本を読まない人におすすめするわたしの人生を変えた作家たち

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世の中には2種類の人間が存在する。本を読む人間と、本を読まない人間だ。わたしは人生の優劣をつけるのが好きではないのだが、これだけははっきり言える。同じ人間が本を読む場合と読まない場合では間違いなく本を読む人間のほうが優れている。

本を読むかどうかというのは育った家庭環境に大きく左右される。親が読書好きで家にも多くの本があり、子どもを連れてよく図書館に行く家庭で育てば自然と本を読む人に育っていく。わたしの幼少期はまさにそれにあたる。

本を読むことは疑似体験なので、本を読まなくとも波瀾万丈の人生を送っていればそれにこしたことはない。だが現代から戦国時代に行くことは不可能だし、殺人現場に出くわすこともそうそうありえないだろう。

本を読むということは人生が深くなることなのだ。もっともわたしが本を読むときにそんなことを考えて本を選んでいるわけではない。ただ面白いから読んでいるだけだ。

本を読まない人たちだってきっかけさえあれば読書好きになることだってある。これまで、いい本に出会わなかっただけのこと。いい本というのはほぼイコールでいい作家さんと言っていい。そこには相性も含まれる。

前置きが長くなった。本を読まない人にわたしがおすすめする作家さんを紹介しよう。

1.石田衣良

池袋ウエストゲートパーク(IWGP)」シリーズ。これを読んで面白さを感じなければ、エンターテイメント性のある作品はほぼ全滅と言っていい。ドラマ化されたので取っ付き易さもある。テンポが良くてあっという間に読み終える。

IWGPシリーズも間違いないのだがわたしがあえてイチ押しするとするなら「美丘 」だ。石田衣良さんは青春小説もうまいが、女性を書くとまた違った雰囲気があっていい。

最近あまり新刊を出さなくなったが、文庫本が充実しているのでお手軽に読み始めることができる。

2.北方謙三

本を読まない人にはハードボイルドというイメージしかないかもしれない。彼は完全なるエンターテイナーだ。どの小説も続きが気になって次々と新しいページをめくってしまう。寝不足間違いなしだ。

北方謙三さんの小説でもっともはまりやすいのは「水滸伝 」だろう。そこから続く「楊令伝 」「岳飛伝 」も水滸伝のベースとなった「三国志」もとにかく読みやすく、それでいて読み終えたとき自分が強くなったと錯覚してしまうほどのめり込んでしまう。

長編小説はちょっと…という人には「武王の門」から入ってみるといい。そこから南北朝時代シリーズが始まるのだが、1冊で完結しているのでお試しとしては最適だろう。

3.浅田次郎

浅田次郎をネットで検索してみて欲しい。とても作家とは思えないうさん臭いおじさんの画像が出てくるだろう。このうさん臭いおじさんこそが日本における現代最高のエンターテイナーだ。浅田次郎さんの小説はどれを読んでも間違いない。小説の世界にグッと引き込まれる。

わたしが浅田次郎さんにハマったのは「蒼穹の昴 」シリーズだ。北京好きのわたしにとって、清時代の終わりというのはそれだけでロマンがある。「蒼穹の昴」を后海のほとりで読むと、目の前に小説の登場人物が現れそうな気持ちになる。

どうしても1冊を選べと言うならば「壬生義士伝 」を推したいが、「終わらざる夏 」も捨てがたい。はっきり言おう。どれを読んでも楽しめる。気になった表装の本を手にするといい。

4.西加奈子

西加奈子とここに書いたが、実はそれほど彼女のことを知っているわけではない。幻冬舎の「Papylus」に連載されていた「漁港の肉子ちゃん 」があまりにも素晴らしすぎて、単行本まで買ってしまった。

ただ、過去の作品は本をあまり手にしない人には取っつきにくい部類の作家さんだとわたしは感じている。読んでいて気持ちが重くなっていく感じがする。それも含めて西加奈子さんの素晴らしさだけど、本をあまり読まない人にはおすすめできない。

「漁港の肉子ちゃん」でどこか吹っ切れた感じがしているので、読んではいないがそれ以降の小説もいいものなのだろうと言う気がしている。実際「サラバ! 」で直木賞も受賞している。「サラバ!」はわたしがいま一番読みたい小説だ。

 

「とっつきやすさ」という視点で、エンターテイメント性の高い作家さんを選んでみた。ただ、かなり偏ってはいる。わたしは東野圭吾も伊坂幸太郎もほとんど読まない。だから公平でもないし、わたしが勧める本が全てではないことは理解しておいて欲しい。

そのうえで、まずは1冊を手にしてもらいたい。そこから広がる読書の世界の先にはそれ以上に広がる現実世界が待っている。本のない人生なんて考えられない。本を読まなかった人がそう言うようになってくれると嬉しい。

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