ランニングシューズは用途に合わせて使い分けるべきではあるが【SNSの使い方】

Twitterでヴェイパーフライを履いてジョギングしている人への批判が話題になりました。「それはレースのときに履くべきだ」というニュアンスの投稿に対して、賛否の反応があり少し面白かったのでネタにさせてもらいます。

元ネタに直接関わるのは迷惑かと思いますので、気になる人はTwitterで自分で探してみてください。あくまでも個人的な考えとして、ランニングシューズの使い分けについて語っていこうと思います。

目次

ランニングシューズは用途を考えて設計されている

わたしは裸足ランナーでありながら、ランニングシューズが大好きなので、ランニングシューズについてなら何時間でも語ることができます。でもほとんどの人はそうではなく、ランニングシューズに関する知識もそれほど高くないのが現実です。かつてのわたしがまさにそうでした。

RUNNING STREET 365でランニングに関する情報発信をするようになり、様々なシューズを履き、メーカーやシューズの設計者と出会うことで、いつの間にかシューズに関してはそれなりに詳しく語れる立ち位置にいます。まだまだ未熟者ですが。

そこで学んだのは、どんなランニングシューズであってもコンセプトがあり、どのような使われ方をするのかを考えて作られているということです。シューズを設計するというのはそういうことで、ただセールス部門がそのコンセプトを無視して売ろうとすることも多々あります。

よくある「どんなレベルのランナーにも適している」という宣伝文句。

そんなシューズはありません。キロ3分で走るランナーとフルマラソンを6時間かけて走るランナーのシューズが同じで良いわけがありません。同じランナーでもレース用のシューズとジョグ用のシューズは違います。走るときのスピードが違うので、接地方法も変わってくるので。

ランニングシューズのポテンシャルを最大限に引き出すには、用途に合わせて履き替える。これが最近のトレンドでありスタンダードでもあります。そういう意味でヴェイパーフライを履いてジョグをするというのは、一見すると間違っているように思えます。

ヴェイパーフライはどんなレベルのどんな走りでも使える

ヴェイパーフライのシリーズはトップランナーがレースで履くために設計されたシューズです。キロ3分で42.195kmを走り続けるためのシューズ。ですので、走力の低い人がジョギングで履くのは間違った使い方のように思えます。

そのコンセプトが「トップランナーが速く走るため」だったとすれば……ですが。でも実際にヴェイパーフライが狙ったのは、トップランナーだけではありません。トップランナーが最初に履いたのはマーケティング上の話であり、ナイキは常に「すべてのランナーに」と言い続けています。

すべてのランナーに合うランニングシューズなんてないとお伝えしましたが、ヴェイパーフライは「どんなレベルの人にも合う」という部分に対しても挑戦して作られたシューズです。実際にどのレベルのランナーが履いてもタイムが縮まるというレポートも出ています。

そして何よりも「疲れにくい」シューズで、走るのが楽しくなる1足です。これまでのランニングシューズの概念を大きく変えたシューズとも言えます。そういう意味で、ヴェイパーフライがジョグに向いていないとはわたしは思いません。

Twitterではヴェイパーフライがサブ3のためのシューズというようなニュアンスで書かれており、それはきっとその人にとって「サブ3のためのシューズ」なのであって、ナイキのコンセプトはそんな不自由なものではないと考えています。

なによりもヴェイパーフライそのものが、既成概念を壊す1足であり、自由の象徴のような1足でもあるわけですから。

思うのは自由だが思うだけにしたほうがいい言葉

これはランニングシューズに限ったことではなく、最近のSNSの使われ方として確実に損をしている人がいるなと感じています。わたしたちには自由に発言する権利があります。言論の自由が認められている国ですから、何を言ってもかまいません。

でも何を言ってもいいということは、何を言い返されてもいいということであり、反発されるだけでなく敵を作る可能性もあります。「自分が思ったことを正直に言っただけで、批判される覚えはない」と怒る人がいますが、SNSだからこそ書くかどうかをよく考えたほうがいいです。

どう思おうが個人の自由です。でもそれが誰かを傷つける可能性があるなら、思っておくだけにして、発信しないのがベストです。誰かを傷つけないにしても、伝えたいことが誤解される可能性があるなら、同じく沈黙を選んだほうが良い。

誰かを批判や否定するような内容ならなおさらです。

誰も否定することなく自分の想いを語る。これが情報発信の基本だと思っています。もちろんわたしだって完璧にできるわけではありません。誰かを引き合いに出すこともあります。でも、それは意図的に行っているのであり、敵ができることを覚悟の上で行っています。

繰り返しますが、何を発言するのも自由です。ただ、すべての人が賛同してくれるわけではない。場合によっては自分が叩かれる可能性があり、敵ができることもある。それがSNSだということを頭に入れて投稿することです。SNSは自分の自由だけが認められる場所ではありません。

ランニングシューズには無限の可能性がある

少し話がズレてしまいましたが、わたしはランニングシューズは用途に合わせて選ぶべきだと考えています。ジョグに適したシューズ、ポイント練習に適したシューズがあり、きちんと使い分けたほうが効率よく鍛えることができます。

でも用途に合っているかどうかというのは、個人の感性によります。メーカーにはコンセプトがあるとお伝えしましたが、そのコンセプトがセールス部門によって捻じ曲げられてしまうことが多々あります。だからコンセプトは参考程度にして、どの用途に使うかは自分で判断しなくてはいけません。

そして、その判断こそがランニングシューズに無限の可能性を与えます。わたしはワークマンの980円シューズを履き「これはサブ3.5ができるシューズ」と感じ実行しました。誰もがフルマラソンを走るシューズと思っていなかったときに、わたしは自分の感覚でレースシューズで使えると判断しました。

逆にあるメーカーが「サブ3に最適」としているシューズは坂道練習専用に使っています。サブ3を目指すレースで使えるイメージが沸かず、むしろ下り坂での衝撃吸収に適していると感じたためです。

シューズの使い分けに正解なんてありません。使い分けは大事ですが、どう使い分けるかは人それぞれで、周りの人がとやかくいう問題でもありません。むしろ「そうじゃない」と思ったなら、逆に試してみるべきです。思わぬ発見があるかもしれませんから。

まとめ

わたしたち人間が何かに対して否定したり、批判したくなるとき。それはほとんどが嫉妬によるものです。これは以前も話したので覚えているかもしれませんが、嫉妬の感情をぶつけるのは恥ずかしいことなので、人は正論をぶつけてきます。

正論をぶつければ自分の嫉妬心を隠したまま、相手を攻撃することができるためです。でも嫉妬心が消えるわけでもなく、自分の言動にストレスを感じることになります。そして、何度も繰り返していくうちに他人からの批判に恐怖を感じて心が壊れる。

結局全部自分に返ってきます。思っているだけならそこから進展はありませんが、言葉にすると全部ブーメランになって返ってきます。そして見えない何かと戦い続けることになります。それはとてもとても辛いこと。

これは生き方の問題。他人がシューズをどう使うか気になるのは、それはすでに心がどうかしています。シューズに限らず、他人の言動が気になるのは心の状態としてはかなりよろしくない。もしそういう状態になっている自分に気づいたら、深呼吸して自分の心を見つめ直しましょう。

少なくとも吐き出すべき場所はSNSではありません。

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