スポーツマンシップとはなんだろうか(サッカー日本代表の14-0から見えてくるもの)

サッカーの日本代表がW杯のアジア2次予選で、モンゴルを相手に14-0で勝利しました。前半の途中まで松山空港で見ていましたが、フライトの時間になったので途中から見ていません。成田空港に到着して結果を見たら、まさかのスコアで驚きましたが、この結果には賛否が分かれたようで、完膚なきまでに叩きのめすのは良くないことだという声もあります。

逆に「全力を出さないのは失礼にあたる」という声もあります。どちらも「スポーツマンシップ」として、そうすべきだと主張していますが、スポーツマンシップとはそもそも何なのでしょう。Wikipediaにもまさにそのことが書かれています。

弱い選手を圧倒せずに手加減をする事はスポーツマンシップである一方、相手を馬鹿にしたという意味でスポーツマンシップに反すると言われる。

Wikipedia

スポーツマンシップというものは定義がなく、状況によって裏表が変わります。私の個人的な考え方としては「そこにリスペクトがあるのか」ということだけです。相手をリスペクトし、相手の想いに応えるのがスポーツマンシップだと思っています。

すでに気持ちが切れている相手に対して、完膚なきまで叩きのめすのはスポーツマンシップに反します。でも、サッカーの場合には1点でも取り返してやろうという気持ちを感じられるなら、それに対して全力で応じるのがスポーツマンシップです。

日本代表の試合がどうなのかは、試合の半分以上を見ていないのでなんとも言えません。でも、モンゴル代表が気持ちを切らすことなく立ち向かってきたという記事もあるので、100%でそれに応じたというのは決して間違ったことではなく、むしろ正しい選択です。

ただ、実際にグラウンドに立っている選手はそこまで考えてないでしょう。純粋にサッカーというゲームに集中していて、相手をリスペクトしているから点を取りにいったのではなく、ただサッカーという競技を続けた。だからスポーツマンシップに反するという声も出ています。

そういえば、私も高校時代に同じような点差で負けたことがあります。クラスの友人を誘って箕面市の市民大会にエントリーしたら、1回戦の相手が各高校のレギュラーメンバーが集ったようなチームと対戦し、それこそ14-0くらいのスコアで負けました。

私たちは最後まで攻めましたし、相手も全力で点を取りにきました。なぜなら、それがサッカーだからで、14点を取られたことを腹立たしいとは思いません。これは大敗した経験のある人しか分からないことですが、相手にスポーツマンシップがあるかないかなんて1ミリも気にすることはありません。

悔しければ練習をして強くなればいいことです。仮に相手が途中で手加減をしても怒ることはなかったでしょう。いや、それを感じたらそのほうが悔しかったかもしれません。でも、大事なのは悔しさをどう次に活かすかというだけ。きっとモンゴル代表もそうだと思います。

この大敗が成長のきっかけになるかどうか。スポーツマンシップの考え方のひとつに「他者が上達するように手助けせよ」というものがあります。ライバルが強くなることでゲームは楽しくなります。試合はエンターテインメントであり、魅力的な試合でないとファンは減っていきます。その魅力的な試合にライバルの存在は欠かせません。

個人的には、14-0で勝ったことがスポーツマンシップに反するとは思いませんが、問題なのはスポーツマンシップの気持ちを選手が持っていないことにあります。持っていないことが悪いのではなく、そういうものを教える人も意識する人もいない時代になっているということをどう考えるのか。

時代の流れと言えばそれまでですが、正直なところそろそろ共通認識として、スポーツマンシップを語る人が出てきてもいいのかなと思います。スポーツマンシップだけでなく武士道のような心構え、心のあり方を語る人が求められているのかもしれません。そのためにはまずスポーツマンシップを体系的にまとめること。

面倒ですが少しやってみようかなと思います。何か得るものがありそうな気がするので。

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