仕事に貴賎はあるのか【UberEatsとライティングの関係】

人生で初めて仕事をしたのは高校時代だ。インテリア雑貨などのアイテムを取り扱う小さなショップで、父のコネで働き始めた。働き始めたきっかけは覚えていないが、原宿にあるような可愛らしいショップで、坊主頭の高校生が働いているというおかしな構図がそこにはあった。

高校時代はサッカーばかりやっていたのだが、週に2〜3日はアルバイトをして小遣いを稼いでいた。働きだしてから親から小遣いをもらうのをやめた。早い段階で「お金は自分で稼ぐもの」ということを学んだのは、今でも自分の軸として活きている。

世の中には「もらえるものはもらっておけ」派の人もいるが、わたしはそっち側の人間ではない。お金は自分の労力に見合った額だけもらえればいい。それが正しいことなのかどうかはどうでもよく、それがわたしの基本的なスタンスになっている。

仕事の内容をこだわることはない。アルバイトを含めれば、これまでいろいろな職場を経験している。

  • 機械設計
  • ライティング
  • 動画編集
  • ウェブサイト作成
  • 商品開発
  • コンサルティング
  • UberEats配達員
  • 引越し作業員
  • コンビニ店員
  • 土方
  • スーパーの模様替え
  • 雑貨販売
  • マラソン大会の運営

まだあるような気がするが、とりあえず思い出せるものを書き出してみた。経験年数が長いのは機械設計とコンビニ店員、ライティングだろうか。どれも関連性がないが、どの仕事も好きだし自分なりにやりがいがあった(現在進行形も含め)。

基本的に何をしているから偉いという発想はない。この感覚を伝えるのは少し難しくていつも困る。世の中において、職業によって重要度に違いはある。世界から医者がいなくなると大変なことになるが、プロのマラソンランナーがいなくなっても大変なことにはならない。

だからといって、プロのマラソンランナーよりも医者のほうが偉いということはない。人と人との関係はいつだってフラットで、人生の先輩には角が立たない程度に礼を尽くすものの、必要以上に謙ることはない。それは自分のする仕事に対しても同じだ。

ライティングの仕事がUberEatsの仕事よりも優れているとは思わない。どんな仕事もベストを尽くすことは同じ。もちろん好き嫌いはある。自分に合わないと思う仕事はあるのだが、やるとなったら手を抜くこともないし、気合を入れすぎることもない。

「この仕事は単価が高いからがんばろう」と思うこともないし、どの仕事もクライアントに喜んでもらうことしか考えていない。わたしにとって働くというのはそういうことなのだ。依頼者に喜んでもらえるようにベストを尽くし、それに見合ったお金をいただく。

そういう意味で接客業はわかりやすくていい。客はいつだって目の前にいて、こちらがサービスを提供すれば「ありがとう」と言ってもらえる。わたしの仕事が接客業からスタートしたというのもあるが、接客をしていると満たされる。たまには嫌な客もいるものだが、考え方の合わない上司よりはよっぽどいい。

UberEatsの配達も楽しんでやっている。これまで見ることができなかった世界に触れることができ、良いことも悪いことも経験している。自分なりに戦略を立ててどうすれば効率よく配達できるかを考えて実行し、それの答えがすぐに出るのも面白い。

WEBの世界では自分のやっていることが正しいかどうかわかるのに、年単位の時間がかかることもある。インターネットの世界は時間の流れが早いと思われているが、早いのはトレンドの変化であって、成果が出るのにおそろしく時間がかかる。

最近はドメインの価値が重要視されるようになっているので、新しくサイトを作っても集客するのは容易ではない。RUNNING STREET 365が10万PVを超えるのに3年と考えていたが、結局5年もかかってしまった(自分のせいでもあるが)。

UberEatsもライティングもそれぞれに魅力があり、欲張りなわたしはどちらも経験したい。どちらか一方を選ぶなんてことはできない。もっとも1年後に同じことを言っている自信はない。栄枯盛衰。自分の考え方だって変化し続けるものだから。

1年後に「台湾で働くことにした」と言っている可能性だってある。だから、今の働き方に固執するつもりはなく、これからも新しい仕事があるなら、積極的に経験していくつもりだ。その経験が、いつか別の仕事、別の活動で活きてくる。どんな仕事の経験も最後はどこかでつながっていく。

撒いた種がかならず芽吹くとは限らないが、撒いていない種が花を咲かせることはない。だから今日も目の前の仕事を全力で。

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