熊本城マラソン裸足で完走!熊本を走れることに感謝

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裸足で走るランナーにも様々なタイプのランナーがいて、裸足で走るほうがシューズで走るよりも速いということを証明したいという人もいれば、わたしのように速く走りたくないから裸足で走るという人もいます。

そし今回の熊本城マラソンほど、速く走らなくてよかったなと思った大会は他にはありません。

最近は裸足ランナーが増えて、ひとつの大会に10人近い裸足ランナーが走っていることも珍しくありません。その結果、裸足で走ることそのものに驚く人は以前よりも少なくなりました。

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ところが、熊本城マラソンマラソンでは、目を真ん丸にする人がたくさんいてくれて、そして裸足であることに対して、ものすごく声援を送ってくれます。

チャレンジしようとする気持ちに対して、何か感じるものがあるのか、それが震災の影響なのかはわかりませんが、とにかく熱狂的な応援がずっと続きます。

ある人は裸足であることを心配し、ある人は裸足であることに対して驚きと、背中を押してくれるような声援を送ってくれます。きっと裸足ランナーでなくても驚くような沿道の人の多さなのですが、それが裸足ランナーとなると応援はさらに増します。

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わたしは決して声援が欲しくて裸足で走っているわけではありませんが、これほどまでに声をかけてもらえるとさすがに勇気が湧いてきますし、いい走りをしなくてはという気持ちになります。

スタート時間は9時2分。気温はおそらく4℃くらいで、最後尾は日陰になっていることで体感気温は氷点下に近いかもしれません。裸足で行くかどうかをギリギリまで迷っていたのですが、ハダシストとしては熊本に爪痕を残したいところです。

甘える気持ちを断ち切るために、早々にシューズを手荷物に預けます。これでもう裸足で走るしかありません。

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ただし気温の低さもあって、そのままでは足の指がもげてしまいそうですので、ホットクリームを足に塗って、さらにスタートまでは靴下を履いています。

そもそもわたしは冬のマラソンで裸足になることを避けてきましたので、当然練習もできていません。昨年の金沢マラソンか台北マラソン以降は、裸足で練習すらしていません。

とりあえずスタートしたらなんとかなる。根拠のない自信でわたしはスタートブロックに立ちます。

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そうしている間にも足はどんどん冷えていきます。本当に足の指がなくなるんじゃないかと思いながら、スタートの号砲からスタート地点に向かって歩きはじめます。

号砲から14分経過してようやくスタートラインを通過。12000人のランナーは伊達ではありません。

かじかむ足をなんとかコントロールして一歩一歩進みますが、正直このタイミングではリタイアも想定していました。とても足が動く気がしません。

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ただし、太陽が当たり路面が良くなってくるといつもの走りを取り戻します。

ただし、先週に4分30秒/kmで走っているのもあって、まったくスピード感がなく走っても走っても距離が増えません。やっとの思いで5km、10kmと進んでいきます。

コースはハダシランナーに不向きです。ところどころ荒れていますので白線をうまく利用しないとあっという間に足裏を消耗してしまいます。もっとハダシ練習をしていれば別ですが、2ヶ月近く裸足から離れていますので無理はできません。

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とにかく足裏を消耗しないことを心がけます。ただし、沿道でハイタッチを求めている人がいれば、そこがガレ場であろうと針のむしろであろうと向かいます。わたしにとっては沿道の声援に応えるための最低限のマナーです。

ただし先に行くに連れて、その数がとんでもない数になります。沿道に出ている人の数はこれまでに経験したこともないようなもので、しかも普通のマラソンコースにはあまり使わない路地まで使ってコース設定をしているため、沿道との距離がとても近くなります。

本当は中止になってもおかしくなかった熊本城マラソンをこうして走ることがでたのは、そういう人たちのちからによるものだと思うと目頭が熱くなります。20kmくらいで泣きそうになる自分を叱咤して前に進みます。

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何度も何度も「あちがとう」の言葉を沿道に送りながら、こうして熊本を走れることに感謝して一歩を踏み出します。

久しぶりの裸足にも関わらずかなり順調に走れるのですが、それができるたのも35kmまで。市街地に近づくと撥水性のいいアスファルトに変わって足裏をガンガン刺激します。

残り3kmくらいからの河川敷はさらに路面が荒れていて、歩きそうになるものの、今日だけは歩くのはNGだと自分に言い聞かせてゆっくりでも走り続けます。

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もちろんそれは声をかけてくれる人がいてできることです。沿道の声援だけではなく、ランナーからも声をかけてもらえます。わたしにとっては特別でもない裸足でのフルマラソンですが、そこから何かを感じてくれる人がいるようです。

沿道から「ありがとう」という声ももらいます。こちらこそ走らせてくれてありがとうなのに、わたしの走りに何かを感じてくれる人がいるということ。これだけで裸足よかったと思えます。

そしてゴール手前の名物の坂では地元のテレビ局にインタビューを受けながら走りました。今回はいい感じのことを言えたと思いますが、テレビは見れませんので、映ったかどうかはわかりません。

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ただアナウンサーの方にも、熊本の方に勇気を与えられたはずと言ってもらえました。もしそれが本当ならこんな嬉しいことはありません。

いちランナーでしかないわたしが、走ることによって自分の思いを伝えることができる。こんな素晴らしいことはありませんし、過去の自分からは考えられません。

twitterをフォローしてくれている方や、ブログを読んでいるという人からも声をかけてもらいました。まるで有名人にでもなった気分ですが、現実のわたしはどこにでもいる庶民ランナーです。

それでも庶民ランナーには庶民ランナーの矜持があります。

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自分があえて裸足で走ったことが何かを感じてもらえる。今回の熊本城マラソンに出るまでは、熊本という場所にそれほどの愛着があったわけではありませんが、1度走っただけで熊本城マラソンの魅力にどっぷり使っています。

金沢・愛媛・熊本。この3つのマラソン大会は掛け値なしに評価できる大会です。おそらく同じようにわたしがまで出会っていない大会もあるはずです。

それでも熊本城マラソンは、一度は経験しておいてもらいたい大会のひとつです。震災がなかったにしても、これは出るべき大会のひとつです。

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まだ熊本城マラソンを走っていない人はぜひ来年の0次関門の抽選にエントリーしてください。チャリティ枠で出てもまったく惜しくない大会です。特に(気温が上がれば)裸足ランナーにはおすすめです。

こんなにも楽しい42.195kmは過去にありませんでしたし、ゴール前の坂を走っているときに「このまま大会が終わらなければいいのに」本気でそう思いながら走っていました。

一度熊本城マラソンを走れば、ほぼ間違いなく熊本城マラソンの魅力にハマってしまうはずです。

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最後にひとつだけ不満点をあげるとすれば、おにぎりの隣でコーヒー牛乳と牛乳が出てくるエイドは「うわっ」ってなるので、できれば両者は別のほうが・・・両方おいしくいただきましたが。


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