
やんばスカイランを走ってきました。結果はすでにXで公開しているように3分21秒。40歳の部17人中7位という「すごい」と言われるような順位でもなく、「全然ダメやん」と煽られるほど酷い順位でもなく。テレビ番組だったらダイジェスト扱いされる可もなく不可もなしの結果に自分らしいなと。
詳細は後から書きますが、21秒は縮められるなという確信はあります。下見をしたとはいえ、初見のコースであり、なおかつコンディションもベストとは言い難く。スタート前に軽く走ったら体が重たいこと。そして想定外のシューズ着用……言いたいことはたくさんあります。
ネットカフェ宿泊はアイマスクと耳栓が必須

最近の遠征で、寝るだけでいいというときの宿泊先は快活クラブにしています。もちろん最寄り駅から徒歩圏内であることが前提です。快活クラブには鍵付きの個室があって、カプセルホテル以上に快適な時間を過ごせます。それでいて1泊3,000円以内(地域によります)。
だから今回も快活クラブに泊まることにしたのですが、のんびりしていた予約受付期日を過ぎていて、飛び込み利用になってしまいました。とはいえ、高崎駅に到着した時点で空席情報を見ていたら鍵付き個室の空きも3部屋あったので、泊まれるだろうと。
ただ、高崎駅で夕ご飯を済ませて、2km先の快活クラブに歩いている時間で鍵付き個室が埋まってしまったようで、利用できるのはリクライニングシートブースかフラットなブースのみ。そもそも、ネットカフェといえばフラットなブースだったので、まぁいいかと。
でもですよ、私のブースはちょうど明かりが入ってきて、しかも何故かそこそこの音量でフロア全体にBGMが流れています。もう寝れるわけがありません。いつもの私はのび太くん並みの早さで夢の国に行けるのに、睡眠をあとから確認したら最初の1時間半で2回も覚醒していました。
唯一の救いは睡眠時間が長かったことだけ。体は重たく、こんなコンディションでレースに挑むのは久しぶりです。しかも階段練習をほとんどできていないという。言い訳?もちろんそうです。こんな状態でいい走りができるわけがなかったんです。
下見で1回上がっただけで滝汗

私のレースは12時半過ぎでしたので、本来なら自宅からでも間に合ったのですが、ステアクライミングはレポートにしたいので、開会式に間に合うように会場入りするには、どうしても前泊が必要でした。でも、もう来年からは始発で向かうとします。
カブを買っていたら、駅前のキャンプ場に泊まるのもありかもしれません。それはともかく、早く到着した目的は開会式のほかにもうひとつありました。それが開会式前の「下見」です。開会式前の1時間、コースがオープンになって、実際に上れるとのこと。
そんなもの必要?と疑問に思っていましたが、スカイランニングジャパンの運営が必要だと判断したわけです。これはどう考えても下見したほうがいい。しかも今回のコースはフーチング階段という、これまで走ってきた階段とは趣向が違います。
結果的にはこの下見はプラスに働きました。まず、私の想定よりも段差が大きく、そしてコース幅が狭い。私でも圧迫感のある幅ですので、大柄な人だとまともに走れないかもしれません。走ることを想定して作られてないので、コースに文句を言うつもりはありません。
ただ、「これはテクニカル過ぎる」というのがファーストインプレッション。もし下見をしていなかったら、途中で心が折れていたかもしれません(折れてなくても歩きましたが)。世の中にはまだ知らないものがたくさんあるようです。フーチング階段なんて知らずに50年近く生きてきました。
そして、軽く走っただけなのに滝汗。着替える前で、しかもパソコンやカメラなどの荷物を背負っていたのもありますが、汗がまったく止まりません。「これはやばい」私の中のリトル河童が呟きました。
やりたかったことの50%はできた

今回は新しい取り組みとして、これまでとは違ったフォームで挑みました。ただ、想定していたのは裸足。裸足でしっかり地面を掴んで……と思っていたのですが、開会式のルール説明で「走るのに適したウェアとシューズ」というアナウンスがありました。
よく見たら大会の最終案内にも明記されています。読んでいなかった私が悪いのですが、私は歩きやすいタイプの、クッション性が高いランニングシューズを履いて会場入りしており、それで走る必要がありました。反発を使って上りたいのにクッションで吸収される。その時点で狙い通りの走りはできません。
裸足禁止と言われたわけではないので、無理を通すこともできたかもしれませんが、少なくとも書かれていたルールに従うなら、シューズを履くしか選択肢はありません。スカイランニング主催だから、そういうことを想定して、アディゼロタクミでも履いておくべきでした。
とはいえ、ここで方向を変えたのでは群馬まで来た意味がありません。柔らかクッションのシューズを履いてスタートラインに立ち、できる限りのことをしようと。スタートして体をやや前傾にして、着地は重心よりも後ろ側にして、着地の衝撃と地面を押す力を使って駆け上がる。
柔らかいクッションのせいで足裏の感覚が緩いものの半分くらいまでは想定通りの走りができていた気がします。でも、2/3を過ぎたところでグリコーゲンが枯渇。足が思うように動かず、反発を使うどころではありません。もう1段上がるのも苦しい状況。
そしてゴール後に倒れ込んで動けなくなってしまいました。幸い心肺には余裕があったので、救護を受けることはありませんでしたが、2分近くその場から動けずにいました。ただ、完全なるオールアウトだから、やりきった満足感はありました。
足りないもの(練習量)も明確になり、来月の太郎坊チャレンジに向けて、少なくとも気持ちだけはポジティブになっています。来月まで隙あらば坂道ダッシュを繰り返すとします。時間に余裕があれば山にも入ろうかと。レースは惨敗ですが、収穫は十分にありました。

長野原町という発見

私は記憶力が低く、興味ないことに関しては記憶を留めておくフックすらなくスルーしてしまいます。おそらく、人生のどこかで「八ッ場ダム」についてニュースなり、新聞記事なり読んでいるはずですが、昨日までは本当に何も知らない状態でした。
完成したのが2020年。そしてつい最近まであった町がダムの下に沈んでいるという事実。最初の違和感はダム湖の中に木が何本も残っているのを見た瞬間。そして周りをよく見てみると、すべての建物が築浅。そして新しいダムであり、この集落の歴史が始まったばかりであることに気づきました。
ダムによって先祖代々の土地を失った人がいる。「人がいた」ではなく「人がいる」。昭和の戦前の話ではなく、令和の時代にそれが起きていたことをはっきりと認識したことで、長野原町への興味が一気に膨れ上がりました。こういうことがあるから旅はやめられません。
今回最大の収穫は階段の新しい走り方ではなく、長野原町を認識したことです。過去の姿を今から見ることはできませんが、ダムと共に暮らすと決めてからのことは見ることができます。私も物書きの端くれ。そこに対する好奇心が止まりません。
レースの帰りに、たまたまJRバスが河原湯温泉駅に停まっていました。よく見ると行き先は新宿・東京。上りがあるということは下りもあるということ。調べてみたら片道3,200円で長野原町まで来れるとのこと。半日だけ走りに行くということもできそうです。
半日走って温泉に浸かって、河原湯のクラフトビールを飲んで帰ってくる。そんなちょっと贅沢な休日。実現するのがいつかはわかりませんが、やんばスカイランのおかげで、ステアクライミングのおかげで、楽しみがまたひとつ増えました。
