マラソン大会のオンライン開催は参加する意味があるのだろうか

マラソン大会のオンライン開催は参加する意味があるのだろうか

金沢マラソンや山形まるごとマラソン、札幌マラソンなどのマラソン大会がオンライン開催を発表しています。スポンサーから銘菓などの参加賞がもらえるということなのですが、個人的にはどうも受け入れがたい気持ちになり、マラソン大会のオンライン開催にはあまり乗り気ではありません。

オンラインマラソンを否定しているわけではありません。オンラインマラソンはこれからのマラソン大会の形として、おそらく定着していくはずです。でもそれをリアル大会の代替で行う必要があるのでしょうか?もしかしたらわたしが見落としている魅力がどこかにあるのかもしれませんので、いろいろ検証してみます。

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オンラインマラソンの魅力はどこにあるのか

オンラインマラソンには否定的ではありませんが、例えばわたしが新潟シティマラソンのオンラインマラソンにエントリーするとして、何を楽しみにすればいいのでしょう?まずマラソン大会の醍醐味である「旅」がすっぽりと抜け落ちます。

新潟の美味しい食べ物をいただくことができません。代々木公園を走って、表参道の新潟館ネスパスで食事をしたり、お土産を買い込んで……いやさすがにそれはむなしさしかありません。ラン仲間でイベント的にやるというのならありですが。

もちろん新潟の人たちの声援を受けることができません。もっとも新潟シティマラソンが開催されても、ガイドラインによって沿道の応援が禁止されているので、声援を受けて走ることはできません。そうなると自己ベスト更新くらいしか魅力がありません。

でも、オンライン開催の記録は当然公式な記録にはなりません。公認ではないというレベルではなく誤差のあるGPSを使っての計測ですから、3時間以内に走りきったところで、「サブ3を達成した」と言っていいのか。どう考えるかは人それぞれですが、わたしは否。

参加賞がもらえるとしても参加費が2,000円程度。それを高いとは思いませんが、もっと別の使い方があるだろうとは思います。

予算があるから開催しているだけではないだろうか

こんなにも参加者がメリットを感じられないマラソン大会のオンライン開催ですが、そんなことは大会事務局も当然わかっているわけです。素人が主催しているわけではないので。そう考えると、開催しなくてはいけない事情があるわけです。

  • 陸連から開催要請があった
  • 予算を計上したから何かしなくてはいけない

足りない頭で思いつくのはこれくらいでしょう。ランニングブームが下火になるのを避けるために、どんな形であれマラソン大会を開催したい。陸連がそういう思いを持っている可能性はあります。開催してみれば、そこに希望の光が見つかるかもしれませんので。

ただ基本は予算が余っているだけなのでしょう。新型コロナウイルスの感染拡大が問題視され始めたのが2月末。東京マラソンの開催で揉めていたくらいですから、当然自治体の予算は組んでいるわけです。じゃあその予算はなんとかして消化したいといったところではと邪推。

実際にどうなのかはわかりませんが、当たらずとも遠からずといったところではないでしょうか。もしかしたら両方なのかもしれません。もちろんどちらも関係なく募集するのかもしれませんが、大会事務局に収益があるわけでもないのに、地域の経済が回るわけでもないのに開催する理由がどこにあるのか。

アールビーズやウェルネスなどの運営会社にお金を払っていて、「払った分は働け」か「返金はできないからオンラインでさせて」となった可能性もあります。いずれにしてもランナー目線ではありません。

繰り返しますがオンラインマラソンには否定的ではありません。でもマラソン大会のオンライン開催には大義を感じません。

山野之義 金沢市長の言葉
「金沢・石川県民だけではなくて、全国から、もっと言えば世界から参加していただいていますので、そういう方たちにも第6回金沢マラソンを堪能していただきたい。そんな思いからみんな来なくてもそれぞれの地域で金沢マラソンを参加出来ますよと言う思いでオンラインマラソンを企画しました」

それぞれの地域で金沢マラソンってまったく意味がわかりません。

マラソン大会のオンライン開催で損をすることはない

かなりケチを付けた感じになりましたが、「おそらく」このマラソン大会のオンライン開催では参加費以上の参加賞が送られてくるか、参加費相当の参加賞がもらえて、さらに抽選で何かが当たるというスタイルになるはずです。

そうでなければエントリーするメリットがありませんから。サンスポマラソンチャレンジオンラインなら1,500円で走り放題です。しかも1,300円相当のアームポーチ付きで。

何がもらえるのかはわかりませんが、損をするようなことはないかと思います。そういう意味ではエントリーする価値はあります。その参加賞が欲しいかどうかにもよりますが。定員に対してどれくらいのエントリーがあるのか気になります。

地酒や果物とか地元の人たちを支援できる参加賞を選べるんだったらいいのになと思いながら、それならふるさと納税でいいのかとも思ったり。いや非課税世帯なのでふるさと納税もできないんですけどね(多分来年は課税世帯に戻れますが)。

もしオンライン開催をするなら、気持ちが動くような大義を提示してもらいたいところです。心が揺らぐような説明があるなら、むしろ積極的にオンライン参加をしようかなと。大義がなくてもレポート記事のために1つくらいエントリーするかもしれませんけどね。

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