
愛媛マラソンに向けてのポイント練習で、10kmのペース走をしたところ、なんと10年ぶりに10kmの自己ベストを47秒も更新してしまいました。正直なところ、自分でもまだ上手く消化できていません。
わたしに何が起こっているのか、そしてこれをどう受け止めるべきなのかを自分なりに解釈してお伝えできればと思います。
考えられる2つの理由
わたしの10kmの自己ベストは、湯河原オレンジマラソンで2009年に記録した39分33秒でした。かなりの高低差があり、後半は落ちるように坂道を下って、40分を切ったのを覚えています。わたしがまだ裸足ランニングを知る前の話です。
そこからケガをしたというのもあり、1度も40分を切ったことがありませんでした。そもそもシューズを履いて10kmのレースに出たのは、2012年が最後なのですが、練習で10km走をしても40分は切れていません。
今シーズンも何回かペース走をしていますが、9月に2回行ったペース走ではどちらもキロ4分を切るのは無理だと判断し、キロ4分台前半で走ったので41分と42分という結果になりました。11月のペース走は調子が上がってたので、40分30秒程度まで上がってましたが、キロ4分を切れる雰囲気はありません。
ところが今日は行けそうな気がしていました。理由は2つあります。
- 体の使い方を修正して走りがスムーズになった
- 初めてアディゼロ ジャパン 5を履いてのペース走
おそらくこの2つが融合して、38分46秒という結果につながりました。それぞれの理由について説明していきます。
体の使い方を修正して走りがスムーズになった
これは先日までのブログでも話をしていることで、肩甲骨の位置を矯正しながら走るようになったら、足の運びがかなりスムーズになり、左右バランスも大幅に整いました。ジョグでのスピードが20秒/kmくらい上がっています。
もしかしたら、その感覚を維持できれば、10kmでも40分を切れるかもという思いがあったので、ペース走設定をキロ3分55秒に設定しています。あまり厳密にはしていませんので、最初の3kmはオーバーペースでしたが、最終的には3分55秒に落ち着きました。
走り方を変えたことになるので、後半に痛みが出るのではないかと不安になりましたが、多少の違和感はありましたが最後まで走りきれたことが、大きかったかもしれません。
初めてアディゼロ ジャパン 5を履いてのペース走
まだ発売前のアディゼロ ジャパン 5をレビュー用に提供していただいたので、花蓮太平洋縦谷マラソンで使ってレースでのレビューをする予定でした。その前に足に合わせておきたくて、ペース走で履いてみました。
それまでに1度5km程度のジョグはしていますが、きちんとスピードを出すのは今回が初めてのことで、まだシューズのポテンシャルを掴みきれていません。ただ、ポテンシャルが高いシューズという予感はありました。
ただ、ヴェイパーフライのように構造が根本的に変わったわけではないので、アディゼロ ジャパン 3よりも少し速い程度を期待していました。キロ4分を少し切ればいいかなという感覚です。ところが、アップの段階で思った以上にペースが上がります。
これがシューズによるものなのか、体の調整をしたからなのかはわかりません。ただ、シューズもまったく関係ないとはいえません。途中からシューズのクセもわかり、無駄な力を使わずに10kmを積み重ねられたのも良かったのかもしれません。
※トップの写真はMEDIFOAMのITENです
積み重ねてきたものがベースにある

フォームが整ったことと、最新のシューズに変えたことの相乗効果で10年ぶりに記録を更新できたと考えていますが、もちろんそれでいきなり速くなるわけがありません。きちんとトレーニングを積み重ねてきたからこその結果。
定期的にインターバルとペース走を入れて、さらには人生で初めての30km走も行いました。体のケアもしっかりと行っています。これまでのランナー人生において、初めて基本どおりのトレーニングを重ねてきました。
昨年は筋トレ中心にして、筋力を取り戻したことも大きな要因になっているかもしれません。パワーを取り戻してキロ4分を切るのが難しくなくなり、ポイント練習によって心肺機能が向上した。そこに新しいシューズが加わったわけですから、走れないわけがなかったのでしょう。
マラソンで記録が伸びるときは、いつだって積み重ねがあったのことです。
マラソンは練習でやったことがそのままレースに出ます。練習でやっていないことはレースではできません。レースだから頑張れるというタイプの人もいると思いますが、練習でキロ7分でしか走ってないのに、レースでキロ4分で走るなんてことは、よほどの才能がないと無理です。
だからやっぱり積み重ねが大事です。これはしつこいくらいに言い続けていますが、継続にこそランニングの本質があります。
フォームやシューズを変えるときには、カラダづくりに時間をかける

先日のブログでフォームを変えると、そこから体を作り直さなくてはいけないということを説明しました。気持ちよく走れるからといって調子に乗っていると、筋力がついていないので必ずケガをすることになります。
[blogcard url=”https://shigematsutakashi.com/running/18424/”]
今回は10kmを走っただけですが、両膝と足首に違和感が発生しています。痛みというほどではありませんが、負荷がかかりすぎて危険信号は出ています。これまでと違う走り方になっているから当然です。
ランニングシューズを変えたのも影響しています。アディゼロ ジャパン 5のレビューはRUNNING STREET 365で行いますが、これまでのアディゼロ ジャパンとは着地とリリースの方法が違います。こちらも、それに見合った筋肉をつけていかなくてはいけません。
トップアスリートが記録向上のためだけに、ヴェイパーフライに履き替えていますが、いきなりそんなことをしても体に負担がかかってしまい、故障するリスクがかなり高まります。もちろん、それをわかったうえで、命を削ってやっていることなので否定はしません。
でも、それを市民ランナーが真似るのは違うと思います。シューズを変えるというのは思った以上に体に大きな負担がかかります。それに無自覚な市民ランナーがほとんどで、逆に言えばそこがわたしにとってのブルーオーシャンなわけですが。
とにかく、わたしの体はバキバキな状態にあります。速く走れるようにはなったけど、それを受け入れるだけの器ができるのには、まだまだ時間がかかります。愛媛マラソンにも間に合わない可能性はあります。
今週末の花蓮太平洋縦谷マラソンは確実に後半に失速します。でも、そういう状況でどう上手くまとめるか、意味のあるレースにするのかという課題はあります。愛媛マラソンに向けて1歩たりとも無駄にはできません。
ただ、今週はこれ以上疲労が残らないように、ここからしっかりリカバリーに時間をかけていきます。