台北マラソンと花蓮太平洋縦谷マラソンを走るために、台湾に来ています。もう台湾に来た回数も10回を超えたでしょうか。街を歩いていても緊張感がまったくありません。
新宿の歌舞伎町のほうがまだ構えて歩いているような気がします。初々しさというものは持ち続けることができないから美しいのかもしれません。
台北はわたしにとって特別な場所です。台湾そのものが特別なのですが、台北と北京は日本の他のどの街よりも訪れている場所ですので、台湾に対する感情とは別の部分で居心地の良さがあります。
ただ、台北は東京と同じように大都市ですので知らない場所がいっぱいあります。むしろ知っている場所のほうが少ないくらいで。いざ美味しいものを食べに行こうと思ってもそれほどたくさんの選択肢はありません。
北京は持ち札がそこそこあります。1週間近い滞在を何度もしているからかもしれません。台北はいつもさっと行ってさっと帰る場所になっているので、あまり深いところまでは入っていません。
今回は9日間の滞在のうち、1日は新竹に行き、3日は花蓮にいます。5日間は台北にいますので、これまで見ていないあれこれを知ることができそうでワクワクしています。
昨夜も普段は絶対に入らないローカルな牛排(ステーキ)のお店に入りました。ステーキライスセットが130台湾ドル。500円以下という値段です。ビールをつけたので700円くらいになりましたが。
味は可もなく不可もなくでしたが、普段入ることのないタイプのお店だったのがちょっと楽しく、台北に住むことになったらこういう食事をするんだろうなと思ったり。
初めて台湾に来たときはツアーだったので、右も左も分からないまま帰国でした。すべてツアーの車で動きますので、土地勘はまったくありませんでしたし、地元の人たちの懐に入ることはありませんでした。
でも、いつの間にか台湾の人との間にある壁のようなものが消えていました。
語学力は決して十分ではありませんし、台湾の人に助けられているだけですが、それでも以前のように壁を作ることもありませんし、自然体でいい距離感を保てているように感じています。
これを表現するのは難しいのですが、当たり前のように台湾の人たちがいる空間に自分の身を置いている状態といえばいいでしょうか。
人は誰もが、知らない土地に身をおいたり、知らない人に囲まれたときには身構えてしまいます。目に見えないバリアを張ろうとしてしまいます。
台北で、わたしはバリアを張ることはもうありません。虚勢を張らずに自然体でいられる。ここにいるとわたしは何者でもない自分でいられます。
日本でももちろん何者でもないのですが、日本国内にいるときのわたしは、どこか自意識過剰な状態になっています。いい人でいようと無理をしています。
台北にいるときには、そういう気負いは一切ありません。こうやってブログを書いているときだけは、いつもの自分に戻ってしまいますが。
こういう場所をいくつ持てるのか。別に海外である必要はありませんが、素の自分になれる場所があるかどうか、それも複数あるというのは確実に人生においてはプラスに作用します。
逃げ場というわけではありませんが、窮屈な日常から抜け出せる場所を持っていれば気持ちに余裕が生まれます。必要以上に踏ん張ることもなくなります。
そして、本当に危ないなと思ったときには、その場所に行けばいいんです。深くて心地の良い呼吸ができるその場所に。
そんな場所が思いつかないなら、作ればいいだけのことです。わたしも北京や台北に出会うまでにはかなりの時間がかかりました。キューバにタイに行って、自分にとっての特別な場所を探し求めました。
そして、ようやく2つの街に自分の居場所を見つけることができました。
運も良かったとは思いますが、諦めず探し続けたからだと思います。自分にとって特別な地が必ずあると信じていたらかこそ見つかったのでしょう。
信じるものは救われるなんてことを口にするほど青臭くはありませんが、信じないものに道はないのも事実です。古今東西、諦めたたことで勝者になった人は1人もいませんから。
今日の一枚
台湾にて ゲストハウスのリビングでお菓子を食べながらお仕事中
著者:台湾大好き編集部
楽天ブックス:台湾の朝ごはんが恋しくて おいしい朝食スポット20と、簡単ウマい!思い出再現レシピ [ 台湾大好き編集部 ]
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