裸足ランニングはシューズを脱げばいいというわけではない

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24時間を裸足で走り終えて、少し落ち着いたところで感じたことは、やっぱり裸足で走るのは楽しいし、体がきちんと整うということです。

わたしの理屈では、正しいフォームで無理なく走れば人間はどんどん健康になっていきます。それはシューズを履いていても同じなのですが、シューズを履いて正しいフォームというのはなかなか難しいところです。

特に日本人がよく履く、アディダス、ナイキ、アシックスなどの大手メーカーで作られたシューズでは、走れば走るほど体に必要以上の負荷がかかっているような気がします。

それらのメーカーのシューズは、基本的に速く走るために作られていますので、走りながら体を整えるというようなコンセプトにはならないので、仕方ないところです。きっと誰もそんなシューズを望んでいませんし。

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裸足で走って体が整うと感じたのは、24時間マラソンの翌々日に行ったピラティスでした。

以前はひと月に2回くらいはレッスンを受けていたのですが、独立してからは毎月1回、国府津のお寺でピラティスを受講しています。動きを習うというよりは、自分の体の状態を確認するためです。

わたしの走り方は体幹をとても重視していますので、走っているだけでインナーマッスルが鍛えられます。マラソンで疲れる箇所は腹筋と背筋です。そして腹筋と背筋がわたしの走りの生命線です。

その腹筋と背筋を作ったのはピラティスですが、いまはピラティスをしなくても、必要なインナーマッスルは走るだけで十分に整います。だから毎月1回は自分の体チェックのために通っています。

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24時間マラソン後のピラティスは、とても体に柔軟性があり、なおかつ無駄な力をほとんど入れずに、体のバランスを取ることができました。これまでもそれは意識していましたが、今回は初めて本当の意味での力の抜き方に気づけたような気がします。

これは裸足で走るときの感覚にも似ています。24時間マラソン翌日のレポートにも書きましたが、無拍子で走れば荒れたアスファルトの上を裸足で走っても、ほとんど痛みを感じません。

ただし、無拍子で走ろうと思えば思うほど、そのフォームで走るのは難しいという難点があります。

マラソンで速く走ろうとするときに、必死になって力を入れて走っても速く走れないように、最大限のリラックスした状態の中で、ランナーは速く走ることができます。

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ちゃんと走ろう、速く走ろうという思いが強ければ強いほど、焦りになり動きにロスが発生します。

これはシューズを履いていても、裸足で走っていても変わりません。100%のフルスイングがホームランに繋がるのではなく、リラックスして振り抜いてボールを芯に当てるほうがホームランになるのと同じです。

リラックスして走ればいいと言うと、完全に脱力してダラダラ走る人がいますが、もちろんリラックスと脱力は違います。本当の意味でのリラックスをするには、体幹がしっかりしている必要があり、リラックスしてもブレない軸が必要です。

そして、そのためにはやはり裸足で、しっかりと地面を掴んでいなくてはいけません。

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シューズというのは、足の下に緩衝材を敷いているようなものです。それはワラーチでも同じです。この緩衝材があると、軸をまっすぐに立てることはまず不可能です。

体の軸が少しブレたときに、裸足であればすぐに修正できますが、シューズがあることで瞬時に正しい位置に戻すことができません。

勘違いしないでほしいのですが、だからシューズが悪いとわたしは言いたいのではなく、裸足はそれだけのポテンシャルがあり、走れば走るほど体を整えることができるのだとお伝えしたいだけです。

実際に、24時間を裸足で走ってわたしの体にはどこにも異変がないどころか、明らかにバランスが改善されています。

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じゃあすぐにシューズを脱ぎ去って、裸足で走れば健康になれるかというと、決してそういうわけではありません。物事にはすべて順番というものがあります。

裸足ランニングを習うときに、いきなり「あるべき姿」としての完成したフォームを習います。裸足とはこうやって走るものだということを習うわけですが、これまでと違う動きをするため、使う筋肉も違います。

その結果、正しくフォームを習得できなかったり、ケガをするという人も出てきます。

ですから、わたしが「裸足は体を整えることができるからおすすめ」と言ったところで、それを安易に真似るのは危険です。だからわたしは裸足ランニングを誰かに勧めたことはほとんどありません。

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靴を脱げばいい。

裸足ランニングはそんな簡単なことではありません。でも実際には靴を脱げばいいというだけのことでもあります。なんだか禅問答のようですが。

健康な体を手に入れたければ、靴を脱いで走ればいい。それだけです。ただし、靴を脱いで「正しく」走る必要があります。わたしは自分なりの正しい走り方にたどり着くのに5年以上かかっています。しかもいまだに模索中。

その「正しく」というのをどうやって伝えればいいのか。わたしの悩みはそこにあります。

無責任に、シューズを脱げばいいとは言えません。かといって、シューズでケガをする人をそのまま放置するというのも、わたしの立ち位置的にも違うような気がします。

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もっとも、裸足ランニングもジョグでちょろちょろ走っているくらいなら、やっぱりシューズを脱げばいいだけです。でもその先の裸足のメリットを手にするには、段階を踏んで正しい走り方を身に着けなくてはいけません。

しかも正しい走り方というのも裸足ランニングのスタイルによって違います。わたしの正しい走り方は裸足ランニングクラブではおそらく間違った走り方に位置づけされます。

逆に裸足ランニングクラブで教えている走り方で、わたしは走ろうとは思いません。目指すところも、違いますし走りの理論も違います。同じ裸足ランニングでもまったく違ったスタイルがあります。

そしてこれからさらに新しいスタイルが増えていくはずです。

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重要なことは、そのスタイルを表面的に真似ただけでは、裸足の本当の効果が得られにくいということを知ってもらいたいということです。そのうえで自分のスタイルを築いていってもらいたい。

裸足で走りさえすれば故障から解放され、走るだけで体が整う。そんなうまい話はありません。


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著者:アレックス・ハッチンソン
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