世の中の話題となっているAKBグループのNGT48でのトラブル。事実は小説よりも奇なりと言いますが、人間が想像できることはだいたい起きるものです。
個人的には誰が犯人で、運営がどうでとかはどうでもいいのですが、あまり語られない部分についてひとつだけ。
少なくともこの国では有名になること自体が大きなリスクであるということ。有名になるということは事件に巻き込まれる確率が格段に上がります。知らない人から恨みも買いますし、いきなり刺されることだってあります。
不要にトラブルにも巻き込まれます。でも、それが有名になるということです。
そりゃ誰が悪いかを言えば、犯人が悪くて、所属しているアイドルを守れない運営が悪いんでしょうが、そこが悪いって言って何が変わるわけではありません。
「悪いことをしてはいけません」と言って犯罪がなくなるなら、警察や法律などの抑止力はいりません。そういう抑止力があってもひどい犯罪は跡を絶ちません。
性善説で考えるのは自由ですが、世の中から犯罪者はいなくなりません。その前提で話をしないと机上の空論で言葉を消費するだけです。
中国のように街にくまなく監視カメラをつけ、明らかな犯罪行為を行った場合には、人権を無視してあらゆる権利を奪うくらいの処罰が与えられれば、犯罪行為は減ります。でもそれは誰も望んでいません。
断言しますが、この世の中から犯罪はなくなりません。今回のようなことはこれからも続きますし、表に出ていないだけで、現在進行系で被害にあっている人がいてもおかしくありません。
繰り返しますが、それが有名になるということです。
有名人にはプライバシーもありませんし、常に身の危険と隣り合わせです。それと引き換えに名声を得ているわけです。多くのファンが持ち上げてくれるわけです。
わたしのような人間ですら、マラソン大会の会場に行けばブログを読んでいる人から声をかけられます。わたしはもう20年以上前からネットで顔も名前も晒しています。デメリットよりもメリットのほうが多いと考えているからです。
でもこれは男だからできるんだと思っています。女の人が同じことをすると、簡単にストーカー被害に合います。良いとか悪いという話ではなく、そうなるという事実。
僻みや妬みを持たずに生きている人をわたしは知りません。人間には様々な欲があり、その欲をコントロールできる人もいれば、欲によって動かされる人もいます。
有名になりたい。売れっ子になりたいというのも欲です。そういう人を弄びたいというのも欲です。
自分の欲だけが通るほど世の中は甘くありません。欲と欲がぶつかり合うと、ドロドロとした状態になるというのはわたしが改めて言うまでもありません。
それを乗り越えてでも有名になりたいかどうか。
そういう特殊な世界にわたしたちの常識を当てはめても意味はありません。
有名になりたい。でも敵は作りたくありません。ネットでも叩かれたくありません。犯罪にも巻き込まれたくありません。ストーカーにも合わないようにしてください。
理想はそうなのは分かります。そこを目指すべきかもしれません。ただそれは無理です。
何万人もが自分のことを知っている世界で、絶対に犯罪に合わずに安全に生きていく方法なんてありません。ジョン・レノンだって、ビートルズを結成せずにリヴァプールでのんびり暮らしていたら銃殺されることはなかったわけです。
この世界は理想郷ではありません。
ダウンタウンの松本さんが相方の浜田さんの電話番号を知らないそうです。電話番号をメモリに残すと、スマホを落としたときに浜田さんの電話番号が漏れてしまう可能性があるからという理由だそうです。
トップに立っている人でも不便を承知で、このようなリスク管理をしなくてはいけない世界。
犯罪を受け入れろと言っているわけでもありませんし、運営する人たちも本人たちも自衛する必要はあります。でも、そもそも運営をする人が善人とは限らないわけです。
メンバー同士の確執だってあるでしょう。人間同士が競い合っているわけですから。外部から完全に隔離したところで、内部で犯罪が起きるのは容易に想像できます。
犯人探しや真実探しをするのも大事なことかもしれませんが、有名になるというのはこういうリスクもあるのだということを、共通認識として持っておくのにいい機会なのではないかと思います。
それでもスポットライトが当たる場所を目指すのか、違う道を進むのか。それだけは本人たちが自分の意志で決めなくてはいけません。いや、彼女たちだけではなくわたしたちも。
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