万里の長城マラソン日本事務局の視点から見たグアムインターナショナルマラソン

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海外マラソンの運営者のひとりとして、海外マラソンに参加することで学ぶことは非常に多い。これまで何度か海外マラソンを走っているが、そういう視点で大会を見たことがなかったので、今回はある意味視察という意味合いも兼ねてのグアムインターナショナルマラソン参加ということになった。

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グアムインターナショナルマラソンはインターナショナルと名がついているし、グアムで行われるのだが基本的には日本人のための大会と言っていいほど、日本人が優遇されている。まず、受付会場の入ってすぐのところに日本人用の受付ブースが用意され、日本語での対応が可能になっている。

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エントリーも日本語のサイトがあり、日本語だけでエントリーが完了になる。問い合わせも日本のPR事務局の日本人が対応してくれる。ここまで揃えてくれているので、初の海外マラソンにグアムインターナショナルマラソンは最適だと言い切ってもいい。しかもホノルルマラソンよりも安くお手軽に参加できる。

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逆を言えば、海外マラソンを走るという感覚がかなり薄い大会ではある。そもそもグアムが海外色が薄い感じがする場所なので、関東圏内の人にしてみれば沖縄や九州に走りに行くぐらいの感覚で行けてしまう。わたしは今回金曜日の夜に出て日曜日の夜に戻ってくる弾丸スケジュールだったが、ほとんど無理なくできてしまった。

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これを良いと感じるか悪いと感じるかは人それぞれだろう。ただ、あまりに日本人向けすぎる弊害のようなものも感じられた。ゲストランナーが高橋尚子さんだったのだが、オリンピックの金メダリストとはいえ、世界的に彼女の知名度はそれほど高くない。名前は知っていても顔と一致しないというのが一般的だ。

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だから彼女がゲストランナーでスタート前に挨拶しても、コース上でハイタッチしても喜ぶのは日本人と台湾人ぐらい。彼女はゴール前で戻ってくるランナーを待ち、手を繋いで一緒にゴールしていたのだが、彼女も空気を読んだのか基本的に対象とするのは日本人だけ。むしろ他の国のランナーのゴールの邪魔となることもあった。

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別にグアムインターナショナルマラソンの事務局が悪いわけでも、高橋尚子さんが悪いわけでもない。ただ、わたしも万里の長城マラソンの参加者を集めるにあたって、有名人を呼ぶということが頭のなかにあった。だがそれは自己満足でしかない可能性があることに気付かされた。

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例えば万里の長城マラソンに卓球の福原愛さんを呼べたとして、喜ぶのは日本人ランナーと中国人ボランティアぐらいだろう。他の欧米人は「誰だよあいつは」となる。ゲストランナーにはお金を払って来てもらう。その費用はすべての参加者から徴収された参加費から払われるのだ。偏ったゲストランナーは平等性に欠けてしまう。

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万里の長城マラソンが目指すべきはゲストランナーに頼らない大会だろう。わたしたちにはゲストランナーよりも魅力ある万里の長城があるのだから、それをしっかりアピールすればいい。グアムインターナショナルマラソンもグアムという魅力があるのだが、さらなる日本人の増員を考えた結果が高橋尚子さんだったのだろう。これに正解はない。

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強力なスポンサーが必要だというのはずっと感じていることだ。ホノルルマラソンにはJALがつき、グアムインターナショナルマラソンにはユナイテッド航空がついている。ツアー会社との連携もすばらしい。これらは2016年に向けてわたしが取り組まなくてはいけないことにあげられるだろう。

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英語でのアナウンスには日本語での通訳がつく。スタッフの人たちがみんな楽しそうで雰囲気がいい。海外マラソンはこうあるべきだというひとつの形を見せてもらった。いいところは積極的に真似て、改善したほうがいいと思うところは改善を加えていくとしよう。

参加することで学んだことは多い。それを着実に活かして万里の長城マラソンに反映させていかなくてはならない。

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