Go To Travelキャンペーンをわかりやすく解説してみた

Go To Travelキャンペーンをわかりやすく解説してみた

「お国は行けと言うなれど、さりとて行けるわけもなし」ということで、Go To Travelが始まります。別に政府に対してどうこう言うつもりもありませんが、とてもじゃないですが、どこかに出かけられる雰囲気ではありません。

とはいえ実際に始まるわけです。だったら、きちんと分かりやすく解説してみようかなと。解説はわたしの得意分野ですから。ただ、先に保身のために言っておきますが別に、Go To Travelキャンペーンを推奨しているわけではありません。

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旅行代金の最大半額を負担してもらえる

Go To Travelを分かりやすく説明すると「旅行代金の半額を国が負担してくれる」キャンペーンです。ただ偉い人が考えに考えた結果、いつもどおり複雑なことになっています。

  • 1人1泊2万円までが支援金額の上限
  • 日帰りは1人1万円までが支援金額の上限
  • 支援金額の70%が宿代になり、30%がクーポンでもらえる
  • 対象となっている事業者を利用するときのみ適用

これだけですでに頭を悩ましてしまいますよね。個人旅行で2泊3日の旅行をしたとしましょう。そのときの旅費が4万円だったとします。

旅費:4万円
宿泊費に対する支援金額:1.4万円
支払う旅費:2.6万円(4万円−1.4万円)
もらえるクーポンの額:6千円

4万円で販売されている2泊3日のツアーをGo To Travelキャンペーンで利用したら、支払額が2.6万円で済み、さらに6千円分のクーポンをもらえます。

また、Go To Travel事業の対象になっている事業者(旅行代理店・宿泊施設)の利用のみ対象となっていますが、これに関してはまず問題ないとは思います。ただ利用する前に確認だけはしておく必要があります。使ってみたら対象外だったなんて、笑うに笑えませんから。

ここまでが基本的な考え方です。なんとか理解はできたかと思います。

事業開始のタイミングに注意が必要

7月の4連休前にどうしても開始したいという思いがあったのか、事業開始は7月22日からなのですが、これが話を複雑にしています。この段階では先行的に開始ということで、35%割引、1泊あたり1.4万円、日帰りの場合には7千円が上限となっています。

また、クーポンがもらえるのは9月1日以降となっています。少し複雑なので時系列にまとめてみます。

7月22日 旅行代金の35%支援開始
7月27日 Go To Travelキャンペーン商品を販売開始
9月1日 旅行先で利用できるクーポン配布

7月22日以降の旅行商品をすでに予約している場合には、申請により旅行代金の35%が戻ってきます。この申請は事務局に郵送又はオンラインで提出し、旅行会社経由で支払っている場合には旅行会社から返金、現地払いしている場合には、事務局から返金されます。

7月27日以降であれば申請は必要なく、旅行代理店や宿泊施設で最初から割引かれた料金を払うだけです。

とりあえず、事業者の準備が整う7月27日までは旅行代金の35%が支援されるとおぼえておきましょう。それ以降は準備が整った事業者を利用し、クーポンも含めて50%の割引を受けたいなら、旅行は9月1日以降に行いましょう。

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ツアーなら交通費も支援対象で個人旅行は交通費は対象外

もうひとつ複雑なのが、「何が対象になるか」という点です。これは個人旅行とツアーとで変わってきます。

個人旅行:宿泊施設宿泊費のみ対象
ツアー:宿泊施設と交通費を含めたツアー代金が対象

ツアーの場合は交通費も支援の対象になりますので、これまでは個人旅行のほうが割安になっていましたが、Go To Travelキャンペーン期間中は、ツアーを利用したほうが安くなる可能性があります。

個人旅行:東京から大阪
交通費(新幹線往復):29,440円
宿泊費(2泊):12,000円

支援金額は12,000円の半額で6,000円になります。ですので出費は35,440円ということになります。これがツアーだったらどうでしょう。

ツアー:東京から大阪
ツアー代金:49,728円
内訳
交通費(新幹線往復):29,440円
宿泊費(2泊):12,000円
手数料(20%):8,288円

支援金額は17,404円と7,000円のクーポンですので、実質24,404円になります。この結果、実際の出費は25,324円ということになり、個人手配よりも1万円近く安くなります。ただし、JR東日本は半額の早割を始めましたので、その範囲内で旅行する場合には個人手配のほうが安くなります。

また、ツアー代金は簡易的な計算ですので実際の金額は変わってきます。あくまでも参考程度に考えて、自分のケースでどちらが安くなるか自分で計算して比較してください。

ちなみにクルーズや寝台列車、夜行フェリーも支援金額の対象になります。ですので八丈島にフェリーで行く場合には、個人手配でも安く行けます。

地域共通クーポンは何に使えるのか

次に支援金額の30%分(旅行代金の15%)の地域共通クーポンは何に使えるのかという話をしておきます。旅行先でまったく使えないのでは意味がありませんよね。

  • 旅行先の都道府県+隣接都道府県において使用可能
  • 旅行期間中に限って使用可能
  • 1枚1,000円単位で発行する商品券
  • お釣りなし
  • 地域共通クーポン加盟店のみ使用可能

まだ始まってもいないので、どのレベルで利用できるのかはわかりません。想定としては次の施設で利用可能になっています。

  • 旅行先の土産物店
  • 飲食店
  • 観光施設
  • アクティビティ
  • 交通機関

地域の観光協会や観光地域づくり法人 (DMO)・商工会等を通じて加盟店を呼びかけていくということですので、どれくらい広がるかは不明です。理想は行きたかった飲食店で使えることですが、必ず使えるわけではないので注意が必要です。

まとめ

半額で特に制限もなく旅行を楽しめるわけですから、過去に例のない大盤振る舞いの支援です。旅行好きとしてはこれを活用しないなんていうのは考えられませんが、残念ながらこのタイミングではとても旅行どころではありません。

とはいえ、いずれ落ち着いたら利用すればいいことで、しかも9月1日まではクーポンもないので焦って利用する必要はありません。今よりも状況が悪くなる可能性もありますが、それを言い出すとキリがありませんので、今はまだ様子見でいいのかなと。

ちょっと勇み足でのスタートなような気がしますが、観光業界がそれくらい危険な状態にあるということなのでしょう。必要ないのに旅行をするのは無駄遣いですが、行ってみたい場所があるならこれを機に旅のプランを考えてみてはいかがでしょう。

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