北京で感じる円安:日本と変わらない物価

海外にいるときに円安の勢いが止まらないのは心が落ち着きませんが、やはり強く感じるのは北京において物価がかなり高く感じるということ。そしてその高くなったものを北京の人たちは普通に買っているということ。ずいぶんと時代が変わったのを強く感じています。

もちろん物価が高く感じるのは円安だけが影響しているわけではありません。あらゆるものが私が万里の長城マラソンに関わりはじめてから値上がりしています。日本ではホテル料金の高騰化が問題になっていますが、北京はそれ以上です。

普通のホテルが1万円以上で、ゲストハウスでも1泊4,000円以上します。感覚的には日本よりも少し高いくらいなのですが、コロナ禍前ですとゲストハウスは1泊1,000円以下で泊まっていました。この値上がりは円安だけでは説明できません。


円安になる以前は1元が16円くらいだったと記憶していますが、今は1元20円計算になります。円安だけなら25%増なのですが、ホテルは軒並み50〜200%アップしているので、物価高がかなり進んでいることがわかってもらえるかと思います。

ただ、すべてのものが高いかというとそうでもなく、もちろん以前と比べれば上がっていますが、庶民のものはそこまで高いというイメージはありません。朝ご飯は20元(400円)以内で食べられますし、店を選べば夕ご飯もビールをつけて30元(600円)以内。

バスは1元で、地下鉄は3元くらいで大抵のところに行けます。それもすべて値上がりしているのですが、それでも日本よりも安いものはあり、節約しようと思えばそれなりに出費を抑えることができます。安いものと高いものがあり、その差が大きく開いているといった感じでしょうか。


中国では貧富の差が大きくなっているというニュースをときどき目にしますが、まさに私が感じていることが、それを表しているのでしょう。10年前と収入が変わらない人と10年前の2倍になった人がいるといて、それぞれが自分の身の丈にあった生活をしています。

そう考えると共産主義というのは何なんだろうかと思うわけですが、共産主義の「みんな平等」というのはすでに過去のことになっており、まったく違う状態にシフトしているのでしょう。むしろ日本のほうが「平等」を掲げすぎていて、何かと気を使わなくてはいけなくなっている気もします。

いずれにしても、物価が上がったところで懐が傷まない人たちも一定数いて、ちょっといいお店で買物をしたり、カフェで食事をしたりしています。そこに円安の日本人が乗り込むと、現地の人たちのほうが裕福そうに見えてくるわけです。


ただし支払いが電子マネーというのもあって、お金が減っていく感覚がない。これが1番まずいのですが、豪遊するわけではないので、来月の支払いが厳しくなるだけ。なので両替をして手元の紙幣がどんどん減って焦るということはありません。

電子マネーはお金を払った感覚がないので、おそらく多くの人が以前と比べてお金を使うようになっています。そして貯金をしなくなり(できなくなる)、それでいて経済は回るので経済成長し収入は増える。10年前からそういう狙いも持っていたのでしょう。

電子マネーは旅行者にもメリットがあります。両替手数料が発生しないので、実質的には10〜20%くらい安くなっています。もっとも私は手数料ゼロに近い方法で両替していたので、やはり円安と物価高の影響をもろにくらいながら、つかのまの北京ライフを楽しんでいます。

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