湘南国際マラソンの歩んだ道とさいたま国際マラソンが歩む道

湘南国際マラソンの歩んだ道とさいたま国際マラソンが歩む道

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昨日は神奈川県で湘南国際マラソンが開催されました。今年で11回目の開催ですが、1年に2回開催した年があるため、今回で10年目になります。

ここに来るまで紆余曲折がありました。第1回は江ノ島スタートにしたところ、江ノ島から陸地に繋がる橋がキャパオーバーになり、2回目以降は大磯ロングビーチがスタート会場に。

西湘バイパスの崩落が合った年は距離を短くしての開催でした。

マラソンブームの先駆けでしたので、始まったばかりのころはまだ、いまのようにいたれりつくせりではありません。参加者は大磯ロングビーチまで前日受付をしに行っていましたし、大磯駅や二宮駅から歩いて会場まで向かっていました。

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EXPOもない会場に数キロ歩いて前日受付に行く無意味さ。そういうことが10年近く前はあたり前に行われていました。いまではゼッケンは事前送付ですし、大磯駅からも二宮駅からもシャトルバスが出ています。

毎年エントリー合戦になる湘南国際マラソンもそういうダメなところから始まっていまり、10年という歳月が湘南国際マラソンを成熟させていきました。

とはいえ湘南国際マラソンは決して評価の高い大会ではありません。むしろ評価は低いほうから数えたほうがいい大会です。これは湘南国際マラソンの運営会社がWellnessだということに関係します。

Wellnessは基本的に受益者負担をスタンスとしている大会で、赤字になることをとても嫌う運営会社でもあります。そのため、湘南国際マラソンでは極力無駄を省いています。

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驚くべきはスタートゲートです。

非常に簡素で、とても1万9千人も参加するマラソン大会のスタートゲートとは思えません。でもAブロックのランナーともかく、後方のランナーはスタートゲートなんて正直どうでもいいはずです。並んでいるのはずっと後ろになるわけですから。

でもゲートを簡素にしただけでなく、にぎやかなゲストを用意しているところが湘南国際マラソン、Wellnessらしさになります。ずっとWellnessつながりのある千葉真子さんや、24時間テレビで24時間マラソンを走った「誰もが知る」ゲストを用意しています。

豪華なスタートゲートではなく、記憶に残るゲストに力を入れています。

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ゲートが豪華にしない理由がもうひとつあります。湘南国際マラソンは1本道のレースですのでフルマラソンと10kmを同じスタートラインに出来ません。このため10km用のゲート別に用意しなくてはいけません。2つのゲートが必要になるため、どちらもシンプルでお金の掛からないものになっています。

じゃあ完全にケチケチしているかというと、フィニッシュゲートはかなり大掛かりなものになっています。ここは記憶に残る場所ですので、豪華にしています。メリハリをしっかりしているところが、11回目の大会らしさといったところでしょうか。

コースが一本道ですので、警備員をかなり減らしているというのも湘南国際マラソンの特徴です。さいたま国際マラソンではコースのいたる所に警備員が立っていました。

さいたま国際マラソンは国際レースですので、警備を厳重にする必要があったということは理解できますが、あれだけの人を雇うとなるとかなりの出費になるはずです。

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湘南国際マラソンはかつては「エイドに大したものがない大会」と言われていましたが、それもすでに改善しています。レースの終盤ですが、湘南の名産品を食べることができるエイドを用意しています。

その直前に関門を設置しているのがWellnessらしいなと思うのですが、そこに届かなかった人は「来年こそは」の思いが高まることになります。

湘南国際マラソンは評価が高くない大会ですが、あちこちに「また出たい」という思わせる仕組みが仕掛けられています。このため、評価が低いのにすぐに埋まってしまう大会になっています。

同じように評価が低い大会にさいたま国際マラソンがあります。まだ2回の開催なので、まだまだこれから成長する大会ということになるのですが、後発の大会ということで非常にシビアな目で見られています。

もしさいたま国際マラソンが湘南国際マラソンと同じ10年前に開催だったとすれば、今の状態ほど厳しい評価にはなっていなかったはずです。10年前はマラソン大会に多くを望むランナーが、まだそれほどにいませんでした。

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エイドには水とスポーツドリンク。そしてバナナがあればそれで十分。他に必要なものがある場合は自分で持って走るのがあたり前だったのが、この10年でマラソン大会は大きく様変わりしました。

ところがさいたま国際マラソンは10年前のスタイルで開催してしまったことで、低い評価の大会になってしまったのです。後発ですから当然といえば当然ですが、最初から完成されたものを望まれていますから大変です。

しかも女子の国際レースを同時開催しなくてはいけないからさらに大変です。

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「女子のレースをなくせ」というような声もありますが、さいたま国際マラソンは女子のレースをなくすわけにはいきません。なぜなら、さいたま国際マラソンは女子のレースを開催するためのマラソン大会だからです。

横浜国際女子マラソンが赤字で継続できなくなったのを引き受けたのがさいたま国際マラソンなのです。おそらく複数年の開催の確約くらいは陸連に対してしているはずです。

そしてさいたま国際マラソンの女子の部の赤字をなんとかすべく、考えられたのが市民マラソンの同時開催ですので、女子の選考レースがなくなって、市民マラソンだけの大会に移行するのは容易ではないことが考えれます。

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さいたま国際マラソンも今のマイナスな状況に耐えて、少しずつ改善をしていけば10年目には人気の大会になれる可能性はあります。それだけのポテンシャルのある大会です。

ただ、望まれているのは完璧な運営ですので、そのプレッシャーに耐え続けることができるのか。それによってさいたま国際マラソンの未来は変わってきます。

湘南国際マラソンのように評価は高くなくてもリピーターが多く、即日で埋まってしまう大会になれるのか、それともプレッシャーに負けて、開催を諦めてしまうのか。できることなら耐えに耐えて10年後にビジョンを置いて開催を続けてもらいたいところですが、さてどうなるでしょう。

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おそらく湘南国際マラソンは今年も厳しい評価がついてしまうかもしれません。でも参加者の姿を見ている限りは、決して低評価になるような大会ではありません。RUNNETの評価システムに合わないだけなのでしょう。

たくさんのトイレを設置することもありませんし、駅から会場までが近くなるわけでもありません。それでも間違いなく来年のエントリー日は、今年以上のクリック合戦が予想されます。

問題は来年以降に同じくWellnessが運営する横浜マラソンが10月にやってくることくらいですが、横浜マラソンも来年は大きく変わる年になります。それこそ低評価を覆す覚悟で開催されるはずですので、どんな大会になるのか楽しみです。

さいたま国際マラソン、横浜マラソンが人気の大会になるために湘南国際マラソンの歩んできた道を同じように進めるのか、それとも独自の道で人気を高めていくのか。はたまた消えてなくなってしまうのか。どんな未来が待っているのでしょう。


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