ランニングシューズのレビューをさせてもらっているのもあって、頻繁にたくさんの種類のランニングシューズを履いています。レビューのためにシューズレンタルをすることもあります。
世界一ランニングシューズを履いている裸足ランナーではないかと思っていますが、比較対象がありませんので、「自称」ということにしておきましょう。
シューズのレビューができるのは、やはり裸足で走ってきたことが大きいように感じます。自分なりの構えができたことで、ランニングシューズごとの特徴や走り方を理解できています。
それに合わせて文章にするという能力が混じり合って、結果的にそれなりのレビューワーになっているといったところでしょうか。自分の言葉で語れるというのは大きな武器だとは思います。
たくさんのランニングシューズを履いていると、同じシューズでもこんなにも違いがあるのだと驚くことばかりです。まだレビュー前ですが、リーボックのフロートライドは良さがまったく理解できない1足でした。
とてもじゃないけどレビュー記事にならないとさえ思いましたが、ふとした拍子に走り方を見つけました。そこからは、もう楽しくて仕方ありません。特徴のないシューズが、スイスイ走れるシューズになったわけです。
少し走り方が違うだけで、シューズのポテンシャルを引き出せたり、引き出せなかったりします。
でも普通のランナーは、シューズのポテンシャルを引き出すために走っているわけではありません。自分の走りがあって、それを支えてくれるシューズが必要です。
でも、実際に自分の走り方にどのシューズが合っているかなんて判断できません。
これはシューズにとってもランナーにとっても不幸なことです。自分に合ったシューズを選んで、気持ちよく走ってもらいたい。でもきっとわたしはソムリエ的な存在になっても、100%正解のランニングシューズを見つけることはできません。
それぞれが選び方の知識を身に着けて、試行錯誤して正解にたどり着きます。
わたしはどんなシューズでも履きこなすことができますが、自分に合ったシューズというのはあります。例えばワークマンの980円シューズは、軽くて安定感があり癖もなく、ミッドフットできれいに着地できるので最適です。
ペガサス36やペガサスターボも相性は悪くありませんが、足首が柔らかいというのもあってクッション性が高すぎるシューズはいまいち馴染みません。MEDIFOAMのITENも好きですが、絶望的に足型が合いません。
これだけたくさんのランニングシューズを履いているのに、自分に最適な1足というのはなかなか出会えません。いずれも帯に短し襷に長しという感じです。
だとすると、一般のランナーにとってランニングシューズ探しは、本当に難しい作業のような気がします。
しかもお店ではフィット感を確かめるしかできませんし、シューズの説明をきちんとできる店員さんもいますが、圧倒的に不足しているのが現実です。
もっとも、普通のランナーはそこまでシューズにこだわりがないのかもしれません。シューズのポテンシャルを活かすことなんて考えませんし、自分が走りやすいと感じればそれでいい。
以前も書きましたが、ランニングシューズには取扱説明書が必要です。どんな走りをすることを想定して作ったシューズであるかをきちんと説明すべきです。
それをせずに「すべてのランナーに合う」なんて嘘みたいなことを言うわけです。もちろん、そんな魔法のようなシューズはありません。親指と人差し指のどちらが長いかという部分ですら、人によって違うわけですから。
賢い人ならそこにビジネスを重ねられるんでしょうが、わたしはそのあたりの意欲がないので良くないなぁと思う程度でしかありませんが。ビール1杯でもごちそうしてくれれば、シューズ選びに付き合うくらいはしますが。
ただ、やっぱりシューズは履いて走ってみないと分かりません。お店で試し履きして購入するというシステムを根本から変えないと何も変わらないんでしょうね。
普通のランナーは1年に1〜2足しかシューズを買わないわけですし、最適な1足に出会えるためにメーカーはもう少し努力をしたほうがいいような気がします。メーカーは売れたらそれでいいのかもしれませんが。
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