異文化交流という種蒔き【コミュニティが持つ常識から離れてみる】

今日は宿の清掃があったので、一昨日の夜は宿直室に前泊。トライアスロンチームが貸切で合宿しており、夕飯に合流させてもらいました。マラソンで繋がりのある人にもトライアスロン経験者がいますが、そのコミュニティに入り込むのは初めての体験で、トライアスロンとランニングはコミュニティのあり方が違うものだと感心しました。

もちろん他のトライアスロンチームも同じかどうかはわかりませんが、きっと技術論で盛り上がったりするのでしょう。トライアスロンには自転車があるので、テクニカルな要素も多いのに対して、ランニングはあまり技術について語り合うことはなく。裸足ランニングだと少しはあった気がしますが。

でもランニングってかなり技術を求められるスポーツなんですが、それを語られることはほぼありません。まず言語化するのが難しく、なおかつ言葉で指示した通りに体を動かせる人はほとんどいないわけです。実際にやってみせても、同じ動きをできるのは一部の人だけです。

自転車や水泳はどうなのかはわかりませんが、あれだけ語り合えるということは、少なくとも自転車は言葉で表現して、それを実現するのはそれほど難しくないのかもしれません。私の知ってる自転車乗りたちは、みんな知識が豊富で自分なりの理論を備えている人がほとんどですので、やはり自転車とは理論や理屈が重要なのかもしれません。

理論や知識が大事か、それとも思い通りに体を動かせることが大事か。これに関して答えを出そうというわけではなく、違う文化の中に入り込むと、競技に向き合うときのスタンスが違うことに気づけて、そこに自分の走力アップに繋がるヒントみたいなものが見つかることがあります。

ランニングのコミュニティにいると、そのコミュニティ内だけの常識に染まってしまいがち。こわいのは、その状態になっていることに自分自身では気づけないということです。たとえば、私は「裸足でもフルマラソンくらいなら」という表現をよく使いますが、裸足のコミュニティなら普通のことであっても、それ以外のコミュニティでは「非常識」になります。

どこに所属するかで、常識は変わってくるわけです。裸足のコミュニティにいれば、多くの人が裸足でフルマラソンを走っているのを目の当たりにするので、自分でもできるんじゃないだろうかと思うわけです。でもそうじゃない人は「絶対に無理」と思う。ただ、そういう人でも裸足ランナーに出会ったら、自分もできるのでは?と感じるわけです。

そういう意味では出会いは大事ですね。私は人見知りをするタイプなので、どんどん前に出ていくのは苦手。知らないコミュニティにはつま先だけでも立ち入りたくないのですが、そればかりだと自分の中にある常識という檻の中でしか行動できなくなってしまいます。

話は少し戻りますが、私は誰かが裸足でフルマラソンを走ってるのに影響されたわけではありません。鳥取マラソンに出場したとき、アップ前に「なんか行けそうな気がする」と思ってシューズを脱ぎました。世の中にはそんな突然変異する人間もいるので、異文化交流が必ずしも大切というわけではありません。

ただその突然変異だって、自分の殻に引きこもっていたのでは起こりません。いつ芽が出るがわからない種を蒔き続けることで、ある日突然、自分の中で発芽するわけです。種を蒔いていないなら、どうしたって芽は出ませんし、花が開くこともありません。他のコミュニティに接することは、その種蒔きなわけです。

決まったコミュニティの中に居続けるのは心地よいのですが、それはいつの間にかぬるま湯になっている可能性があります。ぬるま湯ならまだいい方で、気がついたら茹でガエルになっていることもある。そのコミュニティが好きなら、積極的に外の冷たい水に触れることも必要です。

それはとても面倒なことで、場合によっては傷つくことだってあるはずです。刺激的すぎて、そのコミュニティに飲み込まれてしまうこともあります。でもそうなったらそうなったでいいじゃないですか。人生は先が見えないから面白いんですから。あ、トライアスロンを始めるわけではありませんので。

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