払って走れないリスクがあるなんて、さすがのランナーもそこまでして走りたくないというのが本心です。

東京マラソンなんて参加費が1万円ちょっとだったから人気が出ました。それが、検査費も合わせて2万円オーバーですから、いくらコロナ禍だからといっても、そこまで出して走りたくないのでしょう。ただ、これは東京マラソンの事務局の責任でもあります。

東京マラソンのホームページで、開催される条件などを調べるのが難しくなっています。私が見た限りでは、中止になる条件や走れなかったときの対処方法などの情報は明記されています。でも、すごく分かりづらく書かれています。典型的な役所の文章で読み取るのに根気がいります。

本来なら1番分かりやすく解説付きで説明すべきポイントなのに、掲載されているページを探すのも難しく、書かれていることを理解するのにも読解力が求められる。そうなったら「面倒だからもういいや」になるわけです。でも東京マラソンは走りたい人のほうが圧倒的に多いから、それでも成立していました。

でもそれが崩れかけています。戸惑っているランナーがいま1番知りたいのは、「どのような条件なら開催されるか(開催しないか)」「開催できなかったときどう対処するのか」の2つです。これをもっと分かりやすくまとめておけばいいのに、注意事項や規約ばかり増えて悪徳商法みたいになっています。

もっとも分かりやすくしている大会も、参加者が集まりづらくなっているのが実情。もし今回もまた中止になったら、正直なところマラソン大会は、今後大きく縮小することになります。新型コロナウイルスの終息宣言でも出ない限り、「もう緊急事態宣言は出しません」と言わない限り開催できなくなります。

そうなればランニングブームは完全に終焉を迎えます。始まりがあるものは必ず終わりがくるので、仕方のないことではありますが。その世界に身を置くものとしては、寂しく感じてしまいます。なんとかならないものかと思いながらも、これに関しては打つ手もなく、私も沈みゆく泥舟に乗り続けるしかありません。

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