マラソンのペース配分はネガティブスプリットが理想なのか

マラソンはイーブンペースで走れと言われていますが、イーブンペースで走り切れた人をペースランナー以外にわたしはほとんど知りません。どんなランナーでも体が思うように動かなくなって思うような走りができなくなります。

もしイーブンペースで走れたというのであれば、それはよほど余力を残して走ったか、それとも尋常ならざる根性の持ち主かのどちらかでしょう。イーブンペースが理想だけど現実には難しい。

そこで言われ始めたのがネガティブスプリットです。ネガティブスプリットとは簡単にいえば序盤スピードを抑えめで、余力を残して後半スピードを上げていく走り方です。サブ4を狙うランナーで流行っているようです。


マラソンの失敗の多くはポジティブスプリットにあります。最初に飛ばしすぎて後半バテてしまい歩いてしまうパターンの人がかなり大勢います。さいたま国際マラソンがまさにそれでした。

多くのランナーは4時間制限を意識しすぎて序盤から普段の大会よりも早めの入りをした人たちが後半、熱さの影響もあり熱中症になったり、足をつったりしているような気がします。サブ4の大会のわりに歩いている人が非常に多い大会でした。

ポジティブスプリットでガンガン前半からいくと時として動けなくなることもある。イーブンペースをキープするのは難しい。だからネガティブスプリットという言葉が流行っているのでしょう。

わたし個人としてはタイムはともかくレース序盤は体との対話の時間です。14kmまでは今日の自分のコンディションの確認です。痛いところはないか、痛くなりそうなところはないかを確認します。

スピードをあげるのはそこからです。14kmぐらいまではゆっくり巡回しながら走っているイメージです。そして20km手前で一段ギアを上げておきます。理想はそのスピードを維持することです。

結果的にはネガティブスプリットになっていますね。


ただ、正直なところネガティブスプリットだとかポジティブスプリットだとか考えないほうがいいです。マラソン常に身体との対話です。体の状態に合わせてその日の走りを決める。走りながら体を整える。

それがわたしが理想としているランナー像です。

ですのでネガティブスプリットになることもあれば、ポジティブスプリットになることもあるわけです。それはそれでいいのではないでしょうか。大切なことはあとでレースを振り返ったときになぜそこでスピードを落としたのか、なぜそこでスピードを上げたのかを説明できることです。 

意識して42,195kmをマネージメントできるようになること。そうなればネガティブスプリットやポジティブスプリットなんてどうでもよくなるはずです。

ネガティブスプリットとポジティブスプリットについてはRUNNING STREET 365でも記事化していますので、そちらも参考にしてください。

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