キラーカード:1歩を踏み出せば未来はいつだって明るい

今回の万里の長城マラソンはハーフマラソンに参加しつつも、カメラマンであることを優先させましたが、それがきっかけでシンガポールのベアフットランナーとFacebookでつながり、湘南国際マラソンに参加するというので、私がどこかに行っていなければ会いに行く予定となりました。

万里の長城マラソンはこういうつながりが増えていく大会なんですよね。万里の長城マラソンの会場となっている村では「好久不见(久しぶり)」と話しかけてもらえますし、社会人になったときには特別なものをひとつも持っていなかった私も、いつの間にキラーカードが数枚手元にあります。

きっと最初に入ったアルプス技研にずっといたら、こういう未来は待っていなかったはずです。どちらが幸せなのかはわかりませんが、少なくとも私が選んだ方の人生は波乱に満ちていて、ほんの少しも想像もしなかった未来に繋がっていることを感じています。


1歩を踏み出すかどうか。そこで躊躇する人はたくさんいて、未来を動かせない人のほうが多いのかもしれません。私が教科書に乗っていない生き方をすることで、そういう人の背中をちょっとでも押してあげれたないいなと思いつつ、その人の人生に対して不用意に影響を与えてはいけないという思いもあります。

私には憧れるという感情がありません。北方謙三さんや村上龍さん、浅田次郎さんといった作家の作品には多大なる影響を受けてきました。でも、その人たちのようになりたいと思ったことは1度もありません。私も物書きの端くれですので、言葉が持つ力を信じています。

でも同じ言葉でも、誰の口から出てくるのかによって、受け取られ方も響き方も違います。やはりキラーカードを多く持っている人、たくさんの経験を積んできた人の言葉は響きやすく影響力もあります。そういう意味では、会社員のままだった世界線の自分よりは、今の自分の言葉のほうが影響力があるのかもしれません。


なぜこうなったのかを、論理立てて説明するのは難しいのですが、最大の理由をひとつ挙げるとするなら、私は同じことを長く続けられない人間だということが影響しているのだと思います。決められたことを決められたように淡々と続けられないから、すぐに別の方向に踏み出してしまう。

だから私があれこれ手を出すのは、決して褒められたことではありません。ランニングは続いているじゃないかと思うかもしれませんが、ランニングだって同じことをずっと続けてきたわけではありません。裸足ランニングをしたり、情報発信をしたり、トレーナーになったりと、環境が目まぐるしく変わっています。

同じことができないから、新しいことをして、そのときに誰もしない選択をするからキラーカードが増えていく。自ら取りに行ったカードなんて1枚もないんです。万里の長城マラソンもRUNNING STREET 365も、やりたいことをやっていたら勝手にキラーカードになっていただけ。


だからのカードを活かそうとしないのが私のよくないところ。「万里の長城マラソの日本事務局をやっています」と言って日中友好団体にでも乗り込めば、さらに未来が広がるんですが、残念ながらそういうガツガツできるタイプの人間ではありません。

ただ、はっきり言えるのは「キラーカードを手にしたいなら、安全地帯から1歩を踏み出せ」ということ。みんなと同じことをやっていれば失敗もしないし、傷つくこともなく生きていけます。でも、それじゃ自分だけのカードを持つことはできません。

まれにスペードのエースのカードが配られることはあります。でもそれは52枚あるうちの1枚に過ぎません。それだけを武器に未来を切り拓いていけるほど甘くないことは、みんなが知っているとおり。みんなに平等に配られるカードではなく、1歩を踏み出して自分だけが持てるキラーカードを取りに行ってみてはどうだろうか。

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