純粋に海外旅行に行くなんていつ以来だろう。しかも一人旅ではないのは、2013年の台北マラソンに行ったのが最後かもしれない。ただそのときも行きのフライトは単独で、1人だけ台北マラソンに参加。
初めての台湾は2010年、これまで4回の訪台で、今回が5回目の台湾。
初台湾は右も左も分からない状態でのツアーでの参加。今回はラン仲間とLINEで打ち合わせをしながらの自由旅行。LCCがセールを待ったり、エクスペディアでホテルを探したり。
自分で言うのもなんだが、台北の街にはそこそこ詳しくなったつもりだ。もちろん知らないことのほうが多いことは自覚しているが、台湾を楽しむコツというのはそれなりに心得ているつもりだ。
ただ自分だけならホテルや飛行機を雑な選び方で決めるけれども、一緒に行くメンバーがいるから色々と慎重に。女子もいるので安ホテルでは嫌だけど、できるだけ安くは済ませたい。しかもできるだけアクセスのいい場所。
そんなことを考えながらホテル探しをしていたのに、最初に「ここいいんじゃないか」と提案したHOTELが「ほぼラブホ」との口コミで大ブーイング。キャンセルして別のHOTELにしてもらったはずが、数日前にそのホテルを予約したままだったことが発覚。
危なかった……そんなホテルエクスペディアに載せるなよと苦情を申し立てたくなる。
ぎりぎりキャンセルして、別のホテルに変更するなど、出発前から波乱の予感が漂う。いや、楽しい旅になる予感しかしない。波乱はいつだって旅の楽しみでしかない。トラブルこそが旅を楽しい思い出にしてくれる。
さらに出発の数日前から台湾は大雨の予報。台南で暮らす友だちからは「週末は大荒れ」のメッセージ。梅雨時期だから仕方ないが、南の島の旅はやはり青空が似合う。
集合は金曜日の20時、成田空港第3ターミナル。偶然か必然か、電車に乗り込んで連絡を取り合っていたら4人中3人が押上駅からの乗り換えであることがわかり、なぜか押上で3人が集合。ただのコミュニケーション不足とも言う。
1人は仕事終わりにバスに乗り込んで、全員20時に無事集合。
フライトはバニラエアJW107。バニラエアはLCCだがANAグループということもあって、あまり遅延しない。
ただし、成田空港がすでに悪天候ということもあって出発がやや遅れてしまい、0:55到着予定がちょっと遅延。これくらいは全然許容範囲と思いきや、桃園空港で入国審査の大行列。夜中到着はこれがあるからつらい。
それでも入国審査は日本語対応をしてもらいスムーズに通過。タクシーを使って桃園の中壢にあるホテルに移動。このときすでに午前3時。たくさん眠りたいところだが、わたしたちが台湾にいられる時間は短い。
「朝はゆっくりでいいよ」言いたい気持ちをぐっとおさえて、「8時半に朝ごはんね」と伝える。今回のメンバーのありがたいところは、そういう無茶振りでも文句のひとつもでなかったこと。
多少の不満はあったかもしれないけど、帰国までちょっと信じられないくらいに詰め込んたスケジュールにだったが、眠そうな顔をしても不満そうな顔は見せずについてきてくれるからすごく助かる。
ちょっとそれに甘えすぎたところは反省している。
ホテルはまったくの初めての場所なのと、すぐに移動したいのもあって、この朝だけはホテルで朝ごはんをいただくことに。わたしは基本的にホテルの朝ごはんは食べない派。食べられる回数は限られているのだから、現地の人たちが食べているものを口にしたい。海外なら朝マックだってネタになる。
そうは言うものの、タイム・イズ・マネー。ホテルで朝ごはんを食べながら、台湾を現在進行形で襲っている豪雨のニュースをチェックして、この日の予定を再確認。向かうのは絶賛梅雨前線が停滞中の台南。サンダルを持ってくるべきだったとここでも反省。
仲間の一人がトイレから出られなくなるという前代未聞のトラブルに合ってしまったが、とりあえず大きな問題にはならずに、ホテルをチェックアウト。本人はこの世の終わりくらいに焦ったらしいが。
ちなみに今回はAmazonで事前にSIMカード「FAREASTONE 台湾プリペイドSIM」を購入。電話はできないけど、5日間通話し放題で1100円。仲間が閉じ込められたトイレが圏外だったのが唯一の誤算。
宿泊した雲端商務旅館は、MRT空港線の環北駅まで徒歩3分。我ながらナイスチョイス。
「駅までどれくらい?」
「5分くらいで行けると思う」
3分後
「あれが駅」
「5分もかかってないやん!」
5分と言ったのに3分で着いたことにクレームを受ける。
世の中には理不尽なことがいっぱいある。
MRT空港線は最近開通したばかりの路線で、環北駅はその終点。いずれ中壢まで伸びるとか伸びないとか。いずれにしても初めてのMRT空港線にワクワク。初めて台湾の地下鉄に乗る2人はコインタイプの切符にびっくり。
高鐵桃園駅から向かうは台南。
これまでの訪台で、台南は一度も訪れたことのない街。それ以前に新幹線すら初めて。仲間の一人は2回目の台南ということだが、みんなテンションが上りすぎて、ビジネス席に乗り込んで2分もしないうちに乗務員さんに「静かにしてね」との注意を受ける。
中国からきた人たちが日本で騒がしいとよく言われるが、それとたいして変わらない。いや、初めての台南でテンションが上げるなというほうが無理がある。
持ち込んだ台湾ビールはあっという間に空になり、「没有(ないよ)」と言われているのに、車内販売のお兄ちゃんに何度も「ビールないの?」と確認する。日本人のイメージダウンになると分かっていても下がらないテンション。
楽しいのだから仕方ない。みんなで電車に乗るなんてなんだか修学旅行を思い出して、ついつい声も大きくなる。ダメな日本人とは理解している。
反省はしない。きっと同じことがまたあっても、また2分で注意を受けてしまう自信がある。
高いテンションを下げようと神様が思ったのかどうかはわからないが、車窓を叩きつける雨は南に向かうにしたがって徐々に強まっていく。遠くの景色はほとんど見えないほどの大雨の中、1時間半で新幹線は台南駅に到着。
わたしにとっては初上陸の台南。4人組の珍道中はようやくここからスタートをすることになる。
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