災害が起きたときランナーは走ることを自粛すべきなのか

台風19号の被害が大きく、いまだに収束する気配はまったくありません。北陸新幹線はしばらく動きそうにありませんので、関東から富山マラソンや金沢マラソンなどの北陸でのマラソン大会に向かうのが大変です。

こういうときに、無理してまでマラソン大会に行くかどうか悩む人もいるかと思います。北陸は大きな被害があったわけではないので、決めるのはそう難しいことではありませんが、では災害の被害があった場所ならどうでしょう。

さすがに、この1〜2週間程度は被害があった場所で開催は中止になるのだと思いますが、1〜2ヶ月経過したときにランナーは走りに行くべきなのかどうか。

そもそも、世の中がこんなに混乱しているのに走っている場合なのかと、悩んでいる人もいるかと思います。わたしは鈍感なので、自分は自分として走っていますが、繊細な感覚の人は走る気になんてなれないのだと思います。

まず、この問題に正解はないと思っています。各自が自分の正しいと思う選択をして、そして他の人の選択を尊重するということ。ラン仲間でも自分と違う考え方がする人がいても、それに対してとやかく口を出さない。これが基本です。

それを前提にして、わたしならどうするかという話をしましょう。

わたしは基本的に大会の主催者の考え方を尊重するようにしています。だから、どんな理由であれ、大会の主催者が開催すると判断したなら出場します。主催者は「走りに来て欲しい」と思っているわけです。

それに応えるのがランナーかなと思ってます。

自分が万里の長城マラソン日本事務局という仕事をしているというのもありますが、どんな大会だって主催者はものすごく悩み抜いて決断をするのだと知っています。どんなトラブルだって胃に穴が開くくらい悩みます。

それで出した結論として「開催する」なら、わたしの足りない頭で考えるよりも、乗っかるほうがいいだろうと思うわけです。

もちろん他の要素も考慮します。地元で反対の声が大きいとなると、もっと情報を集めてから決めます。でも、地元でも何でもないところで反対の声が出ているのだとすれば、それは基本的に無視します。

「こういうときにマラソン大会なんてすべきではない」という声は正しいように聞こえます。でも、マラソン大会というのはランナーが楽しむだけでなく、地元への経済効果があります。

大会が開催されることで、収益を上げられる人がいます。それによって生活が少し楽になる人もいるわけです。そういう意味では開催しないよりも開催したほうがいいわけです。

ランナーとしても、そこに足を運んで食事をしたり、お土産を買って帰ることで、微力ながら支援になるわけです。

「まだ自宅にも帰れずに避難している人がいる」という声もあるかと思いますが、東日本大震災の後、いまだに仮設住宅から出られない人たちがいますが、わたしたちはそういう人たちのことを思って何かを自粛していたでしょうか。

繰り返しになりますが、この問題に正解なんてありません。

マラソン大会に行くのをやめて、ボランティアに行くというのも素晴らしいことだと思います。なかなかできる判断ではありません。世の中が落ち着くまで走るのをやめるというのも、思い切った決断だと思います。

でも、みんながみんなその道を選ぶと、東日本大震災のときのように閉塞感に苦しめられることになります。あとのときわたしたちは、「元気になれるところから元気になっていこう」と学んだはずです。

まだそのタイミングではないのは分かっています。ただ、みんなで右向け右をする必要はないかなとは思います。自分は左を向くべきだと思えば、みんなと違っても左を向けばいい。

そして自分なりのやり方で、周りを元気にしていけばいいんじゃないかなと。それが自己満足だっていいんです。わたしたちは誰かの人生を生きているのではなく、自分自身の人生を生きているのですから。

何年か経過したときに「あのとき自分の判断は間違ってなかった」そう思える行動を選んでください。周りに流されるのではなく、自分なりに悩み抜いて結論を出しましょう。

忘れないでもらいたいのは、どれだけ悩んだ答えであっても、それは自分だけのものだといこと。他の人に押し付けるようなことはしないように気をつけてください。自分の考え方を尊重してもらいたいなら、まずは他の人を尊重するところから。