炎天下のランニングでの塩分不足をもっと真剣に考えるべき

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以前「ランナーは自分たちが思っている以上に塩分が足りていない」という記事を書きましたが、ちょっと優しく書きすぎたのではないかと思い、再度記事にします。

この土日に東海道五十七次ウルトラマラニックのサポートをしてきましたが、熱中症もしくは熱中症に近い状態でリタイアした人が想像以上に多くいました。

気温が30度以上に上がる中での40km前後のランニングとウォーキング。

自分の主催イベントではないため、できることがあまりにも限られていましたが、わたしはうるさいと思われてもいいからと、「水分と塩分補給だけは気をつけて」と伝えましたが、あまり効果もないほどの気温上昇。

特に朝晩が少し肌寒いほどの気温で、寒暖差が高い状態でしたので、体が順応しきれずに気がつけば水分不足、塩分不足になっている人が大勢いました。

強く警告しますが、水分不足と塩分不足は命の危険に直結します。

ランナーはもう少し、いや夏に関しては最優先事項として「どうやって体内の水分と塩分を補給するか」について考える必要があります。

自分の発汗量を把握する

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まずわたしたちは、自分の発汗量を把握してなくていけません。

どのような気温でどのような負荷のとき、1時間あたりのどれくらい発汗するのかを把握してください。

やり方は簡単です。30℃の気温の中走る予定がある人は、その気温のときに1時間想定のスピードで走ってください。そのランニング前とランニング後の体重の変化を測ってください。

途中に給水をした場合は、その分も差し引くようにしてください。

体重が60kgの人が30℃気温の中を1時間走った結果、体重が59.5kgになったとします。そのときの給水量が500mlだとすると、純粋に汗で1kg減ったことになります。

これは人それぞれですし、ラニング強度と気温によっても違います。

ただし自分が1時間走った結果、どれぐらいの汗をかいているのかを知っておく必要があります。

発汗量から汗によって失われた塩分量を計算する

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汗の塩分濃度は0.3〜0.9%と言われています。0.3なのか0.9なのかでまったく話が変わってきますが、これは汗の種類によっても違いますが、舐めてしょっぱい汗はかなり塩分濃度が高い汗ということになります。

仮に0.3%だったとして1kg(1000ml)分の汗には3gの塩分が含まれています。

いろいろ考え方はありますが、単純に考えてください。

1時間のランニングで1kgの体重減があった場合、1kgの汗をかき3〜9gの塩分が体から失われていきます。

たった3〜9gと思いますか?

WHOは1日の塩分摂取量は5g以下にすることを推奨しています。

1リットルの汗をかいただけで、理想な一日の塩分量を失っています。炎天下で何時間も走る場合はどうでしょう。トータルで3リットル汗をかいたら、9〜27gの塩分不足です。

1gの塩分を取るためには何をどれだけ食べる必要があるか

ランナーの塩分不足を補うために「塩タブレット」という商品があります。

有名なものでミドリ安全の「塩熱サプリ」がありますがこのタブレット100gに含まれるナトリウムは2.75gで食塩で換算すると7g相当になります。

「塩熱サプリ」を100g補給すれば1時間で失う塩分はそこそこバランスよく補給できそうです。

ただし「塩熱サプリ」は24粒で30gしか入っていません。100gとするなら80粒食べる必要があります。ちょっと現実的ではありません。他の塩タブレットも似たようなものです。

辛口の塩鮭1切れ(80g):5.1g
インスタントラーメン:5〜6g
梅干し中1個:2.9g
牛丼:3〜4g
ポテトチップス(50g): 0.5g

1時間走って失った塩分を補給するのにカップラーメンを1袋食べる必要があります。こうやって考えると梅干しはかなり重要な補給食であることが分かります。

とにかくはっきりしているのは、ランニングで失った塩分を塩タブレットで補給することはほぼ不可能だということ。

そして高温下で何時間も走る場合は、1時間に1度は積極的な塩分補給が必要になります。

塩分が不足するとどうなるのか

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汗によって体内の塩分が減ると、体は体内の塩分濃度を保とうとして体内の水分を減らそうとします。水を補給しても補給してもそれは体内の塩分濃度を下げることになり、せっかく吸収した水分は汗となって流れていきます。

それだけならともかく、そもそも体に蓄えられていた水分も減りますので、血液の量などにも影響することがあります。血液が減るとどうなるのか、血圧が下がり脳や手足の末端まで血がまわらなくなり、手足のしびれやめまいにつながります。

塩分不足と足の攣りに関しては諸説ありますが、一般的に塩分不足によって足が痙攣しやすくなるとは言われています。これは多くのランナーがなんとなく感じていることではないでしょうか。

体内の塩分が急激に低下すると「昏睡状態」になることもあります。

2013年の熱中症による死亡数は1077人だそうです。そのほとんどが高齢者なのでランナーは関係ないと思うかもしれませんが、7〜18歳までの若者が熱中症で死亡する場合の40%は運動中です。

高温下でのランニングは命の危険があるということを認識してください。

ここに「自分だけは大丈夫」はありません。

どうしても高温下でのランニングをしなくてはいけないとき

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それでも大会にエントリーしているようなとき、仲間内でランニング企画を行うようなときはどうするか。

まずは自分が1時間にどれだけの汗をかくのかを確認して、どれだけの塩分が不足しているかを推定してください。

そしてそれだけの塩分と水分を補給すること。

塩タブレットなどは「緊急時」の補給用、もしくはお守り的な役割しか果たせません。

あくまでも参考でしかありませんが、1時間に中ぐらいの梅干しを1個食べる。エネルギー面も考えると梅おにぎりを1個食べるぐらいが「最低ライン」だと考えてください。

高温下でのランニングで「なんとかなるか」は絶対にNGです。

手足がしびれたりめまいを感じたら、どんな重要なレースでも、塩分補強できるまで歩くかリタイアを考えてください。

高温下のランニングは自殺行為です。

わたしもランナーなので「絶対にやめるべき」なんてことは言いません。ただ走るからには体のこと、体の仕組みをしっかりと考え、自分の体のことを把握することが大前提です。

ランニングによる塩分不足を軽く考えないでください。むしろ最優先事項として考え自分の命は自分で守ってください。

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