ランニングシューズのクッション性で足を守ろうなんて考えるべきじゃない

ランニングシューズは猫も杓子も厚底。もはや厚底でないランニングシューズを探すのが難しいほどで、この3年間でランニングの世界がずいぶんと変わりました。私も厚底シューズを履きますし、ここ数日はソール厚50mmのADIZERO PRIME X 2 STRUNGばかり履いています。

でも、厚底シューズが好きかというとそうでもなく、むしろ私の原点はどこまでいっても裸足です。ちゃんと自分の足で地面を掴み、自分の体で推進力を生み出して走りたい。いまランニングシューズを履いているのは、宿の仕事をしている関係と、あとは走力が落ちているから。

裸足で走れるだけの走力がないので、まずは走れる体を取り戻すためにシューズを履いて走っています。シューズを履くのが嫌なわけではありません。シューズは個性がありとても楽しいアイテムです。でも走りがどうしても雑になります。

裸足で走る場合には、雑に走るとあっという間に足裏を消耗してしまいます。しっかりと膝をクッションにして衝撃を逃がすようにする必要があり、足裏で地面を感じることも大切です。それでいて体の反動も意識して1歩1歩前へ進みます。

ところがランニングシューズを履けば、シューズのクッション性が着地時の衝撃を受けてくれます。雑な着地をしても、足裏全体で地面を掴めるようなシューズ形状にもなっています。雑に走っても足裏が痛くなることもありません。

でも衝撃の逃し方が自分と相性が悪いと、膝を捻ってしまうことになり膝を痛めてしまいます。じゃあ自分と相性がいいシューズならいいのかというとそうでもなく、シューズは履き続けると必ず偏りが出てきます。購入したときの状態をいつまでも維持できるわけでなく、変形した状態で走ることになるのでいずれ合わなくなります。

だから衝撃はすべて自分の膝で逃したり、推進力に変えたりします。他の人は知りません。少なくとも私はそうしています。そうしているというよりは、裸足で24時間マラソンとか走り続けた結果、そういう走り方になっています。

裸足ランニングでの着地衝撃を計測してもらったことがあるのですが、私の場合は裸足で走っているときの衝撃と歩いているときの衝撃がほとんど変わりませんでした。他の裸足ランナーはそうではなかったので、裸足になったから膝を使って衝撃を逃がせるというわけではなさそうです。

ただ膝で衝撃を逃がすことができれば、ランニングシューズにかかる負担を小さくできます。足は置いてくるだけという状態にできるので、ソールの減りも少なくなります。実際に私はワークマンの980円シューズで1000km以上走っても、まだソールに余裕がある状態でした。

シューズは確かに足を守ってくれます。足を守るために存在するアイテムです。シューズメーカーも着地の衝撃をいかにして弱くするか、推進力に帰るかを考えて設計しています。それでもシューズで足を守ろうなんて考えるべきじゃないと私は思います。

人間の体に衝撃を吸収するメカニズムがあるのに、それを使わないのは宝の持ち腐れ。では、どうすれば膝を使って衝撃を逃がせるのかというと、これを説明するのはかなり難しいというか、現時点では「衝撃を逃がせばいいんだよ」という乱暴な答えしか言えません。

ただ覚えておいてください。シューズで着地の衝撃を受けて、足を守ろうなんて考えてはいけないということを。そんなこと何十年も続けていたらまず間違いなく足が壊れます。70代80代になって走ることどころか歩くこともままならないなんてことになりかねません。そうなりたくなければ、シューズに頼りすぎないことです。

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