昨日で3回目の裸足練習会でした。まだ3回しか開催していないのに、みんなわたしよりもスムーズに走れているような感じ。あっという間に無理のない走り方を身に着けてて、教える側が焦ります。
人に教えるようになって気がつくのは、それぞれに個性のある走り方があるんだということです。左右バランスが違うのは誰でもありますし、これまでやってきた走り方の癖が出ます。
でも基本的にはそれは直す必要はないかなと思っています。
ランニングやピラティス、ヨガなどのインストラクターは、左右バランスの崩れを一生懸命なくそうとしますが、わたしたちに利き腕や利き足がある以上、どうやっても左右バランスに違いは出ます。
そもそも右足と左足の長さが同じという人がほとんどいません。それは矯正するものではなく、走りに活かす、もしくは走りで悪い影響が出ないようにしておけばいいだけのことです。
癖を治そうとすると、これまで身につけてきたものを崩さなくてはいけなくなります。トップアスリートなら左右バランスを直す必要がありますが、わたしたちはこれでも数十年バランスが崩れたまま生きてきたわけです。
癖がある状態がもっともフラットな状態です。10代の育ち盛りならいざしらず、40代50代になって左右バランスを正そうというのは無理があります。
もちろん直せる範囲では直したほうがいいです。例えば、体の軸をしっかりすれば、左右のブレは小さくなります。これは弱っているインナーマッスルを鍛えるだけで改善されます。
最近、マラソンの日本最高記録を更新した設楽悠太選手が「体幹トレーニングはする必要がない」というようなことを言っていましたが、それは走ることでしっかりと筋肉がついているからであって、体幹がブレてもいいという話ではありません。
実際に設楽悠太選手の体幹はとても安定しています。言葉の部分だけを解釈して「体幹トレーニングなんて必要ない」と真似て、体幹トレーニングを軽視するランナーが増えそうですが、それは間違いだと、わたしは考えています。
物事には順序があります。ほとんどの人は体幹が不安定な状態にあります。まずはこれを整える必要があります。そして、ある程度しっかりとしてきたら、そこからは走るだけで必要な筋肉が付きます。
体幹が不安定な状態では、走ることでロスが増えるだけです。設楽悠太選手が体幹トレーニングをしないのは、すでに体の軸がしっかりしているから、それ以上の無駄な筋肉を付けたくないという考え方だと思います。
わたしも基本的には体幹トレーニングをしません。ピラティスをしているのは、体の今の状態を知りたいからであって、それで体を整えようというつもりはありません。
もちろんそれは、すでにある程度の軸がしっかりしていると感じているからです。そのため、わたしも走りで必要な筋肉は十分につけられると考えています。
わたしは基本的にはストレッチもしません。裸足練習会ではいきなり走り出します。もちろん軽くジョグのスピードですが、準備体操も何もしません。準備体操をしてから獲物を狙うライオンなんていませんから。
標的になるインパラだって、逃げる前に屈伸やストレッチをすることはありません。そんなことをしていたら、あっという間に骨だけにされてしまいます。
走るというのはいつでもいきなり出来なくてはいけません。
話が大きくズレました。走るときにほとんどの人が癖があるという話でした。無理のない範囲で癖は直したほうがいいですが、矯正は必要ないというのがわたしのスタンスです。
左右バランスを整えなくてはいけないというのは、いったい誰が言い出したことなのでしょう。理屈の上では左右バランスは崩れていないほうがいいのは分かります。ただ、現実問題として左右まったく同じように使える人はいません。
・左右のブレを小さくするために体幹を整える
・体の癖を知って走りにどんな影響が出ているかを考える
重要なのはこの2点です。右足と左足で同じ動きをすることが目指すべきところではなく、違う動きをしても悪い影響が出ないような体づくりをすることと、癖を把握してレース終盤にどんな影響が出てくるのかを考えましょう。
大切なことは、無理に癖を直そうしないということです。特に裸足で走るときは自然体が一番。自分がリラックスできる走り方ができれば、それでOKです。もっともそれが一番むずかしいのですが。
スポンサーリンク
コメント