冷えきった日中関係における北京・瀋陽のいまを伝えておこう

PM2.5ってなんだっけ?と言いたくなるような雲ひとつない青空が続いた

PM2.5ってなんだっけ?と言いたくなるような雲ひとつない青空が続いた

GWに万里の長城マラソンに出るようになって3年目。今年は開催できるのだろうかと不安になった時期もあったけど、日本人以外の外国人が大勢集まり無事開催になった。昨年の秋に反日運動が中国全土に拡がり、冬には微小粒子状物質PM2.5による大気汚染が話題になった。そのうえ、この春には鳥インフルエンザ問題が再発でトリプルパンチ。中国に観光するには最悪のタイミングともいえる時期に北京を訪れることになったわけだ。

案の定、北京行きのフライトには日本人が少ない。とてもGWのフライトとは思えない状態で、ハイクラスの席は空席が目立つ状態だった。エコノミー席でも欧米人が目立ち、日本人かと思ったら入国審査場で中国人用のレーンに並んでた。実際に北京の街を歩いてもこれまでにない感じで日本語が聞こえない。今までは観光地で日本人に出会わないことなんてなかったのに。日本人が中国との距離を置いていることがよくわかる旅でした。

繁華街でも日本人を見つけるのは難しい

繁華街でも日本人を見つけるのは難しい

日本人が北京に行かなくなったその3つの要因についておいらが現地で感じたことを書いておこう。まず鳥インフルエンザだけど、これはもう見えないものとの戦いというか気にしたら負けだと思う。中国での鳥インフルエンザでの死者が35名だそうだ。13億分の35だ。衛生面であれほど問題のある中国においてそれぐらいの確率でしか発生していない。もちろん拡大すればパンデミックになりかねない問題だけど、中国において考えれば鳥インフルエンザよりも食中毒のほうがよっぽどこわい。生きた動物に触れないように気をつけておけばいまのところ不安に思うこともないだろう。

つぎにPM2.5だ。北京の空は青かった。それもこれまでにないぐらい晴天が続いた。過去5回の北京で青空が見えたのは何回あるだろう。1週間で1回青空が見えればいいぐらいの感覚でとにかく青空が見えない北京なのに、今回はきれいな青空が続いた。風が強かった影響もあるのだと思うけど、PM2.5に関して言えば大騒ぎしたころよりは大幅に改善されている。いや、そもそもあんなに大騒ぎになった理由がわからない。中国に住む人達にとっては「いつものこと」という感覚が強いのに。気になる人は冬の北京を避ければPM2.5の影響なんてほとんどない。今回問題視されたことでむしろここから改善されていくのではないだろうか。それはおいらの期待でしかないが。

公園に流れる気がよいからか、自然と人が集まる

流れる気がよいからか、公園には自然と人が集まる

一番の関心は日本人に対する感情だろう。これは少しはかりかねるところがある。食堂でお店のおっちゃんが「どこから来た?」と聞くので「日本からだ」と答えたら、一瞬食堂の空気が凍りついた。おいらの方を振り返って確認する人もいた。日本人に敏感になっているのは間違いない。でも危害を加えようという感じは受けないし、危ない思いもまったくしなかった。多少避けられている感じはなくもなかったが、それはおいらの格好が奇抜だったからかもしれないのでなんとも言えない。地下足袋なんかはすれ違う人のほとんどが2度見していく。

万里の長城マラソンでボランティアをしてくれた学生さんたちは日本人だということに対してはまったくマイナスな感じを持っていないように感じた。それは代表者が面談をして選んだ人たちだからというのもあるけど、若い人にはそれほど強い反日感情はないのかもしれない。おいらのかっぱを日本語で「かわいい」と言ってくれたり、一緒に写真を撮ってほしいと頼まれたり。それはあまりにも特殊な環境でしかないけど、逆を言えば強烈な反日感情も特殊な環境でしか発生しないんじゃなかと思う。

仕事前に遊んでいる若者たち。朝から仲間たちと大声で笑って遊ぶ姿は日本にはない新鮮な感覚

仕事前に遊んでいる若者たち。朝から仲間たちと大声で笑いあう姿は日本にはない新鮮な感覚

だからといって、中国は安全ですよとか安心して旅行に行ってくださいなんて言うつもりはない。状況は刻々と変わっていくし、旅はあくまでも自己責任なんだから安全かどうかの判断はそれぞれでしてもらいたい。あくまでも判断材料のひとつとして読んでもらえればと思う。その上でおいらは中国に行くことにほんの少しのためらいもない。当然来年も万里の長城マラソンに出るつもりだし、秋には他の都市にも行ってみたい。そうやって自分の目で中国の今を見続けたいと思う。それをここで還元していくことがおいらに与えられた役割だとも思う。

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