マラソンやランニングの痛みはコントロールできる

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人が走れなくなる理由、そのひとつが体内の水分バランスの崩れです。きちんと水分補給をしていれば、人が「距離」で潰されることはありません。

そして走れなくなるもうひとつの理由が「痛み」です。飛騨高山ウルトラマラソンでわたしが痛みとどう向き合ったのかについて書いていきます。

目次

筋肉の疲労を蓄積させない走り

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100kmを走るわけですから、筋力に依存した走りをすると足が最後まで持ちません。汗をかかないように心がけた結果、「スピードを出さない」という選択肢でしたが、スピードを出さないのは筋肉に疲労を蓄積させないためでもあります。

飛騨高山ウルトラマラソンはアップダウンのあるコースで、上り坂では力を込めて走りたくなりますし、下り坂はガンガン下りていきたくなります。

上り坂で無理に走ろうとすると、足の裏側の筋肉を収縮させることになり、それを繰り返すと足がパンパンになります。俗にいう「乳酸がたまる」状態です。そうなる前に積極的に歩くことを選びました。

足がパンパンになって重さや痛みを感じる前に歩いて、足の疲労を開放します。

それは下り坂でも同じで、スピードが出すぎて筋繊維の細胞を潰して痛みが発生する前に歩きます。「体を壊さない、細胞を壊さない」これがわたしの痛み対策でした。

そのためのポイントは「筋肉にきちんと酸素を送り届ける」こと。深い呼吸を心がけて走りました。

あえてアドレナリンを出す呼吸にしてみた結果

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今回は実験でしたので、深い呼吸だけではなく、「早い呼吸」も試してみました。ロシアの格闘技システマの呼吸方法ですが、この呼吸方法をすると「痛みが消える」と言われています。

わたしの知識でいれば、早い呼吸は脳が活性状態になってアドレナリンを放出します。その結果痛みを隠しているのですが、その呼吸法を上り坂で行った結果・・・

まず肺に刺したような痛みが発生し、そこから肩にかけて、あっという間に痛みが広がっていきました。痛みの連鎖ってやつですね。

ぶっつけ本番でシステマの呼吸法を行った結果、肺がそれに対応できずに痛みを発生。そこから痛みが広がったのでしょう。何度やってもそうなるので、とりあえずアドレナリンを出す呼吸法の実験はそこで中止です。

以前なら肺から肩にかけての痛みでパニックになっていましたが、痛みの連鎖を学んでいたおかげで、慌てずに呼吸を整えて痛みを取り除くことには成功しています。

痛みは感情なのだからコントロールできる。これもほぼ間違いありません。

アドレナリンを出すことで痛みを隠すことは出来る

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筋肉に疲労を蓄積させない走りと、水分バランスを意識しすぎた結果、70km地点からは関門との戦いになり、筋肉を酷使して走ることになりました。

特に残り20kmは「痛い」という感情を消し去る必要があります。呼吸を整える方法の場合は、脳からアルファ波が出る状態を意識するのですが、この状態は痛みの発生を抑えることができても、大きな傷みをごまかすことができません。

そもそもアルファ波を出した状態でスピードも出すのは理屈の上では無理です。修練次第でなんとかなりそうな気もしますが。

そこでわたしが選んだのが再びの「アドレナリンの発生」でした。

80km以上酷使してきた足ですからスピードを上げるとすぐに悲鳴をあげる状態だったのですが、脳を興奮状態にしてしまえば痛みを感じないはず。そう考えて「早い呼吸」と「カフェインの摂取」という判断をしました。

どうにかして痛みを消さないことには90km手前の坂道を走って上ることは絶対にできません。

カフェインは自然発生しないので、不本意ではあるものの、自販機でリアルゴールドを購入。これで脳への痛みの信号を麻痺させることができます。

この作戦は見事に成功し、制限時間の4分30秒前にゴールすることができました。

今回はリアルゴールドに頼りましたが、もっと意識してアドレナリンを発生させることができれば、人工的な飲み物に頼らなくても、一時的に痛みを消すことができると確信しています。

マラソン後の筋肉痛との向き合い方

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アドレナリンでごまかしたとはいえ、足には完全に疲労が残った状態で、筋繊維の細胞もズタボロです。ゆっくり走っていれば筋肉痛も発生しませんでしたが、完走するためには仕方のない結果です。

走り終えた24時間後、ラン仲間の運転で帰宅途中に筋肉痛がやってきました。車の中で体の動きを止めているので、どんどん筋肉が固まっていき、サービスエリアでは歩行困難な状態にまで悪化しました。

ただ、痛みはコントロールできるはずなので、わたしはこの筋肉痛を和らげる方法があるはずと考えました。

筋肉痛は筋繊維が再生することで痛みが発生し、その痛みの信号が筋肉を緊張させ血の流れを悪くする。その結果、痛みが広がっていく、痛みの連鎖でが棒のようになるという仮説を立てました。

だったら、その痛みの信号を途中で消してしまえばいいじゃないかということで、足の筋肉ではなく、首筋から肩甲骨にかけてマッサージしてほぐします。

足の筋肉の緊張をほぐすために、より脳に近いところをリラックスさせ、気持ち良い状態にすれば、足からの痛みの信号をごまかせるはずです。少なくとも痛みの連鎖は止められるはず。

そう思ってマッサージを続けると、次のサービスエリアでは、棒のように固くなってた足が見事に回復しました。

筋繊維が再生する場所で発生している痛みそのものは取り除けませんが、筋肉の緊張による痛みの連鎖はないため普通に歩けるのです。

飛騨高山ウルトラマラソンを通じで感じた痛みのこと

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とりとめもなく書いてしまったのでここでまとめてみます。

  1. ウルトラマラソンを走るときには基本的に足に乳酸を貯めずにこまめに解放する
  2. 乳酸が溜まって足がパンパンになってもアドレナリンによって誤魔化すことが出来る
  3. 足の筋肉痛は首から肩甲骨にかけてほぐすことで軽くすることが出来る

マラソンの痛みは発生させないを基本とし、どうしても発生させてしまうときはアドレナリンによって、痛みを一時的にごまかすことができる。

そして痛みをごまかして走った結果、筋繊維の細胞が破壊されて、そこからの再生時に筋肉痛が発生します。ただ歩けなくなるような筋肉痛は痛みの連鎖が原因であるので、筋肉の緊張を解いてあげれば痛みは軽減します。

そのために首筋から肩甲骨にかけてほぐす。

ウルトラマラソンでを走ると様々な痛みと向き合うことになります。ごまかしていい痛みや、ごまかしてはいけない痛みがありますが、痛みは感情である以上、ある程度まではコントロールできるということは確認できました。

複雑に出来ている人間の体ですが、そのメカニズムを理解していれば、痛みを恐れる必要はなくなります。

ウルトラマラソンではロキソニンを使う人が少なくありませんが、ケガをしているのでなければ、ロキソニンに頼らなくても100kmぐらいは問題なく走れます。

ロキソニンは結局「痛みをごまかす」だけですから、自分でアドレナリンを発生させればいいんです。それが難しいと言われればそれまでですが。

ただ覚えておいて欲しいのは、痛みはコントロールできるということ。逃げるのではなく向き合うことが大切です。

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