マラソンを始めたのは2006年の秋だ。初めて出場したのはあつぎマラソン。40分を切れば入賞できるかもしれないという思いと、完走できるのだろうかという不安を抱いてのスタートだったのを覚えている。45分37秒でゴールしたけど、同じコースで同時スタートのハーフマラソンも行われてて、おいらがフラフラになりながらゴールに向かっているのに、ハーフマラソンの人は平気な顔してコースを突き進んでいった。衝撃的だった。ゴールした瞬間はハーフマラソンなんて絶対に無理だと感じ、実際にそのシーズンは10キロにばかりエントリーすることになった。
それから1年でハーフマラソンを走ることになる。多摩川ハーフマラソンin川崎。1時間35分38秒。ペース配分がわからずに前半飛ばしすぎて、後半バテバテだった記憶がある。この時感じたのはフルマラソンを走る奴はアホだということ。ハーフでこんなにも疲れるのにフルマラソンなんて信じられなかった。東京マラソンもエントリーすらしていない。いま思えばあのときエントリーぐらいすべきだった。
ところがその1年後においらはフルマラソンを走ることになる。湘南国際マラソンだ。その準備のためにおいらは今でも理由の分からない行動をとってしまった。24時間マラソンにエントリーしたのだ。物事の順序がムチャクチャすぎるのだけれども、フルマラソンの距離を克服するために24時間練習のつもりで挑もうと考えたわけだ。24時間で走ったのは122.96km。42.195kmなんてこれっぽっちもこわくなくなった。
おいらは湘南国際マラソンでサブ3を達成するつもりでいた。それぐらいの練習をしていたし、マラソンをなめていたところもあったと思う。友だちとサブ3達成できるかの賭けをした。結果は惨敗。ハーフマラソンでも自分をコントロール出来ないのにフルマラソンでコントロールできるわけがない。35kmをこえたあたりで失速。マラソン人生で初めて歩くことになった。3時間11分6秒。あとたった11分と思うかもしれないけど、その11分は大きかった。あるペースが崩れると完走ができなくなることがはっきりとわかる。その瞬間の絶望的な感覚は今でも慣れないでいる。
あれから7年経っている。その間にケガをして1歩も走れなくなったこともあった。タイムを追うのをやめた時期もあった。でも昨シーズンからもう一度サブ3を目指すことを目標に練習をしている。愛媛マラソンで3時間3分55秒と本当にあと少しのところまで来ている。昨年は背骨の骨折というトラブルがあり夏に走り込めなかった。でも今年はいまのところ万全の状態できている。余程のことがなければサブ3は問題ないだろう。5年前の根拠のない自信とは違う。
サブ3を達成したらどうするのか、今はまだわからない。わかっているのは決して走ることをやめないということだけだ。走っているから日本中の色んなところに行ける。走っているから出会えた仲間がたくさんいる。走っているから仕事も楽しく出来る。走っているから万里の長城マラソンと出会えた。おいらにとって走ることは自分の可能性のひろげるためになくてはならないものになっている。
以前にも書いたけど、いつかは自分のランニングクラブを作るつもりだ。それもそう遠くないうちに。そこでおいらの経験を伝えるために、そして説得力のあるコーチが出来るようにやっぱりサブ3は達成しなければいけない。速く走るためのランニングクラブにするつもりはないけど、速く走るということがどういうことかを知っているか、そうでないかでは伝えられることが全然違ってくるから。
今シーズンは1週間後からスタートする。いったいどんなシーズンになるのだろう。走り始めて7年経過してもシーズンの最初は不安と期待で胸がいっぱいになる。まったく走れなかったらどうしようと思いながら、トップでゴールするイメージも常に持っている。
今シーズンのテーマは「笑顔」どんなことがあっても笑顔を忘れずに走ることをここに誓おう。
コメント