万里の長城マラソンがどのような大会であるべきかをいつも考えている。ホノルルマラソンのような巨大イベントにしたいのか、それともUTMFのような参加資格や抽選が必要なほど大人気の大会にしたいのか。これは常に考え続けなければいけないことなのだけれども、常に変わっていかなければいけないことでもあります。こうありたいと思い、実行した結果を踏まえて翌年につなげるのです。その過程の中で『飯能ベアフットマラソン』は学ぶところが多い大会でした。
マラソン大会で最も大切なのは参加者の満足度ではないでしょうか。あらゆるランナーをすべて満足させることは無理だとしても、参加したランナーが来年もまた出たいと思える大会こそがわたしの理想とする大会像です。万里の長城マラソンは別として『飯能ベアフットマラソン』は、来年も出たいと思える数少ない大会のひとつです。その理由は一体どこにあるのでしょう。
まず裸足という特殊なジャンルの大会であることがあげられます。他に裸足の大会がないのですから、裸足ランナーとすれば参加せずにはいられません。そしてその特殊なランナーたちが一堂に会するわけです。普段は異端児扱いされている裸足ランナーもここに来れば「普通」でいられます。
厳しいコース設定が魅力のひとつなのは間違いありません。万里の長城マラソンもそうですが、納得のできる走りがなかなか出来ないと悔しくなります。そしてもっと出来たのではないだろうか、もう一度やればもっと早く走れるのではないかと考えるのです。誰もが完走できるコース設定というのも大会によっては重要ですが、何度も同じ大会に出たくなるのは、納得のいく走りが出来なかったコースです。
そして何よりもスタッフが一生懸命で楽しんでいる。これは参加してて気持ちいい。もちろんどのマラソン大会でもスタッフは一生懸命です。でも、それだけじゃ足りないんです。スタッフ一人ひとりがこの大会をより良くするために何をすべきかを考えています。この大会に関する熱い想いがあるのです。
もちろん、すべていいところばかりではありません。全日本選手権のトップ2名はコース案内がなくコースをロストしてしまいました。それに関しては万里の長城マラソンも人ごとではありませんが、ランナーに気持よく走ってもらうためにコース案内は2重3重にも気を配らなくてはいけません。なぜ、そういうことが起きるのかをきちんと考えて対策を練らなければいけないのだとわたしも痛感しています。
タイムアウトした選手の扱いに関しても難しいものがあります。大手の大会であれば時間通りに区切れるのでしょうが、参加者がそれほど多くないと、すべてのランナーをゴールさせたいという想いが湧いてくるのです。これが本当に良いことなのか、しっかり議論する必要があります。
いいところは伸ばし、わるいところは改善する。愚直にそれを繰り返すことは遠回りのようで実はいちばん近道だったりします。万里の長城マラソンをいかにして『飯能ベアフットマラソン』のような魅力的な大会にしていくのか、しっかり考えたいと思います。そして、いつか『飯能ベアフットマラソン』からも万里の長城マラソンに参加してくれるランナーが出てくることを期待しています。
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