人間は1日60kmであれば毎日走ることができる。
これはわたしがずっと言い続けていることのひとつです。いきなり毎日60kmというのは無理ですが、フルマラソンを歩かずに完走できる人なら、1日60kmというのは無理のない距離です。
ただ、それを言うとみんな信じられないというような顔をします。わたしたちはやる前から「無理だ」と決めつけることがよくありますが、この1日60kmの話をした時のみんなの思考がまさにその典型です。
1日60kmなら毎日でも走れるというのは、わたしが言い出したことではありません。ユーラシア大陸を走って横断して日本までやってきた1人のランナーがそう言っていました。
それを真に受けたわたしは、日本海から太平洋までの300kmを5日間を目標に走り始めました。結果から言えば、なんとかなるものです。
最後の夜、山梨から富士五湖方面に上る途中の駐車場で寝ていたら、暴走族の兄ちゃんに「大丈夫ですか?」と行き倒れを心配された以外に大きなトラブルもなく、300kmを走りきりました。
わたしの旅ランはそこから始まり、1日70kmという無茶なスケジュールでクレイジーランナーでプロレスラーの三州ツバ吉さんと一緒に東海道53次も走りました。
そのときに思いついたのが東西対抗東海道53次ウルトラマラソンです。東は東京日本橋、西は京都三条大橋から、ちょうど中間地点になる浜松の天竜川を目指します。
今年で3回目の開催となりましたが、今年も東西1人ずつの参加がありました。昨年と同じメンバーですが、リピート率は100%です。
4日間で250km。
西軍の出口さんは2年連続3日で走りきり、今年こそは2日で完走するつもりで準備をしてきました。1日だけ先行してスタートした東軍の立野さんは、前回の初日を大きく上回って小田原まで到達しています。
大会とはいえ、事務局側のサポートはスタート時の荷物預かりだけです。
ルールは午後11時から午前5時までは走ってはいけないということだけ。冬のその時間に走るのはとても危険だと経験しているので、そのように設定しています。
これはとんでもない挑戦でしょうか?
少なくとも2人は4日間で250kmを少しもこわいとは思っていません。出口さんは50kmの日本代表経験者ですが、立野さんは市民ウルトラランナーです。ウルトラマラソン練習会でも先頭を引っ張ってくれますが、どちらかと言えば、わたしたち普通のランナーに近いところにいます。
でも250kmを怖がってはいません。
2人とも足を動かせばゴールが近づくことを知っています。つらくても、ゴールが遠のくことはないことを理解しています。そして強い眼差しで足を前へと進めていきます。
すべてのランナーにこの大会に出てもらいたいとは思いませんが、そういうチャレンジをしている人がいるということだけは知っておいてもらいたいなと思います。
2人のランナーがどこにいるのかはリアルタイムで下記サイトから見られるように、Trail Route View( http://www.trailrouteview.com/ )さんに協力してもらっています。
年末の忙しい時だとは思いますが、気が向いたときにでもクレイジーな2人がいまどこにいるのかをチェックしてみてください。もし近くを通ることがあれば2人に並走してもらったり、応援をもらえたら助かります。
250kmの孤独な戦いですが、誰もがそれを支えることができます。
自分が走れないとしても、せめて応援だけでもしてもらえれば、2人には大きな力になります。
東西対抗東海道53次ウルトラマラソンのスタートは西軍12月28日7時京都三条大橋。東軍の再スタートは12月29日5時小田原駅になります。みんなの力でぜひ2人をゴールへと導いてください。
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