大阪マラソンはエリートの部だけになりました。これで東京マラソンもなくなったら、ランニングブームは完全なる終焉を迎えるのかもしれません。誰が悪いわけではありませんが、何事にも終わりというものがあるものです。コロナ禍もいずれ終わりますが、以前に戻ることはないのでしょう。
新型コロナウイルスの感染拡大により、ランナー人口は増えたとされていますが、実働数はおそらく激減。ランニングブランドの苦戦を見ればそれは明らかで、そして私を含めて、ランニングに関わる人たちは、新しいランニングスタイルを提案しきれませんでした。
私も旅ランを発信してきましたが、そもそもコロナ禍は旅との相性がよくありません。マラソン大会との違いは、自分にやる気があれば中止にならないだけで、例えば旅ランをしていることをSNSにアップするのはリスクがともないます。知らない人から「そういうのは上げない方がいい」なんて忠告されたりするので。
かといってオンラインマラソンは盛り上がりきれず。私もいくつか走りましたが、オンラインマラソンは達成感よりも虚しさが積み重なるので、エントリーすることもやめました。チャリティになるなら参加する意義があるのですが、マラソンを走りたいというという欲は満たしてくれません。
人によってはオンラインマラソンも楽しめているようですので一概には言えませんが、オンラインマラソンは私たちにマラソン大会が必要だということを浮き彫りにしてしまった気がします。「僕らがやりたかったのはこれじゃないんだ」ということが明確になってしまった。そういう意味ではマラソン大会というのは、私が思っているよりもすごいイベントなのかもしれません。
それがなくなった。いずれ戻ってくるとしても、2年もブランクがあるともう走れる気がしないという人もいるはずです。私も1年半ぶりのフルマラソンは、自分らしさを見失ったままの42.195kmでした。これまでどうやって走っていたのか、まったく思い出せないままレースが終わりました。
2年もフルマラソンを走ってないと、楽しい記憶も徐々に薄れていきます。他に楽しみを見つけたら、人はそちらに流れていきます。ランニングだけが人生ではありませんから。私が離れないのは、ランニングよりも楽しいことがないから。いや、ランニングの楽しさで満足してるから。
ランニングよりも旅が好きですが、旅にランニングを掛け合わせるということを覚えたので、それさえあれば何もいらないわけです。そう考えると私は幸運です。ランニング以外に熱中するものがガンプラだったら、ランニングと組み合わせることができません。旅も美味しいものを食べることも、全部ランニングと相性がいい。
ランニング業界はそろそろ本気で、マラソン大会を損切りした方がいいような気がします。全廃させる必要はありませんが、ランナーの誘導先を変える。もしくは多様化させる。それはメディアの役割でもあります。ランニングに関わるメディアが協力して、ランニングの新しいトレンドを作る。そういう動きが求められます。
お前がやれと言われそうですが、私は逆張りで生きてきたタイプ。今さらトレンドを作り出すとか、協力するとかは無理。どこにも属さない自由な存在で居続けたい。いや、居続けます。孤立しながらも、自分なりの提案をしていく。それに共感してくれる人もいて、反発する人もいる。それ以上は何も望まない。
いずれにしても大阪マラソンは中止。想像通りではありましたが、ランナーが負ったダメージはかなり深刻。2年前とは状況がまったく違います。エリートだけが走れるというのも傷口に塩を塗られたというか、完全なる追い討ちで、立ち直れない人もいるのでしょう。それをどう支えるか。
ここは大きな分岐点。打つ手を間違えたら、一気に悪いほうに流れていきます。それを止めて正しい流れに呼び戻せるかどうか。まあ私は悪いほうに流れることを前提に動くとしましょう。ランニングブームは完全に終焉する。その中で自分が立てる場所を探すとしましょう。このあと激減するであろうオアシスを早めに確保しておきます。
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