周りから笑われるぐらいのがむしゃらさ。人はそれを情熱と呼ぶ

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学生時代、サッカーで食べていくことしか考えていなかった。決して上手くもないどころかヘタクソなのに、プロになると信じて疑わなかった。結局その夢は途絶えたけど、わたしはいまランニングで食べていこうとしている。

もちろんオリンピック選手になるわけでもなければ実業団に入るわけでもない。ランニングで食べていくと言っても誰よりも速く走る以外の方法がある。競技者だけがその競技で食べているわけではない。

そんな当たり前のことを学生のころはわかっていなかった。靴磨きでもいいからサッカーの世界に飛び込めばまた違った世界がまっていたのかもしれない。でも、そうしなかったからいまの自分がある。

視野の狭さは青春の日々を過ごしている若者の特権でもある。無知であってもとにかくがむしゃらにやっていればいい。

社会人になるとがむしゃらだけではやっていけなくなる。視野を広くして、多くの情報から取捨選択して正解を導き出す。それを繰り返して経験を積み、仕事のできる大人になっていく。

たぶん、多くの人はそこで収束していくんだろう。惰性で仕事をしてもなんとかなるような働き方。それがこの国の強さでもあるんだけど、ある程度完成したところでもう一度がむしゃらになってみるのはどうだろうか。

同じ分野でもいいし、わたしのようにまったくの畑違いにいくのもいい。ただ、もう一度がむしゃらだった自分を取り戻して、視野も狭くていいから突き進む。完成したからこそ進める領域がきっとある。

ただ進むだけではいけない。青春時代のようにひたすらがむしゃらに進もう。未来が永遠にあるのだと信じていた頃のように。昨日と変わらない今日にしてはいけない。明日はもっとよくなるのだと信じよう。

周りから笑われるぐらいのがむしゃらさ。人はそれを情熱と呼ぶ。

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