情報は足で稼ぐ【私が「歩く」という効率が悪い方法を選ぶ理由】

境港の取材を終えて、戻ってきました。大阪までですが。昨夜は叔母の家に泊めさせてもらったので、鶴巻温泉へは今日戻ります。まあ私がいつ戻ろうと知ったことではないかと思いますが、ご馳走を届けてくれようとしていた人がいたらまずいので。まあそんな人はいないんですが。

昨日の朝はいつも通り朝ランでしたが、今回初めて境港の住宅街を走りました。住宅街を走りたかったわけではなく、目的地が住宅街にあっただけ。正福寺という、水木しげるさんの原点となったお寺があるということで、それは訪れなくてはと、変な使命感があり。

残念ながら早朝だったので、水木しげるさんに影響を与えた地獄絵図を見ることはできなかったのですが、お寺の歴史背景を知ることができて、そのおかげで私の頭の中にあるパズルのピースが少しだけ埋まりました。境港に対する空白が減っていくと、それだけ街のイメージをしやすくなります。

さらにその先には後醍醐天皇が隠岐島に流される前に休憩した松があった場所まであり、今度は室町時代、南北朝時代のピースがひとつ埋まり、それが境港というキーワードと結びつきました。こういうのはやっぱり自分の足でまわる必要があります。ネットの情報だけでは、上手く自分の中に落とし込めないこともあるので。

私はとにかく現場主義(この使い方が合っているかどうかは考えてはいけない)。自分の目で見て、自分で体験したものを吸収したい。本当ならそれだけで構成された人間でありたいのですが、さすがにそれは難しいので、ある程度は書籍などから情報を仕入れます。でも、それは補完であり主ではありません。

いくら本やインターネットから情報を仕入れても、それがパズルのピースにはなることはありません。パズルのピースを探すのには役立つので、無駄というわけではありませんが。事件は現場で起きているではありませんが、伝えたいこと、伝えるべきことは必ず現場に落ちています。

ところが私はインターネットで情報を集めて記事にするという仕事をしています。そこはもう大いなる矛盾であり、そんなことを永遠に続けるわけにはいかないとも思っています。テクニカルな内容ならインターネットで情報収集をしてもいいのですが、おすすめの旅先スポットをインターネットで調べて記事にするという仕事は、私自身を蝕むことになります。

というわけで、境港もしっかり歩いたり走ったりして、自分の血肉となるように心掛けています。外にいる人間だから気付けることもあり、それは境港以外の仕事にも活きています。効率は良くないのは理解しています。でも私は「効率がいい=良いこと」という感覚を持っていません。少なくともこの数年は。

社会的な成功者になりたいなら、ビジネスにおけるセオリーを大切にして、そこに向けて多少無理をすることも大切。でも、私が目指しているのはそこじゃない。水木しげるさんが「なまけ者になりなさい」と説いていましたが、私はなまけ者にもなりたくありません。

じゃあどこに辿り着きたいのか。そんなものは風にでも聞いてくれというのが本心です。私は流されるままに生きてきたし、これからもそうあるつもりです。これと決まった目指す未来なんてありません。せめて飢えて死ぬのだけはしたくないくらい。それもお腹がすいて死ぬのはなんとなくやるせないと思うから。

そういう意味では自分の足で現場をまわって自分の言葉で見つけたもの、知ったことを表現する。手にしたいのはそれだけです。きっとそれを続けていれば、またどこかから風が吹いてきて、私を見知らぬどこかへと連れて行ってくれます。私はそれでいいというか、それがいい。

歩けなくなったら……そこが終着点でいいのですが、しぶとく生き続けるんでしょうね。厄介者ほどそういう生き方になるものです。ただ先のことは見えないから、今日もまた自分の思うがままに現場に向かう。そこに自分の伝えたくなる何かが落ちていると信じながら。

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参加費:2,000円(第1・3水曜日は無料)
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