東京五輪のエンブレムの最終候補が公開されました。正直な感想は「エンブレムって必要?」わたしは美術の才能があるわけでもないので、評価する立場にもありませんが少なくともわたし基準ではどれも美しくはないです。
知ってます、誰もわたし基準の美しさになんて興味のないことぐらい。でも自分基準の美しさはとても大切にしています。自分にとって美しくないものは手にしないし、美しくない行動はしないように心がけています。
すべての人に共通する絶対的な美しさなんて世の中にはありませんが、自分の中にある自分だけの絶対的な美しさは持っていたほうがいいかなとは思います。
美学ってやつですか。
わたしが世界で最も美しいと思っている、人が創りだしたものはレオナルド・ダ・ビンチの「ほつれ髪の女」です。これ以上に美しい物をわたしは知りません。
レオナルドはわたしの目標としていた設計者でした。いつかレオナルドのような図面を書けるようになりたい。いつもレオナルドの図面を意識して製図をしていました。
図面に関してだけは、他人の美しくない図面を許せませんでした。美しくないという理由だけで人の図面にハンコを押すことを躊躇したことは一度や二度ではありません。
そしてレオナルドの描いた最高の図面がこの「ほつれ髪の女」です。これを美しいとしたときに東京五輪のエンブレムの最終候補はどうなんでしょう?レオナルドと比べるのが悪い?
でもさっきも書いたように、万人に対する絶対的な美はありません。その代わり自分の中に自分のためだけにある絶対的な美はあります。美しさはその基準をもって測るしかないわけです。
わたしが追い求めるのは「極限まで無駄なものを削ぎ落とした美しさ」です。「ほつれ髪の女」にはほんの少しの無駄がありません。エンブレムはエンブレムそのものが無駄に思えます。
出展:朝日新聞
いろいろあって使えないのは知っていますが、東京五輪の招致に使ったエンブレムは秀逸です。余白の使い方が素晴らしく、まるで桜の花が浮き上がっているかのように見えます。
これだけの表現でまるで花に囲まれているかのような気持ちになります。
このエンブレムがあるかぎりどんなエンブレムを提示してもほとんどの人が納得はしないと思います。ちょっと尋常じゃないぐらいこのエンブレムは美しい。
偉大なる先輩が卒業したあとの部活のような・・・いつも先輩たちと比較されるわけですからそれは可哀想です。でもそれが現実。新しいエンブレムは先輩を超えていくしかありません。
最終的にはC案になるような気がしますが、C案には日本らしさが感じられません。一応風神雷神をイメージしたそうですがデザインが「他の国ならありえそう」な仕上がりです。誰かが図面として出してきたら「いいんじゃないの?」と判子を押すレベル。
B案はもはや何が何だかわかりません。和と輪をイメージしてるようですが、空白の使い方が嫌い。上手い下手はわからないけど嫌い。図面で例えるなら自己満足の図面にありがちなパターン。
A案のコンセプトは素敵だと思うんですよ、市松模様をベースにしていますし。でもこれも図面で言えば「で、どうしたいんよ」っていう図面です。いろいろ詰め込み過ぎです。シンプルに見えて無駄が多い。
順番がバラバラですが、D案はどうしようもない。デザインがというよりは朝顔を選んだことが。だって偉大なる先輩が桜だったんですよ、朝顔ごときで敵うわけないじゃないですか。
まぁ「付き合うならどの子?」って聞かれたらDの子選びますけど・・・
絶対にもっといい作品はできますって。日本人の底力なめんなよ!
まぁ批判だけなら誰でもできるんですけど、やっぱり美しくないものにはケチを付けたくなるのは性分ということでお許し下さい。しかも図面で例えるという誰も理解できない解釈をするという暴挙。
まぁこれを良しとした人たちがいるわけなので、その人たちとは美的感覚が違うということで。そしてあっちはプロでこっちは素人。素人は口出しするなの世界ですよ。
でもこのエンブレムネタを酒の肴にするぐらいの余裕があってもいいと思います。批判というよりはそれぞれのエンブレムを見てどう感じたかを話すことは決して無駄なことだとは思いません。
で付き合うならどの子よ?
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