磐梯朝日国立公園「小野川湧水」〜百貫の価にも換ふべからず〜

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訪問日 2013年10月6日

同じ名水百選であっても、近くにある龍ヶ沢湧水とはまったく違う印象なのが小野川湧水だ。小野川湧水は裏磐梯三湖のうちのひとつ小野川湖に流れこむ。その源水となるのが百貫清水で、その昔「百貫の価にも換ふべからず」と百貫以上の価値があるとされていたようです。いまいち意味がわからないのですが、きっと上の句があるのでしょう。1杯の水が百貫(とんでもない重さ)の水と同じ価値があるといったところでしょうか。一口飲めばその理由がわかります。名水の中でも飛び抜けた美味しさのある名水です。

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小野川湧水の見どころは2ヶ所あります。ひとつは小野川不動滝で、もうひとつが百貫清水です。どちらもグランデコリゾートからアクセスできます。時間がある人はグランデコリゾートのゴンドラ駐車場に停めるのがよいでしょう。時間があまりない人は近くまで車で行くという方法があります。その方法も含めて紹介します。

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まずは小野川不動滝です。グランデコリゾートの少し手前に案内板があります。左側を意識していれば見つかると思います。距離はそれほどありませんし舗装されていますが、道幅が狭いので対向車に注意してください。少し進めば不動滝駐車場があります。そこに車を停めてそこからは歩きですが、15分も歩けば滝に到着します。

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それほど大きくない滝ですが、とても美しい滝です。華厳の滝のような迫力はありませんが、眺めているだけで気持ちが満たされていきます。日本人のおいらにはナイアガラやイグアスのような巨大な滝よりも、こういう風情のある滝のほうが向いています。マイナスイオンだとかそういうものはよくわからないけど、一見の価値あり。

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滝を見終えたら、グランデコリゾートへ向かいます。その気になればここからグランデコリゾートまで歩くこともできます。おいらの目的地はグランデコリゾートではないので、車に戻って先に進みます。おいらが向かったのはデコ平駐車場です。デコ平駐車場はゴンドラ乗り場の手前から林道に入るのですが、事前に調べた限りだとかなり車高が高い車でないと危険なのだとか。実際、かなりの荒れた道です。4DWでなければ、そしてSUVのような車でなければやめておくのが懸命でしょう。彼女や奥さんにいいところ見せようとプリウスなんかで突っ込んだら泣きをみます。チェロキーに乗って11年ですが、初めてチェロキーのありがたみを感じました。

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デコ平駐車場からはひたすら歩きます。ゆっくり歩いて50分といったところでしょうか。デコ平駐車場の案内板にはひたすら「熊注意」。確かにどこから熊が現れてもおかしくない雰囲気です。箱根ごときで熊に遭遇した経験を持つおいらは鈴を持って来なかったことを激しく後悔しましたが、結果的には熊さんと踊ることにはなりませんでした。

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道の途中にはデコ平湿原への迂回路があります。それほど遠回りではないので見ていくことをおすすめします。別に何があるわけではありませんが、湿原があるのでよく見るといろんな動植物に出会えます。おいらは花の名前すらわからないので見て楽しむことしかできませんが、それでもじゅうぶん楽しめました。紅葉の始まった山を違った面から見ることができたのもこの時期ならではの楽しみ方かもしれません。

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百貫清水です。見た目はちょっとがっかり名水です。実際に行った人は「え?これ?」と思った人も多いかと思います。そう、これなんです。直径4mぐらいの池の底から水が湧きだしています。柿田川湧水や忍野八海の小さい版と思ってもらえればイメージしやすいかもしれません。ただ、その水を一口飲めば驚きに変わります。いや、一口ではわからないかもしれません。水を口に含んで味わってみてください。「甘露である」と昭和天皇が喜ばれたニセコの甘露水に匹敵する甘さです。ニセコの甘露水よりは少しざらつくのは掬ったときに細かい砂が入ってしまうためでしょう。

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これほど美味しい名水はなかなかありません。簡単に行ける場所ではありませんが、裏磐梯のトレッキングも楽しみながら訪れてほしい名水です。裏磐梯には数多くのトレッキングコースがあります。トレッキングを楽しみながら名水をいただく。都会では決してできないすばらしい体験がここにはあります。

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帰り道、お猿さんが見送りしてくれました。
 

所在地:福島県耶麻郡北塩原村大字桧原
アクセス:グランデコリゾートを拠点にトレッキングもしくは不動滝駐車場・デコ平駐車場から徒歩 
環境庁選定名水百選: 小野川湧水

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