7月の1kmタイムトライアルをしてきました。3分35秒で前回よりは5秒程度縮まっていますが、まだまだ本調子には遠いようです。1kmのタイムトライアルは自分の調子を把握するのに便利で、毎月1回のペースで行っており、シューズレビューなどでも利用します。
1kmをどれだけ速く走れてもフルマラソンには関係ないと思う人もいるかもしれませんが、速く走れることに越したことはありません。ポイント練習よりも疲労も溜まらないので練習メニューが崩れることもありませんし。
1kmを走りきれないのに42.195kmを走り切ることはできない
1kmはわたしが全力で走れば4分以内に終わります。かなり短い距離のランニングですが、この1kmを上手に走り切るというのは意外と難しく、慣れていない人は大抵、オーバーペースで入って後半にダレてしまいます。わたしもときどきやってしまいます。
今回は無理に飛ばさないように意識しましたが、正直少し意識しすぎたような気もします。あと数秒削れたくらい余力が残っていました。1kmでオールアウトするのは意外と大変です。でも1kmですら自分をコントロールできないランナーに、42.195kmのコントロールはできないと思っています。
他の人は知りませんが、少なくとも自分の方針として。
フルマラソンはメンタルのスポーツです。42.195kmという距離でオーバーペースにならないように抑えつつ、疲労が溜まってきたときに「まだ走れる」と自分を鼓舞してペースを維持する。わかいうちはこれがなかなか難しいもので、いつだってランナーは「今日は調子いい」に騙されます。
でも「今日は調子いい」と感じていつも以上のペースで飛び出し、最後まで走り抜いたランナーをわたしは知りません。調子が良くても練習してきたもの以上が出ないのがマラソンです。「運良く」がないのがマラソンの面白さでもあります。
だから42.195kmを走り切るために、まず1kmで自分をコントロールする。タイムトライアルを定期的に行うのは、そんな思いもあります。
1kmのタイムトライアルは言い訳ができないのでこわい
正直に言えば、1kmのタイムトライアル前はかなり憂鬱な気分になります。やるかやらないかを選べるなら、できるだけやりたくありません。でもやるかやらないかではなく必要だからやっているので、嫌でもやるしかありません。
何が嫌なのかというと、走ってみたらとんでもなくタイムが悪いなんてことがあるわけです。前回、前々回のタイムがそうでした。3分40秒台もかかるなんて、ここ数年ではまったくなかったことです。もちろん練習量も減っていますので、当然の結果なのですが。
しかもこれくらいの失速ならまだいいんです。走り出すまでは「途中で足が止まったらどうしよう」なんて不安になります。走り出してからも、500mくらいまで走らないと恐怖心から逃れることができません。むしろその恐怖心から逃げるために走っているような鬼気迫った感じになります。
走り終わったときには爽快感がありますし、タイムが極端に悪いなんてこともないので、そこまでは凹みません。むしろ無事に終わった安堵感があります。面白いもので、息が整うと「もう1本やりたいな」となりますが、もちろんやりません。
40代で1kmを速く走るには総合力は必要
若いランナーはわからないかもしれませんが、ランナーも40代以上になると、顕著にスピードが出なくなります。わたしもサブ3.5が出せなくてもがいていた時期もありました。そういうときはもちろん1kmでもタイムが出ません。
理由は簡単です。スピードを出すための筋力が足りていないから。30代までは筋トレなんてしなくても、走っていれば必要な筋肉がついてきました。でも40代になると走っているだけでは筋力が低下していきます。それが人間ってやつです。
だからシンプルに筋トレをしなくてはいけません。面倒だと思っても定期的にスクワットをしなくてはいけませんし、ジャンプトレーニングもしますし、縄跳びだって必要です。若い頃よりもしっかりと筋肉をいじめて、パワーを取り戻す。
でも、これだけでタイムが縮まないのが1kmのタイムトライアルの難しいところ。仮に筋トレだけをしていたのであれば、最初の200mくらいで潰れてしまいます。パワーがあるのでスピードが出るけど、それに心肺機能がついてきません。
というわけで、先月からHIITをジョグの合間に入れたわけですが、その結果が前回からのタイム短縮につながっています。体は分かりやすくていいですね。正しく鍛えれば、正しく反応してくれます。練習をサボればあっという間に走れなくなる。
そして1kmのタイムトライアルは、それを隠すことなく提示してきます。あぁがんばろう。
昨日の自分を超えることだけが目標
マラソン大会もなくなり、サブ3を狙うというモチベーションも消え去ったわけですが、こういうときでも1kmのタイムトライアルだけは「前回よりも良い結果を出したい」と思えます。いや「前回よりも悪かったらどうしよう」という恐怖感が正解かもしれません。
5kmくらいになると、そこまで思い詰めることはありません。走れない日があってもいいじゃないかと気楽に挑めます。緊張感がないんですよね、5kmのタイムトライアルは。それがいいことなのか悪いことなのかはわかりませんが、やはりわたしは自分を超えていきたい。
それは速く走りたいという思いとは少し違って、以前よりも上手に走れるようになりたいだけです。筋力も心肺機能もそうですが、それは心技体の「体」の部分であり、わたしが追求しているのは「技」の部分です。走る技術をより高めたいなと常々思っています。
1kmくらいの距離になると技術の高さもタイムに影響します。この技術の部分が陸上経験者と比べると劣っているのはわかっていますし、弱点でありながらも伸び代だとも思っています。まだ誰も開いたことのない扉も残されているように思っています。
というわけで1kmタイムトライアルの魅力と自分の目指すところについて好きなように書きましたが、人にはそれぞれ向き不向きがあります。ただ食わず嫌いはよろしくないので、自分でやったことのない人はぜひ楽してみてください。