名水百選『不老水』〜その名のごとく特別な力が宿る水〜

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訪問日:2014年1月13日

名水百選に選ばれるような場所の多くは神様が宿るというか、ちょっとそこら辺にある空間とは違う雰囲気があって少し離れた場所からでもその場の持つエネルギーのようなものを感じることがある。九州で唯一訪れたことのある福岡の不老水もそのたぐいの名水だ。そもそもこの不老水の由来が日本神話レベルの話で、いまから1900年以上前から存在しているらしい。歴史というよりは古事記や日本書紀のレベルの話で、その当時にあったとされる湧水がいまでも残っているのだからやはり尋常ではない。

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その神話によると武内宿禰(たけうちのすくね)という名の天皇に仕えた大臣が、天皇へお出しする料理にこの不老水を使い、そして自らの食事やお酒にもこの不老水を使ったことで360歳まで生きたとされる。実在したのかどうかというのは議論してもしょうがない。事実として書物にはそう書かれているのですから。それぐらい長寿につながる名水として地元の人に大切にされている不老水をひと目見ようと意気込んで香椎まで行ったのはいいのですが、どうやらこの不老水、15時には施錠されるということで、日没直前に訪れたわたしは湧き出しているところを見ることは出来なかった。

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不老水は香椎宮から徒歩10分のところにある。現在は住宅地の中にあり、武内宿禰の時代から地元の人にとって日常的に使われてきたのだろうことが容易に想像できる。いまでも湧き出す量は減ったので一人あたり4Lまでの取水制限があり、開門時間が10時から15時までと決められている。水は無限にあるのではなく、限られた資源だということがよくわかる。こういうふうにすべての人が自制できれば、電気もガソリンももっと少なくて済むのだけれども…

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香椎宮からは看板に従って歩いて行けばいい。住宅地を縫うように歩くことになるが迷うことはない。まるで導かれるかのように不老水にたどりつける。そして、不老水近くまでくればその存在を知らせたいかのようなエネルギーを強く感じることができる。もちろん感じられる人、そうでない人がいると思う。名水を訪れたり寺院に足を運ぶようになると、なんとなく感じられるのではないかと思うのだが、わたしの思い違いということも否定出来ない。

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事前に調べて行かなかったので名水が湧き出すところは見れなかったが、その存在感を感じられただけで十分だった。せっかくだからほんの少しでも飲めればと思ったが、施錠されているのでは手も足も出ない。ところが、祠の横から水が流れ出しているではないか。あきらかに祠側から流れてきている。ただそれが不老水だけではなく近所の家の生活排水が混ざっている可能性は否定出来ない。それでもここまで来たのならひとすくいだけでもと思い口にしてみた。

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これを信じるかどうかは自由だが、実体験をありのまま伝えると体の奥から力が湧いてくるような感覚になる。美味しいとか美味しくないとかそういう次元ではなくて、命の水という言葉がピッタリくる。前日、前々日と体を酷使して疲労が溜まっている状態だったのに、あっという間に回復していく感じがする。そのかわり、1時間後ぐらいから少しお腹の調子がわるくなりかけた。お腹をくだすという感じではなく、お腹の中で水が暴れているような感覚。それは不老水の効果なのか、生活排水が混ざっていたせいなのかはわからない。というわけで祠のわきの水を飲むのは絶対におすすめしない。

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それでも、不老水というのは本当なのかもしれないという気にはなる。力が湧いてきたという経験は事実なのだから。できれば次回は開門時間に訪れてきちんと口にしてその効能を体で感じたい。また戻ってこれるように香椎宮をお詣りしたのでおそらく、いつかまたこの地を訪れることが出来るだろう。不老水の名に違わぬ名水がここにはある。そして九州にはまだ多くの名水がある。大きな期待をしてしまうが、その期待をはるかに上回る魅力的な名水があるのだろう。九州の名水百選巡り、今後の訪問が楽しみだ。

所在地:福岡県福岡市東区香椎4-16-1香椎宮
アクセス:香椎宮から徒歩約10分
環境庁選定名水百選:不老水

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