暖かくなったら、インフルエンザと同じように新型コロナウイルスが消えてなくなる。そう考えている人もいるかと思います。いや、ここまで来るとそれしか希望がありませんが、それはただの希望であり、現実にそうなるかどうかは誰にもわかりません。
TwitterやFacebookなどのSNSを中心に様々な情報が飛び交っていますご、真偽の分からないものがほとんどなのに、なぜかそれが本当に正しいかどうかも分からないのに拡散している人もいますが、ちょっと冷静になってください。
こういうときは安易に情報を拡散させないこと。それがインターネットの基本です。
情報を鵜呑みにしないこと
まず伝えておくべきことは、現時点では、わからないことだらけということです。有効な治療方法も、どれくらいで収束するのかも。誰にもわかりません。暖かくなって自然消滅するかもしれませんし、半年後にはもっとひどいことになっている可能性もあります。
なのに、SNSではどこかの偉い人の解説や見通しみたいなものが溢れてて、それを信じている人もいるようですが、本当にその情報が正しいのか、まずは疑ってください。根拠のある話なのか、それとも推測でしかないのか、もしくは願望なのか(そもそもその偉い人が実在するのかも)。
どう見てもただの願望を拡散している人もいますが、それは世の中を混乱させるだけです。自分が情報収集するためにインターネットを使うのはいいことですが、真偽が定かではない情報は拡散しないように注意しましょう。
実際に起きたことだけ、わかっていることだけを信用する。間違っても噂レベルの話、どこの誰なのかを明かしていない人の情報を信じないようにしてください。名前を明かせない中にも、本当に大切なことを伝えている人もいるのでしょう。でも、間違った情報だった場合、それを拡散した人も罪を負うことになります。
最近ですと「26〜27℃のお湯を飲んだら大丈夫」みたいな拡散文章がありましたが、冷静になればそんなことをしても意味がないことくらい、誰にだって簡単にわかるはずです。まず26〜27℃はお湯でもないですし、それで死滅するなら人間の体温で死滅します。
世の中が混乱するのを楽しんでいる人が一定数います。そういう人たちに踊らされないようにしてください。
新型コロナウイルスについていま分かっていること
それでは新型コロナウイルスについて、今わかっていることを整理しましょう。
- 感染力がとてつもなく強い
- 世界に広まっている
- 潜伏期間は1〜12.5日
- 現時点で有効な薬はない
これくらいしか、現時点で分かっていません。致死率に関してはいろいろなところから情報が出ていますが、真偽のほどはわかりません。
問題なのは感染力がとてつもなく強いということと、治すための薬がないということです。感染力が強いのはすでにわかってるかと思いますが、もっとも重要なことは治療薬が見つかっていないということです。さらに予防の方法も決定的なものがありません。
これはどういうことかと言うと、ほぼすべての人が感染する可能性があるということです。これはとても大事なことです。インフルエンザと同じように、誰でもかかります。子どもと老人しかかからないなんてことも言われていますが、すべての人に起こりうるリスクと考えてください。
大事なのは、感染したから人生が終わるわけではないということ。人によっては風邪と変わらないどころか、ほぼ無症状で済むこともあります。だから「自分も感染するだろうけど、最低限の予防はしておこう」くらいのスタンスでいてください。
新型コロナウイルス予防としてすべき5つのこと
予防として最適なのは、必要以上に外出しないこと。人の多いところには行かないことを徹底することです。みんな仕事があるので自分の意志では通勤を回避することはできませんが、できることはやっておくべきでしょう。
- 早い時間に通勤する
- 職場には直行直帰
- 人が集まるイベントには行かない
- 密閉空間は避ける
- 手洗いうがいを徹底する
単純に感染を防ぎたいなら、この5項目を徹底することです。すでに通勤時間をずらす動きは会社ごとに出ているようですが、これが認められてなくても早めに家を出るというのは有効です。これは確率論ですので、絶対に安全とはいえませんが感染リスクは下がります。
ランナーなら通勤ランという選択肢もあります。
職場に行くという選択肢を外せないなら、寄り道をせずに行って帰ってくることです。人が集まるイベントには行かないのが理想です。もちろん、密閉空間は避けてください。ジムでの感染が話題になりましたが、あのような空間が最も危険です。
そして、あたり前のことですが、手洗いうがいを徹底しましょう。わたしたちができることはこれくらいしかありません。あとはしっかり寝ることくらいでしょうか。睡眠時間を十分に確保できればストレスも減り、免疫力も上がります。
みんなが予防をすると経済がまわらなくなる
自分の健康を考えたとき、まっさきにやるべきことは上記の5点ですが、これにはひとつだけ大きな問題が控えています。これまで何度も言ってきましたが、みんなが不要不急の外出を控えたら、日本経済はとんでもない打撃を受けます。
いや、すでにかなり危険な状態にあり、今から回復に向かっても2〜3年は不景気な状態が続きます。収束が見えない状況を考えると、10年以上の不況が発生してもおかしくありません。これを仕方ないとすべきかどうか。
わたしたちにとって1番大事なのは、健康を維持することです。だから、無駄な外出はしないという選択を取るしかありませんが、それをしたらかつてないレベルの不況に突入する可能性があり、将棋でいえば詰んでいる状態です。
わたしは経済の専門家ではないので、これに対する答えがまったく見えません。経済を崩壊させないために「もっと外出してお金を使いましょう」なんてことも、とても言えるわけがありません。ジワジワと日本という国の体力が奪われていくのをただ眺めているだけ。
ちょっと面倒に感じるかもしれませんが、ここからしばらくは経済に関するニュースも積極的にチェックして、自分なりに考えるようにしてください。そして、自分のできる範囲内で経済活動に関わってください。ここで「自分さえよければいい」を選ぶと、悪い方にしか転がりません。
自分で考えて自分で決める習慣をつける
SNSで親しい人がリツイートした内容は、どんなに疑り深い人でも「もしかしたら本当かも」という心理になります。そうならなくても、心のどこかに引っかかっていて、同じような内容を他で目にするというのを繰り返すうちに、疑う気持ちも薄れて信じてしまう。
これは人間として仕方のないことです。だいたい、何でもかんでも疑うのはとても疲れます。信じてしまうほうが楽なんです。でも、こういうときだけは疲れてても、親友の言うことであっても、鵜呑みにせずに自分で考えるようにしましょう。
今回のデマ拡散に限らず、自分で考えるという習慣のない人がかなり多くいて、メディアなどの情報の影響を受ける人のほうが多いんだなと感じることが、最近よくあります。誰かの言ったことに従うのはとても簡単で楽です。でも、容易に騙されてしまいます。
こういう非常事態は、そういう自分を変えるチャンスでもあります。とにかく自分で考えて、自分で決めるようにしてください。そして、他の人の行動は批判せずに尊重することです。親しい人が自分と同じ行動を選ばなくても気にすることはありません。
これこそが今わたしたちがやるべきことです。大事なことなのでまとめておきます。
- 得た情報を自分なりに考えて真偽を判断する
- 自分で自分の行動を決める
- 他の人の行動を尊重する
「自分は自分」そう思うことがとても大事です。ただし壁を作るのではなく、むしろ思考は常にオープンにして。簡単ではありませんが、まずは入ってきた情報を疑ってみることと、安易に拡散しないことを心がけてみてください。自分で考える習慣が身につけば、この騒動が終わったあとにも必ず役に立ちますから。