力を入れないという領域へ【リラックスした状態を標準とする】

昨日のUberEats配達は身体と気持ちのズレがあって、終始イライラしていました。1日休んだことで、微妙なズレができてしまったのかもしれません。疲れているときは、何をやっても上手くいかないものです。ただ、配達のかなり後半、もう終わりにしようとしたところで急にハマった感覚に。

疲労感はあるのですが、いい感じに力が抜けて自転車を漕ぐのもスムーズになります。そうなると面白いもので、精神的にも余裕が出てきます。いや、反対なのかもしれません。精神的に余裕ができたから力が抜けた。卵が先か鶏が先かの話になりますが、リラックスというのは、心と身体の両方が力を抜けていないとできません。

頭で考えているうちはリラックスできませんし、身体に不要な力が入っていてもリラックスできません。でも、私の理想とするリラックスの状態は、やる気のない猫のように脱力しているわけでもありません。例えば、電車に揺られながら吊り輪を使わずに立つような状態。柳のようにしなやかで、強い力をきちんと逃がせる。

吊り輪を使わずに立つというのは、強引にできないことはないのですが、その場合は大きな力がかかった時に、一気にバランスを崩してしまいます。それはリラックスとは真逆のことで、マラソンなら地面を強く蹴って走るようなもの。そういう走り方で走り切れるのは若いうちだけ。この歳になると、力で押し切るということができなくなります。

だから、いかにして脱力するかリラックスするかが大事。特に24時間マラソン のようなチャレンジをする時に「頑張る」や「耐える」は不要です。トップクラスになるとまた話は違うのでしょうが、私レベルのランナーの場合、頑張ったらダメなんです。出来るだけ頑張らずに緩く走る。そうしないと24時間も走り続けることはできません。

UberEatsの配達も同じ。80km以上も自転車を漕ぐというのは、頑張らないことが大切。信号無視なんかして、スピード命で配達している人もいるようですが、そういうのは若いからできるか、短期間で消耗して辞めてしまうような気がします。もしくは大ケガをして、離脱してしまうか。どんなことでも頑張ってはいけない。それが最近の私のスタンス。

それは努力をしない、トレーニングをしないというのとは違います。トレーニングを積まずに脱力状態に持っていける人は限られます。脱力やリラックスはある程度の技術が身についたからこそできること。自分の体を思い通りにコントロールできるようになったら、初めて本当のリラックス状態に入れます。

リラックスできている状態というのは、1本の軸が身体の中心にできています。この軸を体幹と呼ぶこともありますが、ここで言いたいのは幹よりも細い軸。鋼のように強いのではなく、しなやかさを備えた軸。ピンと張ることもできれば、緩めることもできて、それを自由自在に操れる。この感覚を身につけるには、それなりのトレーニングが必要だと私は考えています。

いや、トレーニングを積んで自分で試行錯誤した人だけがたどり着けるのかもしれません。おそらく教わってできるようなものではなく、もがき苦しみながら理想を追求した者だけが掴める境地。もちろん、私もそこからはかなり遠い場所にいますが、昨日のUberEatsの配達でなんとなく、その領域にかすったような気がします。

その感覚を身体に覚えさせようと数回配達をしましたが、集中力が途切れてきたので配達は終了。今日の配達で再現できるといいのですが。さらに欲を言えば、来週の24時間マラソンにも取り入れたいのですが、それは流石に欲張りというもの。24時間マラソン は別の試みも導入するので、頭の片隅に置いておく程度にしておきます。

そういえばピラティスを始めた頃、力を抜くのがすごく下手だったのを思い出しました。何度も「肩の力を抜いて」と指摘され、何年もかけて力を抜くコツを習得しました。正しくは「力を入れないコツ」です。力を入れるから抜かなくてはいけない。最初から入れなければ、力を抜かなくてもいいしリラックスも必要ありません。

達人の領域のような気がしますが、あれだけ肩の力を指摘された私がここまで来れたのですから、この先も身体との対話を続ければきっと、その領域に立つことができるはずです。今はまだ触れるか触れないかの境界線にいますが、せっかく掴みかけた感覚を逃さないようにしたいところ。ただオーバートレーニングになりすぎないよう、それだけは気をつけるとします。

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