日大のアメフト問題を面白がるのは無粋ではないだろうか

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日大と関学のアメフトの試合による問題が大きくなり、自殺者でも出るんじゃないかと思うくらいマスコミを含めて熱くなりすぎているように感じます。

誰が悪いとか犯人探しをするのも結構ですが、あまり関わりのない人はさっさと引き際を見極めて離れていたほうが賢明かと思います。もちろん、あってはならないことなのでしょうが、あってはならないことは世の中でいくらでも起きています。

わたしたち人間は、いつだって被害者になる可能性があり、同じくらい加害者になる可能性があります。ここまでの人生で、1度もいじめに加担したことのないといい切れる人はどれくらいいるのでしょう。

悪いことをすれば罰される。

これは当然のことかもしれませんが、罰するのはわたしたちの役割ではありません。しっかりとしかるべき組織が罰を与え、「違反をすると大変なことになる」とアナウンスすれば済むだけのことです。

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そもそもわたしはスポーツを神聖化する考え方があまり好きではありません。スポーツマンシップというのもいまいち理解できませんし、それをスポーツだけに求めるのもどうかと思います。

正々堂々と戦うのがスポーツの魅力であるのが確かですが、騙し合いという駆け引きもスポーツに深みを与えてくれます。球技のような相手のあるスポーツをしてきた人たちは、この駆け引きの面白さをよく知っています。

サッカーにはマリーシアという言葉があります。ずる賢さや狡猾さというように表現されることもありますが、マリーシアのないサッカーに魅力はありません。相手を油断させるために89分間さぼって、残りの1分で点を決める。

正々堂々とは程遠い戦い方ですが、弱者が勝者になるためにはそういう駆け引きは絶対に必要です。

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弱者が勝者になるために、相手を不用意に傷つけていいかというと、それに関しては全力で否定します。どんな競技でも、そこまでして勝たなければいけない理由はどこにもありませんし、負けることも含めてスポーツです。

スポーツでも人生でも勝つことが目的になるとおかしなことになります。試合は試し合いであり、日頃の鍛錬の成果をぶつけ合う場でしかありません。ですから勝負は時の運とも言うわけです。

勝っても負けても恨みっこなし。

ところが現実問題として、現代スポーツは勝つことだけが目的になっています。これは日大でも関学でも、レアル・マドリーでもバルセロナでも同じです。勝たないとビジネス的に失敗するためです。

勝たないと監督は失業しますし(W杯出場を決めても解雇する国もあるようですが)、選手も給料が減り自分の価値を下げてしまいます。その基準がお金にあることで勝利至上主義になります。

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プロの競技者やそこを目指す人は、何があっても勝たなくてはいけませんし、その気持が強い人でないとプロではやっていけません。観客はその思いの強さがぶつかり合うことにも熱狂します。

そういう世界に「正々堂々」や「フェア」という言葉を持ち込むこと時代がナンセンスだと、わたしは考えています。清く正しく美しいだけではスポーツで魅せることはできません。

もちろん、多くの選手はルールの範囲内で相手の裏をつくことをしているわけですが、勝つためなら、そのルールを超えたところで駆け引きをすることだってあります。だから退場というルールがあるわけです。

常日頃から、そういう駆け引きをしている人に「清く正しくあれ」と望むのは無理があります。

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しかもそれを望む人たちが、そもそも清くも正しくもないわけです(自分はいつも清く正しい人間だという人がいれば謝ります)。正義っていうのはいったいどこにあるのでしょう。

人にだけ自分の理想を押し付けるのは美しくありません。

今回のアメフト問題も含め、良くないことをした人を叩くなとはいいませんが、我がふり直すくらいにしておいたほうがいいと思います。自分に関係のないところで良くない行為をした人を叩いたって、自分の価値はほんの少しも上がりません。

当事者同士は納得いくまでやりあえばいいと思いますが、それを周りが面白がるのは無粋というものです。


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著者:野村 克也
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