ウルトラマラソンやフルマラソンでの内臓疲労につて考える

  • 2016.02.11
  • (更新日:2020.01.02)
  • RUNNING
ウルトラマラソンやフルマラソンでの内臓疲労につて考える

胃潰瘍ランナーという新境地を切り開いている重松です。

胃が痛くなるときとそうでないときの違いがまったくわかりませんが、練習中に速く走ろうとすると「気をつけろ」とばかりに胃が存在感を主張してきます。おそらく胃に負担がかかりすぎていて、内臓疲労を起こしかけているのでしょう。

そこで、ここではフルマラソンやウルトラマラソンを走ると、なぜ内臓疲労が発生するのか、ダメージを残さないためにどう向き合っていけばいいのかについて詳しく解説していきます。

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速く走ると内臓に血液が流れにくくなる

ランナーは長時間速いスピードで走ると、内臓への負荷が大きくなります。これは内臓よりも筋肉に酸素を多く送ろうとするためで、これにより内臓への血の流れが滞ってしまい、内臓の酸素が不足するためです。

どれぐらい血が流れなくなるかというと、安静時は血液の40%が内臓に流れるといわれ、運動時には5%まで低下するといわれています。必要最低限しか流さない。人間の体は本当によくできています。

血液は酸素を送るだけではなく老廃物の排出も行っているので、胃腸は酸素も回ってこない、老廃物も排出できない状態になります。

これがフルマラソンやハーフマラソンでダメージを受けて気持ち悪くなる原因です。特にハーフマラソンはスピードが出てそこそこ距離も走るので、内臓に血液が流れにくくなってしまいます。

もちろん、ウルトラマラソンでも血流の低下量はそれほどでもなくても、長時間にわたって低下するのでじわじわと内臓を痛めて内臓疲労を起こします。ただし、これはもう生理現象なので対処方法は「走らない」ぐらいしかありません。

長く走ると内臓が揺さぶられ続ける

長時間走り続けることで、内臓はずっと揺さぶられ続けます。フルマラソンなら大丈夫なのに、ウルトラマラソンになると胃が食べ物を受け付けなかったり、吐いてしまったりする原因はこの内臓の揺れにあります。

こちらは揺れるから問題なのであって、「揺らさなければいい」だけのことです。改善方法は揺れないフォームに変えることと、インナーマッスルを鍛えること。それだけで内臓の揺れは大幅に抑えることができダメージを軽減できます。

ウルトラマラソンで内臓がやられる人は、ピラティスをおすすめします。ピラティスなら徹底的にインナーマッスルを鍛えることができます。ただし、大きなジムのレッスンではなく10人以下の小さなスタジオで受けてください。大きなジムでは正しい動きは身につけられません。

また、普段のランニングから、腰を軽く反った状態で、おへそを肩甲骨側に軽く引き寄せてください。そうすることでインナーマッスルを使いますので、ランニングするだけで体幹トレーニングになります。

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結局どうすればいいの?

走ることによる内臓疲労には避けられるものと、避けられないものがあります。

血液の流れが悪くなることによる内臓疲労は避けられませんが、揺れることによる内臓疲労は避けられます。そしてこの2つは明確に区別して考える必要があります。

まずはピラティスなどのインナーマッスルを鍛えるトレーニングを取り入れてください。フォームも上下に跳びはねるようなものではなく、スーっと流れるような走りを目指してください。

トレーニングによって内臓の揺れによる疲労は軽減できます。

血の流れを改善するには、走りながら上手に歩きも入れましょう。歩くことは足を休めるだけではなく、内臓も休めることになります。「ウルトラマラソンは歩きを入れろ」と言われる理由のひとつでもあります。

「胃を鍛える」と言う人もいますが、これはどれだけ効果があるかはわかりません。内臓の強さは、ある程度持って生まれたものかもしれません。胃が弱っているはずの胃潰瘍でも100kmぐらいなら走れますから。

できるのは「慣れ」ぐらいです。走りながら食べる練習をすることで体がそれに慣れることはできます。

ちなみに内臓疲労は運動後30分以内にタンパク質と糖質を摂ればリカバリーが早くダメージを最小限に抑えられる言われていますが、いつもいつもできるわけじゃないですよね。糖質はともかくタンパク質をすぐに補給できる大会はあまりありません。

レース前にローソンの超高タンパク質のパン「ブランブレッド」でも買って、カバンに入れておくといいかもしれません。

  • 内臓を揺らさない体とフォーム作り
  • 走りながらも歩きを入れて内臓に血を戻す

この2点が内臓疲労対策の基本だと考えてください。普段の練習で内臓を守るような走りを定着させると同時にインナーマッスルも鍛えておきましょう。そのうえで、ウルトラマラソンではダメージを残さないためにも歩きも加えて、内臓に血液を戻してあげましょう。

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