伊勢本街道お伊勢参りラン〜3日目多気から伊勢神宮へ〜

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いよいよ伊勢本街道お伊勢参りランの最終日です。いよいよと言ってもたった3日間なのでここまでは2日、あっという間の2日間でした。とはいえ2日目の81kmは峠の下りがあったため体がバキバキです。

時間に余裕があるということで出発時間は7時15分。しっかり朝ごはんを食べてからスタートです。

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伊勢本街道・多気から伊勢神宮外宮

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外宮までの距離は21km。ここまでの走りを考えれば4時間弱でたどり着けるはず。たどり着けるはず…たどり着かないとまずいんです。三州さんが14時の電車で帰らないと仕事に間に合わないので。

伊勢神宮を訪れている人には常識ですが、行ったことのない人にはよくわからない話。伊勢神宮には外宮と内宮があり、まずは外宮から参るのがルールです。問題は外宮と内宮の間の距離が4km近くあるということ。

参拝の時間も考えると11時に外宮、12時半に内宮というのが理想的な到着時刻。

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ただ、もう足がいうことをききません。まったく動けないというよりは走れる時間帯と走れない時間帯があり、休憩なんぞ入れようもんなら足をほぐすところからやり直し。

でも休憩入れないと走れません。前日までの時点ですでに限界を超えていたのかもしれません。とはいえここで引き返すわけにもいきませんし、目標時刻だけは守らなくてはいけません。

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最初は伊勢本街道の林道を楽しんでいたのですが、休憩のために道をズレてからはできるだけ真っ直ぐな道を選びます。つらいながらもなんとか無事に外宮にたどり着けそうだと思ったときに事件は起きました。

国道沿いの歩道を歩いていたら向かいから右折してお店にはいろうとしたトラックがわたしの方に突っ込んできます。やばいと思っても体はうまく反応しません。なんとか止まった50cm前をトラックが通過しました。

止まってなかったら確実にぶつかってました。どうやら伊勢神宮までの道を、天照大御神がわたしを嫌っている具合を甘く見ていました。まさか命を奪いに来るとは…でも無事なのは天照大御神ではない何かが守ってくれているからなのでしょう。

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そしてとうとう伊勢神宮の外宮にたどり着きます。

正直なこと言っていいですか?

外宮ってなんかもぬけの殻な感じがします。あそこに本当に神様がいるとは思えません。神宮が苦手なわたしでものびのびできましたし、これなら内宮も大したことないかもなんて思ってました。

伊勢本街道・伊勢神宮外宮から内宮

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ここからの4kmが本当に長い。途中から初日にサポートしてくれた南さんが大阪から自転車でやってきてくれたのですが、まともに会話すらできないレベルに疲労しています。

しかも内宮が近づくにつれて、魂を抜かれそうになる熱田神宮と同じような感覚です。何度も書きますが、わたしは伊勢参りに2回失敗し、プラス3回近づくことすら阻まれました。間違いなく嫌われています。

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でもこうやって近づけたのは三州さんが近くにいたから。そういえばトラックに轢かれそうになったとき三州さんと離れてました。神も仏も信じていないですが、ここまではっきりすると何かあるとしか思えません。

それでも今度こそ何事もなく伊勢神宮の内宮に到着です。もう精も根も尽き果てた感じですが、お参りしなくては話になりません。参るために大阪から走ってきたのですから。

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中に入ってしまうと魂を抜かれるような感覚はなくなりましたが、逆にギュッと押し込められる感じがします。そんなものがあるのかどうかわかりませんが、結界の中にいるような感覚です。自分の脳力をすべて封じ込められたような窮屈感。

一刻も早くここから抜け出したいという思いでお参りを済ませて、この旅を完了させました。

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三州さんはタクシーで伊勢市駅に戻り、わたしと南さんは足神さんのいる宇治神社にお参りして伊勢うどんを食べて解散です。

月夜見宮

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終わったと思ったでしょ?でも実はわたしの伊勢参りはまだ終わっていません。わたしの目的は天照大御神ではなく月読命に会うことです。

伊勢神宮に近づけないことをきっかけに学んだ日本書紀。その中で謎の存在だった月読命が気になってずっと追いかけていました。どこかにいるはずなのにどこにもいない月読命。

もぬけの殻かもしれないけど、伊勢に来たなら月夜見宮に行っておきたい。

が、しかし大きな誤算がひとつ。伊勢には月夜見宮と月読宮のふたつがあるのです。それに気づいたのは駅に戻って月夜見宮の近くまで来たあと。途中にある月読宮にはもう戻る気力もなく…

でもやり残しがあるくらいがちょうどいいんです。最後に内宮から月夜見宮まで4kmを走り抜けます。いえ、ほとんど歩いているようなペースです。ただ走って行きたかったのです。

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走りついた先にあった月夜見宮は包み込まれるような暖かさのあるすごくいい場所でした。

きっとここに来るためのお伊勢参りだったのでしょう。苦しかった走りがすべて報われるような、「よう来たね」といつも言ってくれるお婆ちゃんのような優しさで満たされていきます。

こういう経験をすると旅ランはやめられないですね。まだまだこの国にはこうした知らない素敵な場所がいっぱいあります。そういった場所をまた自分の足で訪れてみたい。そう思えるいい締めくくりを月夜見宮ですることができました。

さて次はどこへ行こうかな。

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