日光ハイウェイマラソン大会が廃止された意味を考える

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「日光いろは坂女子駅伝大会」と「日光ハイウェイマラソン大会」の廃止が決まったというニュースがヤフーニュースに掲載されていたので、その内容を読んだ人もいると思います。

<実行委>日光いろは坂女子駅伝を廃止 参加数伸び悩み

いろは坂駅伝は、女子版の箱根駅伝を目指して開催されましたが、強豪校の参加がなかったとのこと。ハイウェイマラソンは、まだ開催するつもりだったのかと、正直驚いている状態です。

大会の中身はともかく、それなりに大きな大会が廃止されたというのは、ランナーにとっては大きな衝撃になったかもしれません。

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ランナー人口が減っているということも徐々に浸透していますので、このまま連鎖的に廃止される大会が出てくるかも。そう思っている人もいますよね。

これはあくまでもわたしの見解ですが、連鎖的に廃止される大会が出てくるというのは出てきますが、わたしたちの気づかないところでそういう大会が増えてくると考えています。

要するに人気のない小規模な大会から消えていくということです。都市マラソンは自治体の面子がありますので、簡単にはなくなりません。そもそも赤字運営を最初からしていますので、よほどひどい運営でもしなければ継続できます。

それがいいかどうかは別の問題ですが、赤字は税金をつぎ込めばいいだけですので、お役所がトップに立っている大会はどうということはありません。人が集まりやすいようにお金を掛ければ注目されて、少なくとも定員割れはしません。

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ただ、フルマラソン大会はさすがに増えすぎています。1年に日曜日は52回しかありません。半年はマラソンに適していないとすると、26回しかないマラソン日曜日に公認大会だけでも70大会以上あります。非公認を含めると100を超えると言われています。

メディアなどに取り上げられているように完全に飽和状態です。

ランナー人口は減っているだけでなく、マラソン大会志向のランナーが減っています。若い人たちは、走ることを楽しんでいますが、マラソン大会に出たいと思って走っている人はそれほど多くはありません。

出るとするなら東京マラソンや大阪マラソンのような大きな大会や、地元の大会くらいです。この数年でランナーがとても多様化しています。「健康のために走っている人や、ダイエットのために走っている人=マラソン大会に出る人」という図式がいつの間にか崩れています。

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マラソン大会に出るランナー人口は驚くべきスピードで減っています。大会数は緩やかでも増えているにも関わらずです。最初は「東京マラソン頑張るぞ!」と意気込んでいた人も10年連続で落選していれば、気持ちが続きません。

ではマラソン大会を淘汰させないようにするにはどうすればいいのか。

答えは簡単です。賞金レースにすればいいんです。1位から10位まで、年齢別も含めて賞金を出せば注目をされ、黙自然と人が集まります。できれば複数の大会が協力してジャパンツアーを組んで、ポイント制にするともっと活性化します。

そんな簡単にできない?

ではなぜ東京マラソンはそれができるのでしょう?お金があるから?スポンサーがたくさん付いているから?

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この国ではなぜかスポーツとお金を結びつけるのを嫌がります。特に陸上競技はプロ化する選手が出てきてはいるものの、まだまだ少数派です。プロと言ってもレースで稼げないのですから当然です。

ただ、わたしはマラソン大会を賞金レースにしろと言っているわけではありません。そうすれば淘汰されずに済むと言っているだけで、大事なのはそれくらいの思い切りが大事だと伝えたいだけです。

もっと現実的なことを提案するなら、参加賞も完走メダルも廃止すればいいんです。それだけで参加費を3000〜5000円下げられるはずです。全体の参加費が下がれば、1人が1年で出る大会の数は増えることはあっても減ることはありません。

わたしは完走メダルを飾るためのアイテムを売っている会社と仕事をしているので、完走メダルがなくなると困りますが、それとこれは話は別です。マラソン大会を横並びにする必要なんてどこにもありません。

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3時間制限の市民マラソンがあってもいいと思います。メドックマラソンのように日本酒の酒蔵めぐりできるマラソンがあってもいいはずです。お金を出せないなら知恵を出すしかありません。

日光ハイウェイマラソン大会も高速道路を走ることが「つまらない」となり廃止に追い込まれましたが、高速道路がダメだったのではなく、高速道路をうまく使えなかったことがダメだっただけです。

横浜マラソンも首都高を走るコースの評判が悪いのですが、特色のあるエイドでなんとかお茶を濁そうとはしています。それでも思い切りがいいことはしていません。

例えば首都高で横浜にゆかりのある「ゆず」や「クレイジーケンバンド」がシークレットライブをしたらどうでしょう?絶対ありえませんが、矢沢永吉さんが高速道路で歌ってたら、翌年以降の倍率は一気にアップします。

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でもそんなことは考えもしないのでしょう。「リスクが大きい」「前例がない」反対する理由はいくらでもあります。

そもそも現時点では定員割れもしていないし、危機感がほとんどないのでしょう。最終的に募集人数を超える応募がある。そういうところであぐらをかいていると、必ず痛い目にあいます。

東京マラソンがなぜここまで上手くいっているのか。日本最大のマラソン大会にも関わらず、昨年からコースを変更した意味を他の大会主催者はよく考えてみるべきです。

ダメになってから動いたのでは、後手後手になってすぐに詰まってしまいます。ビジネスの基本中の基本ですよね。現状維持に満足したらそこから衰退が始まります。

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ランナーが多様化しているのですから、大会も多様化していくべきです。一気に変えていくことは難しくても10年後のビジョンを描いて、そこに向けてゆっくりとシフトしていけば無理はありません。

それくらいのことはどの大会もできるはずです。経験があり優秀な人たちがたくさん集まって運営をしているわけですから。そういう意味では今回の廃止の件を、わたしは楽観視しています。

むしろこれが、日本のマラソン大会が大きく変わるきっかけになってくれるのだと期待しています。


25年間「落ちこぼれチーム」を立て直し続けてわかった マネジャーとして一番大切なこと
著者:八木 昌実
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